蛍 の商品レビュー
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クローズドサークル物であり叙述トリック。 読解力が無いせいか、一人称で記述されている文章は誰の視点なのか分からなくなった(作者の狙いか?) 巻頭に登場人物一覧表があるが、そこでは千鶴(S女子大)とあるのに、他の登場人物には男と思われている・・・。まぁ、この辺りがトリックを構成する上で肝になるんだろうけど、フェアかなぁ・・・。 動機も分かりにくいし、隠し扉やらを見つけるのも安易なのでは?中盤までは、そこそこ楽しめたけど、視点の分かりにくさや、後半に向け化け物屋敷の趣を呈してくる中身に辟易。 隠し扉から地下に繋がっててそこが鍾乳洞とか言われてもね・・・。 読了後、ネタバレや解説サイトを見たけど、イマイチ納得出来ず・・・。 ☆3個
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冒頭から主観の持ち主がぼかされて長崎と諫早とが入れ代わり立ち代わり、トリックだろうとは思いつつ少し煩わしい。千鶴の認知については全く思い至らず。『鴉』の色彩もそうだけど、さりげなく堂々と認識にズレを起こさせるつくりが得意でいらっしゃるんですね。 終わりかたは、そうきたかという。殺伐として嫌いじゃないです。 個人的には『鴉』よりも楽しめました。ある意味よくある閉鎖的舞台で登場人物も限られ、すっきりした世界観に入りやすいという意味で、読みやすかったのかな。
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巻頭の登場人物や舞台設定をしっかり読んだために騙されたのか、ただ騙されていることに気が付かなかったのか、この人の作品はややこしい。そう思うのはミステリーがあまり好きでないのか。全体的に違和感を感じながら読んでいたので少し疲れた。ミステリー好きには面白いと思います。
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過去、殺人事件の発生した館に閉じ込められた心霊サークル・アキリーズのメンバー。やがて、ひとりが死体となって発見され・・・、というクローズドサークルもののお約束の形で物語は始まる。正直、結末も「なるほど」程度にスルーしてしまっていたが、あとから、ネタバレサイトで詳しく説明を読んで、...
過去、殺人事件の発生した館に閉じ込められた心霊サークル・アキリーズのメンバー。やがて、ひとりが死体となって発見され・・・、というクローズドサークルもののお約束の形で物語は始まる。正直、結末も「なるほど」程度にスルーしてしまっていたが、あとから、ネタバレサイトで詳しく説明を読んで、周到な仕掛けに★ひとつプラスした。
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ザクザクっと読んだ。 ミステリーの王道 嵐の中、陸の孤島。 実質的に閉じ込められる大学生たち。 うーん、あんまりワクワクはせんかった。 ちょっとモヤモヤした。 意図的なんやろうけど、語り手が ハッキリしなくて… 最後まで読んでも、あんまり スッキリしなかったなぁ。
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2005年のこのミス第11位。 去年の夏、出た当初からずっと読みたくて、最近買ってようやく読み終えた。 まごうことなく本格。本格以外の何ものでもない。オカルトというか、ちょっとホラーっぽい感じがしないでもないが。 京都の山奥に建てられた「ファイアフライ館」での事件。その持...
2005年のこのミス第11位。 去年の夏、出た当初からずっと読みたくて、最近買ってようやく読み終えた。 まごうことなく本格。本格以外の何ものでもない。オカルトというか、ちょっとホラーっぽい感じがしないでもないが。 京都の山奥に建てられた「ファイアフライ館」での事件。その持ち主であった音楽家は以前その館で六人を惨殺。狂気の末衰弱死、と。 そんな館を買い取った物好きな人と、そこに集まったオカルトスポットを訪ねて回るサークルのメンバが巻き込まれる事件。それに世間を騒がせている殺人鬼「ジョージ」が絡まってくる。 そう複雑でもないけれど。以下空白はネタバレにつき反転処理。 初めからどうしても消えなかった違和感は地の文章における「人称の膨大な欠如(というと御幣があるが)」が原因か。どうも読んでて曖昧だ、曖昧だと思っていたら案の定それがトリックだった。ずっと「これは一体誰を主体にして書かれているのか」が分からなくて悩んでいたんだ。「諫早さん」と思ってたけど、そう騙したかったんだろうね。「長崎さん」についてあまりにも書かれてないからおかしいなとは思ってたんだ。読んでる最中「絶対犯人はこの諫早っていう男だ」と思っていたんだわ。結果的にその推測はあっていたわけだけど「そう思ったのは諫早だと思っていた長崎の行動や思考」が根拠(というには薄弱すぎるが)だから、まあ見事騙されましたよ、と。 ただね、そんなことはどうでもいいぐらいに綺麗な騙しが入ってて。もう、それだけで大満足。「性別トリック」があったら嫌だなと思っていたけど、まさか「作中の人物がある一人の性別をずっと誤解したままだった」っていうところで騙してくるとは。読者には知らせてあったし、視点となる人物も知ってたから全然気付かなかった。従来のものとは真逆のものだよ。さすが麻耶くん。 殺人者が狂気に落ちていくその過程、原因も綺麗に書き込まれていて非常に楽しめた。 ラストの大落ちもいいね。やっぱり精巧に作られた館ってのは、何かに憑かれてるんだ。 05.02.08
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大雨で孤立した館。そこで起こる殺人。王道だね。 オカルトサークルの大学生6名+館を買った元サークル社会人の7名が止まるファイヤーフライ館。そこでは、音楽家がオケメンバー全員を殺害するという事件が過去にはあった。 そこに絡まる首都圏で起きていた猟奇連続殺人鬼ジョージ。 孤立してる中犯人も推理されるのだけど。 千鶴は最初から女性でしょ。名前だってそうだし。 ここへん。 最後のエピローグでびっくり。え、死んじゃうんですか。一人生き残ったのはだれなのか?
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タカタカタ・タータ・タカタカタン♪ 曰く付きの別荘が舞台、大学サークルの連中が押しかけて殺人事件発生!とくれば、館モノっぽくてワクワクしますね。 トリックの使われ方も良いです。こういう伏線の使い方好きです。この作者の作品群の中では全体的にわりと大人しめのテイストなのでエグさでは物...
タカタカタ・タータ・タカタカタン♪ 曰く付きの別荘が舞台、大学サークルの連中が押しかけて殺人事件発生!とくれば、館モノっぽくてワクワクしますね。 トリックの使われ方も良いです。こういう伏線の使い方好きです。この作者の作品群の中では全体的にわりと大人しめのテイストなのでエグさでは物足りなく感じる部分もありますが、初読では見事に作者の術中にはまりましたw
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原稿用紙693枚の書き下ろし。メルカトル鮎もうゆーさんも木更津探偵も出てきませんが、でもやっぱり麻耶クンでしたよ! ちなみに本タイトル、本当は旧字(火が2つにワ冠に虫)です… 俗に言う「幽霊スポット」探索を主の活動にしている大学サークル・アキリーズクラブの面々…総勢6名が7月15日、OBの佐世保左内が所有する山荘「ファイアフライ館」へ到着した。この館は10年前の同じ日、当時の所有者でヴァイオリニスト・加賀蛍司が合宿中の楽団員6名を惨殺したといういわく付きの物件だった。しかも1人は行方不明、加賀本人も精神に異常をおこし『蛍がとまらない』と呟きながら衰弱死したという。 館内は佐世保の手により、家具や室内装飾、電化製品、そして被害者らの持ち物に至るまで当時に酷似するように設えられており、異様な雰囲気に満たされていた。そんな中、合宿参加者は肝試しをしたりと雰囲気を満喫していたのだが、真夜中、この館では新たな殺人が起きていた…。 大雨のため唯一の橋は通行できず、電話も通じない。誰も脱出ができない…つまり、犯人はまだ館の中にいるのだ… してやられた…してやられたよ麻耶クンに…!! 上記あらすじだけでは基本的な館もの。「陸の孤島」ものです。トリックもよくあるものではありますが…使い方が絶妙…!! 読者への挑戦状はありませんが、伏線・ヒントは与えられているのでうまくすればラスト前に真相を見破れるのかもしれませんが…そのヒントすらトリックである可能性が…!!(本文以外でも気を抜いてはいけないゼ!) 以下ネタばれ:叙述トリックなのです。語り手が諫早に誤認させる(実際は長崎)のは、途中で違和感を感じるので分かり易いかもしれない。ただ、松浦=女なのを他の5人が知らないというのは!人物紹介で最初に提示されているのでしっかり騙された…でも実は、当の紹介欄でヒントはあるんです。松浦以外は全員イニシャルが同じ(佐世保=S.S、平戸=H.H)…つまり松浦千鶴は偽名だと。 過去の惨殺事件、館の持つ狂気、そして彼らアキリーズの仲間が半年ほど前に殺害された事件が加わり、真相は混濁としていきますが、それでも最後を迎えます。始まりがあれば終わりがある。真相が暴かれて、読者の中でも終わりがくるのですが…麻耶作品はその点でも一筋縄ではいかないように思います。 終わりを迎えた世界を、破壊する。無に帰す。混濁。その混濁は、読者の中での”解決”をすら飲み込んでしまうような感覚を与えてくる気がするのです。 やっぱり麻耶作品は特異で、一筋縄ではいきません。ぜひとも、そのまま突っ走ってほしいと思います。
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ミス研のようなサークルの6人は、山奥のファイアフライ館へ、OBの佐保を訪ねる。その館は、10年前に家主が演奏家6人を殺害した場所。殺された6人と同じ部屋に泊まったり、当時の6人の持ち物をそろえたりと悪趣味なコレクションにゾクリとする。テレビゲームのミステリノベルのようだ。物語は予想通り、事件の再現になっていくのだがー。家主が殺人犯だったり、サークルの仲間に事件の被害者の息子がいたり、と王道ではあるが、一番のポイントは主人公の転換。
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