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診療室にきた赤ずきん の商品レビュー

3.6

82件のお客様レビュー

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2009/10/07

童話をこよなく愛し、童話を用いて治療する、精神科医の物語。 患者の発病に至る経緯(あるいは人生そのもの)を童話に喩えるという「物語療法」。 10編の実話を元に語られるその治療法には下を巻かずにはいられない。 物語の達人である著者の面白い理論を一つ紹介しよう。 「物語...

童話をこよなく愛し、童話を用いて治療する、精神科医の物語。 患者の発病に至る経緯(あるいは人生そのもの)を童話に喩えるという「物語療法」。 10編の実話を元に語られるその治療法には下を巻かずにはいられない。 物語の達人である著者の面白い理論を一つ紹介しよう。 「物語に登場する【食】は【愛】の隠喩である」という理論。 「オオカミと7匹の子ヤギ」を例に挙げる。 …オオカミは決して空腹から子ヤギを襲ったのでは無い。 母ヤギから子ヤギへの愛(作中では母ヤギは子ヤギの為に食糧を探しに行った)に嫉妬していたのだ。 一匹を残して子ヤギを食べてしまったオオカミは小屋の中で眠ってしまう。なぜそんなリスクを冒したのか? オオカミは無意識に母の愛(食糧)を待ち望んでいたのである… 確かに、一寸法師は「お椀と箸」で都へ行き、 桃太郎は「きび団子」で世界を救う… 大人になって疎遠になっていた「童話の世界」に、 もう一度足を踏み入れてみてはいかがかな。

Posted byブクログ

2013/12/05

(2007.08.20読了)(拝借) 副題「物語療法の世界」 精神科医の治療の事例集です。 精神に異常をきたし、普通の生活が送れなくなった人たちが、精神科医の下に来ます。何かしようとすると、おなかが痛くなったり、頭が痛くなったりするので、内科医へ行ったりしますが、検査の結果身体的...

(2007.08.20読了)(拝借) 副題「物語療法の世界」 精神科医の治療の事例集です。 精神に異常をきたし、普通の生活が送れなくなった人たちが、精神科医の下に来ます。何かしようとすると、おなかが痛くなったり、頭が痛くなったりするので、内科医へ行ったりしますが、検査の結果身体的には何の異常もないので、精神的なものではないかと、精神科に来ることもあります。 患者は、表面的な問題は分かっているのですが、うまく生活できないのは、もっと他の問題があるためのようです。 フロイト以来、精神分析という治療法が開発されてきました。 精神科医は、患者の話を聞きながら、本当の問題と思われるものを探り出すことになります。大体において、患者が自分で気づいて、自分で、本当の問題と折り合いをつけることによって、正常な生活に戻れるようになるようです。 著者のやり方は、患者の問題にぴったりの童話や絵本の事例を紹介して、患者の問題の解決の手助けにするということのようです。 事例には、風邪を引いて休んだのをきっかけにして不登校になった女子高生、会社勤めを一休みして引きこもりになった青年、転職を繰り返す青年、夫がいやになった主婦、転職すべきかとどまるべきかで悩む若い女性、住んでいた土地からの立ち退きを迫られた老婦人、過食症の女性、失恋した男性、キャリアウーマン、大学入学資格試験に合格したけど進学か就職かで迷う青年、離婚話で発病した男性、精神錯乱で連れてこられた青年、と12の話が取り上げられています。事例の中には、精神を病んでいるわけではなく、どうしたらいいのか決断できないので、という単なる人生相談的なもの、定期的に精神科医に話を聞いてもらって、精神のバランスが崩れる前に予防しているアメリカ人などもいます。 ちょっと分かりにくい部分もありますが、精神科医の仕事と、精神を病むというのはどういうことなのかを垣間見るにはいい本かと思います。 著書 大平 健 1949年 鹿児島生まれ 東大医学部卒業 精神科医 ☆関連図書(既読) 「精神分析入門 上」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.10 「精神分析入門 下」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.15 (2007年8月23日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 「むかしむかし、あるところに…」まさか精神科を受診して、昔話や童話を聞かされるなんて誰も思ってもみなかっただろう。でも、患者たちの当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を「赤ずきん」「ももたろう」「幸運なハンス」「三びきのこぶた」などで解き明かす、ちょっと不思議で、ほんとうは不思議じゃない12話の「心の薬」。

Posted byブクログ

2009/10/04

「むかしむかし、あるところに・・・」 まさか精神科を受診して、昔話や童話を聞かされるなんて誰も思っても見なかっただろう。でも、患者たちの当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を「赤ずきん」「ももたろう」「幸運なハンス」「三びきのこぶ...

「むかしむかし、あるところに・・・」 まさか精神科を受診して、昔話や童話を聞かされるなんて誰も思っても見なかっただろう。でも、患者たちの当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を「赤ずきん」「ももたろう」「幸運なハンス」「三びきのこぶた」などで解き明かす、ちょっと不思議で、ほんとうは不思議じゃない12話の「心の薬」。

Posted byブクログ

2009/10/04

話の内容が実にわかりやすい。本当に頭のよい人は難しい事象を見事に租借して、どんな相手にもわかりやすく話すことができるんだな〜。 改めて、著者を尊敬しました。

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2009/10/04

精神科に通院する患者さんをおとぎ話や童話に たとえて今の状態を理解させたり安心させてくれる。 精神系の患者さんは「特別な境遇・人間」だけじゃない。 明日は我が身ですな。 「病は気から」と言ってないで病院に行きましょう。

Posted byブクログ

2009/10/04

童話・民話好きの精神科医が、物語という切り口で精神病理の本質に迫った本。難しい言葉は出てこず、専門的な知識が無くても読めて、面白い。各章とも、「赤ずきん」「幸運なハンス」「うらしまたろう」などの物語と臨床例がセットになっている。以前流行った「物語のはらむ病理性を暴く」「精神病理を...

童話・民話好きの精神科医が、物語という切り口で精神病理の本質に迫った本。難しい言葉は出てこず、専門的な知識が無くても読めて、面白い。各章とも、「赤ずきん」「幸運なハンス」「うらしまたろう」などの物語と臨床例がセットになっている。以前流行った「物語のはらむ病理性を暴く」「精神病理を物語に当てはめてみる」という理解の仕方ではなく、フロイト精神分析・論理療法・認知療法などと同じように、クライアントの心の問題を捉えるための一つのスキームとして物語を使っているように思える。著者の物語への愛情と理解の深さや精神科医としての懸命な努力を感じさせ、好感が持てる。

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2009/10/04

精神科を訪れた患者さんの心の問題や原因を、誰でも知っている物語を話す事で、当の本人も気付いていなかった部分まで良く分かる。そうやって心を治療してきたお医者さんが、今まで診察にあたってきた患者さん達のお話です。 赤頭巾や鶴の恩返しなど、一度は聞いた事がある物語が、その人の状態にぴっ...

精神科を訪れた患者さんの心の問題や原因を、誰でも知っている物語を話す事で、当の本人も気付いていなかった部分まで良く分かる。そうやって心を治療してきたお医者さんが、今まで診察にあたってきた患者さん達のお話です。 赤頭巾や鶴の恩返しなど、一度は聞いた事がある物語が、その人の状態にぴったりと当てはまるのは不思議なものです。 ここがいけなかった、ここを治さなくてはいけない。そうやって言われると、どこか辛く感じる時もあります。そうやって難しい話をするよりも、物語を聞かせる事で患者さん自身が自分の状況を理解し、改善点を自分で導き出せるのは素晴らしい事だと思います。 ただ、この本自体が物語というよりは症例の要素が強いのか、少しあっさりとしていて、見ていて物足りなく感じる部分もあるかと思います。

Posted byブクログ

2009/10/04

なんとなーく当たり前の様な既存事、ただ作者の自慢話を聞いてるような気分になった。 でも童話や物語に患者の立場を当てはめていくっていう発想は面白いと思ったけど、 なんかやっぱり患者の状況と物語がリンクしてないようなあ 私がただ理解できてないだけなのかそんなジレンマ?を感じたよお や...

なんとなーく当たり前の様な既存事、ただ作者の自慢話を聞いてるような気分になった。 でも童話や物語に患者の立場を当てはめていくっていう発想は面白いと思ったけど、 なんかやっぱり患者の状況と物語がリンクしてないようなあ 私がただ理解できてないだけなのかそんなジレンマ?を感じたよお やジレンマなんて感じてないあかあw ただ当時はなんか歯車かみ合ってなくない??って感じかしたよ

Posted byブクログ

2009/10/07

心理学に少し興味があるので手に取る。精神科医の書いた本。患者さんに効果的な診断、あるいは求めているだろう答えを、ポピュラーな童話を取り上げながら診察していく様子が書かれています。身近にあるような症状を取り上げた診察録、とでも言いましょうか。小さいときに読んだ童話と、大人になって聞...

心理学に少し興味があるので手に取る。精神科医の書いた本。患者さんに効果的な診断、あるいは求めているだろう答えを、ポピュラーな童話を取り上げながら診察していく様子が書かれています。身近にあるような症状を取り上げた診察録、とでも言いましょうか。小さいときに読んだ童話と、大人になって聞かされたりするそれは、こんなにも捉え方が違うのか!と思うカルテがいくつかありました。当然だけど、古典童話、侮るべからず。そんなこんなで、結構興味深く読めました。もし、近しい人が悩んだり、弱っていたりしたら、今まで以上に相手の気持ちを汲める人間になりたいなと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

昔話をたとえにして人の悩みを解決していく話です。 ”説明上手な人はたとえ話が上手” と聞いたことがありますが、この人がまさにそうだと思います。 話自体おもしろいし、単純明快でわかりやすい良い本です。

Posted byブクログ