蛍 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なぜどうして!?という気分を最後まで味わえる秀作. 途中途中で人間関係が分からなくなること多数ではあるが,それでも引きつけられる点がとても多く,読み応えもよい作品であった. 気になったのは,なぜ恋人であった人を殺して(殺させて)しまったのかという点と生き残ったのは誰なのかという点である.うーん,何とも興味深い作品であった.
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トリックは目新しいものではないが、その見せ方、使い方がすばらしい。館の静かな美しさ、強烈な幕切れなども実に好み。
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最後に生き残ったのって語り手でいいのかな?なんか烏有と同じような感じ…この何とも言えない救われなさが好き。
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秀逸。 古典でありながら斬新。 再読ー。思い切り騙された初読から二年半弱経つけど、あまりの衝撃にトリック覚えてたので今回は騙されませんでした。 が、伏線に鳥肌。緻密。巧妙。 何かと読み手の心理を利用してくる。自虐的になろうとも笑。 あと読みやすい。麻耶雄嵩にしては後...
秀逸。 古典でありながら斬新。 再読ー。思い切り騙された初読から二年半弱経つけど、あまりの衝撃にトリック覚えてたので今回は騙されませんでした。 が、伏線に鳥肌。緻密。巧妙。 何かと読み手の心理を利用してくる。自虐的になろうとも笑。 あと読みやすい。麻耶雄嵩にしては後味もあっさりめ。
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これ好みだわっ! 「ファイアフライ館」が凄まじく魅力的! ……住みたくない館ナンバーワンになると思うけどね(苦笑)。読み終わったあとも、頭の中に妙なメロディが鳴り響いちゃってしかたがない~。あたかも音楽が聴こえてくるような作品。 怪しげな館、過去の事件、嵐の山荘、謎の人物、とミス...
これ好みだわっ! 「ファイアフライ館」が凄まじく魅力的! ……住みたくない館ナンバーワンになると思うけどね(苦笑)。読み終わったあとも、頭の中に妙なメロディが鳴り響いちゃってしかたがない~。あたかも音楽が聴こえてくるような作品。 怪しげな館、過去の事件、嵐の山荘、謎の人物、とミステリの「お約束」がぎっしり。でも使い古された感はまったくないなあ。というより、カンペキに騙された~! 特に「読者には前提とされていた事実なのに、登場人物に認識されていなかったあの事実」(読んだ人だけ分かってください)に驚愕。いや、○○トリックってのはよくあるけどさ、それを逆手に取っちゃったこんなトリックってあんまりないんじゃないか?
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世界的なヴァイオリンニストであった加賀螢司が、自ら組織したヴァレンタイン八重奏団のメンバー6人を惨殺する凄惨な事件が起こったことで有名なファイアフライ館。10年後、その館を訪れたのはオカルト大好きな大阪F大のサークル【アキリーズ・クラブ】のメンバー達。このクラブのOBである佐世...
世界的なヴァイオリンニストであった加賀螢司が、自ら組織したヴァレンタイン八重奏団のメンバー6人を惨殺する凄惨な事件が起こったことで有名なファイアフライ館。10年後、その館を訪れたのはオカルト大好きな大阪F大のサークル【アキリーズ・クラブ】のメンバー達。このクラブのOBである佐世保佐内がこの館を買い取ったことから、合宿が行われることとなったのである。佐世保は事件当時の状況を、ありとあらゆるものを取り寄せてできるだけ再現することにつとめ、また、クラブのメンバー達も、怖がりながらもその状況を楽しんでいた。しかしながら、加賀螢司の書斎にいた佐世保が、何者かに銀色の短剣を突き立てられて殺されているのが発見される。 嵐によって外部との接触を断たれた館モノという、ミステリでは王道のシチュエーション。2/3ぐらいまでは他の館密室作品と大差なく進む感じで、このまま無難に終わるのかと思いきや、「は?」と思うような箇所が多数出てくる残り1/3。一口に叙述トリックといっても、こんな騙し方もあるのかと感心。全てを読んでも、「え?どういうこと???」と若干ややこしかったので、スッキリ感は低め。しかしながら最後の1ページ、いままで書き上げてきたものをまるで自ら壊すかのような結末に、作者の魂を見たような。でも、作品としては美しい終わり方になったのではないだろうか。
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館モノ好き!! ギッシリ詰まっている謎。もう少しトリックにパンチがあってもいいかな?でも★4つつけられる!! 好き嫌いはっきり別れるんだろうなぁ。
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これはすごい。練りに練って丁寧に書き上げられたミステリ。時計の針云々は個人的にどうでもよかった。やっぱり自分は物理トリックよりも叙述トリックのほうが好きだということがこの一冊でハッキリとわかった。さてはて、叙述トリックです。これはトリックに使われるだろう、と思えるポイントがわかり...
これはすごい。練りに練って丁寧に書き上げられたミステリ。時計の針云々は個人的にどうでもよかった。やっぱり自分は物理トリックよりも叙述トリックのほうが好きだということがこの一冊でハッキリとわかった。さてはて、叙述トリックです。これはトリックに使われるだろう、と思えるポイントがわかりやすかったので、語り手の正体と松浦に関しては早い段階からわかる。まぁ、自分でも気づいていない伏線がもっと作品に張られているとは思いますが。でもでも、最後の1ページですっごい疑問が残る!麻耶さんの作品は『神様ゲーム』が初めてで、これは二作目。『神様ゲーム』と違ってこれは理解できて良かった、でも麻耶さんなのにな・・、と複雑な気分で読み終えようよしたら、いきなり作品から突き放されてしまった。やっぱり麻耶さんだった。タカタカタ・タータ・タカタカタン。
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私にとっては少々マニアックなミステリー小説でした。今回起きた事件が、10年前に同じ場所で起きた事件と、殺人鬼「ジョージ」にどう結びついていくかが、この小説のポイントといえます。 またプロローグと同様に、新聞記事という形で締めくくられたエピローグ。読者の想像にお任せするかのように...
私にとっては少々マニアックなミステリー小説でした。今回起きた事件が、10年前に同じ場所で起きた事件と、殺人鬼「ジョージ」にどう結びついていくかが、この小説のポイントといえます。 またプロローグと同様に、新聞記事という形で締めくくられたエピローグ。読者の想像にお任せするかのように、意図的に内容が一部不鮮明にされています。個人的には読み終えたという爽快感が損なわれるので、最後の最後になってこういう小細工はやめてほしかったなぁ。(;´Д`)=3
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●【ネタバレ有】暗い暗い嗚呼暗い、つか、あいっかわらず救われないいいい。 麻耶作品と言えば、終わりは必ず大災厄。なぜか必ず大崩落。 なーぜーにーそこでカタストロフが起きるのか!? だって麻耶ワールドだから☆ ・・・て程度しか説明不能。 で、カタストロフの後は、たぶん世は事も無し、...
●【ネタバレ有】暗い暗い嗚呼暗い、つか、あいっかわらず救われないいいい。 麻耶作品と言えば、終わりは必ず大災厄。なぜか必ず大崩落。 なーぜーにーそこでカタストロフが起きるのか!? だって麻耶ワールドだから☆ ・・・て程度しか説明不能。 で、カタストロフの後は、たぶん世は事も無し、と。 とはいえ、生き残ってしまった人(たとえば他の作品なら烏有とか)には深刻なPTSD(←これ悪いけど便利な用語になっちゃいましたな)が残り、不幸を吸引し続けるが如き人生を送ることになってしまうの巻に3000はらたいら。(古) こう言う場合、生き残ってしまうのは自虐&卑下傾向の強いダメ人間と相場が決まっているので、87%くらいの確率で語り手の彼が、不幸な人になります。そんで、うっかり別の作品でメルカトルに出会ってしまって、おもちゃにされるんだ。 「ただ泥に埋まるより面白いじゃないか」とか言われて、更に悲惨な死に方させられたりするんだきっと。ああ不幸。 ●麻耶作品では毎度のことながらあまりにも後味が悪いこのお話、叙述トリック物としては、かなりよく出来てるらしいです。最初から疑ってかかって読み始めたのに、ちゃんと騙されたし。へへん☆ だからって、誤読箇所を読み直そうとは思わいませんが。そう言うカタルシスを求めてはいないので。
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