神様がくれた指 の商品レビュー
スリの辻と占い師のマ…
スリの辻と占い師のマルチェラこと昼間が、偶然出会い同居することに。お互い知らないところで繋がっていく。ドキドキとさわやかが詰まった本です。
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ちょっとこった設定で…
ちょっとこった設定ですが、メッセージと登場人物はホントにさわやかです
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刑務所から出所したば…
刑務所から出所したばかりのプロのスリ、辻牧夫。司法試験をあきらめたギャンブル好きのプロの占い師、昼間薫。二人は些細なことをきっかけに出会い、辻は昼間の家に居候を始める。そして、運命は二人にとんでもないトラブルを用意していた―。犯罪者なのに魅力的な青年と、矛盾に満ちた心優しい青年。...
刑務所から出所したばかりのプロのスリ、辻牧夫。司法試験をあきらめたギャンブル好きのプロの占い師、昼間薫。二人は些細なことをきっかけに出会い、辻は昼間の家に居候を始める。そして、運命は二人にとんでもないトラブルを用意していた―。犯罪者なのに魅力的な青年と、矛盾に満ちた心優しい青年。不思議な組み合わせの二人の関係が心地よい。
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天才スリ師と、タロッ…
天才スリ師と、タロットの占い師、神様の指を持つ二人が出会う。全く異なる二人が、別々の角度から同じ事件に巻き込まれていく。無表情な少年・全てを恐れる少女手を轢かれたスリ師・優しい病弱な女性最初、今までと雰囲気が違うなぁ~と思ったけど、ストーリー展開、登場人物がやっぱりいい。そして今...
天才スリ師と、タロットの占い師、神様の指を持つ二人が出会う。全く異なる二人が、別々の角度から同じ事件に巻き込まれていく。無表情な少年・全てを恐れる少女手を轢かれたスリ師・優しい病弱な女性最初、今までと雰囲気が違うなぁ~と思ったけど、ストーリー展開、登場人物がやっぱりいい。そして今回うなったのが「間食だ、人によっては何回食べてもいいという食事だ」の一文。文章の言い回しが妙にツボにはまる作家だなぁ~
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佐藤さんは 青春小…
佐藤さんは 青春小説のイメージが強かったので スリの青年の話??って少々面食らった。イメージが違ったけどこれはこれで十分に面白かった。ただラストが少々分かりにくいなぁ。
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主人公が未成年ではな…
主人公が未成年ではないことにまず驚きましたが、爽やかな文体は健在です。スリ業界(?)に詳しくなれます(笑)。気軽によみたい本を探していらっしゃる方におすすめします。分厚い感じがしますが、すぐに読めますよ。
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深い!
主人公は、出所したばかりの天才スリ師。少年スリグループとの諍いをきっかけに知り合う、女装の占い師。と、登場人物ほとんどが「世間から外れた」人たちなのだが、何とも爽やかで面白い物語なのだ。むー、深い。
mari104
再読 辻と昼間がお互いに信頼し合い不思議な友情を寄せる過程が、初読の時よりもすんなり納得できたというか。 社会から逸脱してるような浮遊感 仕事や自分の出来ることに全力を尽くすある種の生真面目さ(辻のそれは法的には赦されないけれど) 相手を慮る優しさと思いやり 相手に踏み込みす...
再読 辻と昼間がお互いに信頼し合い不思議な友情を寄せる過程が、初読の時よりもすんなり納得できたというか。 社会から逸脱してるような浮遊感 仕事や自分の出来ることに全力を尽くすある種の生真面目さ(辻のそれは法的には赦されないけれど) 相手を慮る優しさと思いやり 相手に踏み込みすぎない距離感 似てないようでどこか似ている、けどやっぱり何か違う お互いを知っていくプロセスが心地よいなと思いながら読んだ。 昼間が途中風邪を引いて寝込むシーン あれは少女永井とすれ違いになるかも、という必要が会って盛り込まれたのだろうが、顧客に都合の良い占いをすると体調を崩す 日々身を削って仕事をしているという意味もあるのかなぁと再読してて思った あと、あんかけうどんを無性に食べたくなる笑。 著者には「一瞬の風になれ」や「しゃべれどもしゃべれども」などの代表作があるけれど、個人的ベストはこの作品です。オトナの男の友情物語が自分は好きなんだなと、これも再読して気づいた事。
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※このレビューにはネタバレを含みます
スリと占い師。 普段あまりお目にかからない職業ですが… 『神様がくれた指』 佐藤多佳子 (新潮文庫) いやーよかったです。 主人公たちの心の通い合いが暖かい、そして妙に後を引く物語。 辻牧夫は電車専門のスリである。(“箱師”というらしい) 一年二か月の刑期を終えて出所した彼は、迎えに来た育ての親の早田のおかあちゃんと帰る途中の電車の中で、なんとスリにあってしまう。 (正確にはおかあちゃんの財布がスリとられるのをむざむざ見過ごしてしまったのだ) 犯人は少年少女のスリグループで、辻は追いかける途中、その中の一人に怪我をさせられてしまう。 倒れていた辻を助けたのは昼間薫という人物だった。 登場人物がすごくいいんです。主役も脇役も。 一人一人のキャラが魅力的で、人物像がとても鮮やかに浮かぶ。 早々軒でバイトするか、マルチェラのお客になりたいわー。 辻牧夫は、背が高く目つきは鋭く、刑務所製の坊主頭で、見るからに只者ではない雰囲気を醸し出している。 が、中身は意外に好青年で、昼間に「犯罪者だが首尾一貫している」と言われる通り、仕事(スリなんですけどね)に自分なりの美学を持つ職人気質。 料理はうまいしどこか人好きのする憎めない若者である。 昼間薫は別名をマルチェラという。 “赤坂の姫”とも呼ばれている占い師である。 性別は男性だが、身長160センチ、色素の薄い端正な顔立ち、中世的な声。 マルチェラになる時はロングドレスにチャドルを被り女装をしているが、普通に男の格好をしていても女に間違われる。 ギャンブル好きのため常に金欠。 エアコンのない賃貸の西洋風のボロ屋敷に住んでいる。 子供のスリにやられたことが、“抜き取りのマッキー”と呼ばれた箱師・辻のプライドを傷つけ、闘争本能に火をつけた。 “ガキども”を捜すため辻は家には帰らず、昼間の屋敷の居候となるのだが…… 奇妙な同居生活といえばコメディータッチの話だろうと思っていたら、途中からストーリーがどんどんハードになっていく。 スリ団の正体が明らかになるにつれて、辻の身に危険が降りかかる。 さらにマルチェラの占いの客の一人がスリ団のメンバーであったことから、昼間も事件に巻き込まれていく。 いつの間にこんなアクション満載の犯罪小説に! 拳銃で撃たれる人はいるわ、包丁で刺される人はいるわ、辻はボコボコにされてるし、昼間くんはマルチェラの姿のまま裸足で駆けずり回ってるし、西方のおやっさんはホームに突き落とされて…… 意外とバイオレンスやないのー! 犯人グループが“子供”っていうのがね、ちょっと後味悪い感じがする。 辻と一緒に“仕事”をした竹内春輝、マルチェラに悩みを打ち明けていた少女永井。 この子たちは、この二人の大人に関わることで心を動かされることはなかったのだろうか。 世を拗ねたまま日常へと戻って行ったのだろうか。 そのことが、昼間の心に傷を残す。 努力は嫌だなんて悪ぶっているわりに、そして自らの仕事をイカサマだと揶揄しながらも、この占い師はいつも「顧客が“大丈夫”であるかどうか」を心配して心を砕いている。 「辻くんはいつもおいしいコーヒーをいれてくれる」 と昼間が言う。 辻と昼間の関係がとてもいい感じで、二人の場面は読んでいてすごく楽しい。 男同士の友情でもあり、家族的な愛情でもあり、新婚夫婦(!)のようでもあり。 そしてエピローグ。 法学部出身の昼間は、かつて立ち消えになっていた司法試験をもう一度受ける決心をする。 この事件をきっかけに、昼間の中で何かが変わったのだ。 でも…… 「マルチェラがいないと困る人がいっぱいいるんじゃないの」 辻!いいこと言うた! やっぱり昼間にはマルチェラでいて欲しいじゃないの。 お別れに昼間から辻に手渡された「魔術師」のカード。 解釈は、「放浪と特殊な技」「社会の枠組みからはみだしたところで、ふらりふらりと流れながら断固として一人で立っている男」。 根底に同じものを持ってはいるが、分かれ道を迷いながら進む昼間と、迷わず一本道を行く辻。 夏は暑い冬は寒いあの三沢屋敷で、またいつかゆっくり二人が(辻の淹れた)コーヒーを飲める日が来るといいなぁと願いつつ、彼らとの別れを惜しみながら読み終えたのでした。
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マッキーの、他人の優しさや思慕に素直に反応せず、人に気を遣われること全般が嫌で、おれのことなんかほっといてくれ感を醸し出す性格が、逆に人を寄せ付ける魅力であるということに本人が一番気付いていない。本人がそっけなくすればするほど、周りに興味を持たれ、好意を持たれる人柄である。 また...
マッキーの、他人の優しさや思慕に素直に反応せず、人に気を遣われること全般が嫌で、おれのことなんかほっといてくれ感を醸し出す性格が、逆に人を寄せ付ける魅力であるということに本人が一番気付いていない。本人がそっけなくすればするほど、周りに興味を持たれ、好意を持たれる人柄である。 また、うまいコーヒーを淹れたり、料理が得意であるという、スリ職人特有の手先の器用さからくる意外な一面も、これまた好感を持たれてしまう。 占い師・マルチェラの方は、容姿が女性で夜行性、でも性は男で、姓が昼間っていうアンバランスさが良い。 もし、昼間が咲に嫉妬して、禁断の三角関係になっていれば、全然違う展開になっていたかも…と気持ち悪い想像はしたくない。 昼間とマッキーと少女永井の追いかけっこが徐々にデッドヒートしていく場面や、カズがBMWで爆走する場面は、どきどきしながら読めてよろしい。こちらが静と動の「動」ならば、マッキーと竹内春輝が組んでスリを働いているときの「静」のどきどき感も、これまたよろしい。 相変わらず一気読みする時間と読む気力がマッチせず、少しずつの読書やったけど、今どこまで読んでいて、前の話の続きはどんなんやっけ?とならないストーリー展開が優しかった。 登場人物の誰も彼もが寂しいんやな。いつもそばに誰かが居てほしい奴らばっかり。 どこで何してるんか分からん竹内春輝にも、友達できたかな? 2017年06月04日
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