蛍 の商品レビュー

麻耶雄嵩(著者)

2009/10/04

女性が「僕」と自称するのは大嫌いなので気になっていたのだが、それがあんな理由で使われていたとは…ワトソン役をあんな風に使うとは…という風な驚きのテクニックが満載。文句なくおもしろい

2009/10/04

やられた…。それがあの一文を読んだ後の第一印象。どこまでも新本格におけるステロタイプな舞台、登場人物、殺人事件、物語の背景、謎解き合戦。麻耶雄嵩のことだからこれじゃ終わらないと思ってこの不気味な雰囲気に浸りつつ警戒して読んでいたので、普通ならばメイントリックに使われそうなところには気づいたのだが…。
サプライズは思いがけないところから突っ込んできた。予想の斜め上どころか別次元から襲われたような気がした。ある程度すれた読者こそぶん殴られる。ここまで凝ったものを書くのなら遅筆で当然という感じ。

2009/10/07

ちょっとこじんまりとしているし、ただでさえ上手くない文章が、仕掛けの為にさらに読みにくくなっているので。あまりおおっぴらにお勧めはできないけど。独創性こそがミステリの肝で思う方ならば、やはりこれは読んで損はないでしょう。

2009/10/04

うわっ、やられた！最後にトリック解説してるところで「？」と思ったところを読み返すと、ちゃんとわかるようになってるやん。自分はずっと○○の視点だけやと思ってたからなぁ(^^; ゆっくり読むひとにとっては途中からわかったんやろな。あ、この終わり方は予定調和のようで、ちょっといやだな。

2009/10/04

物語に入り込むまでには若干の時間を必要としましたが、麻耶のすごさを強烈に認識させられました。

精緻な描写が物語を存分に生かしていて、最後まで楽しむことができました。

犯人についてはやっぱり「やられた」と思ったけれど、少し違和感を感じたところがそのまんま物語のキーになっていたのがちょっと嬉しかったです。

新本格最盛期を思い出す、良作だと思います。