1,800円以上の注文で送料無料

ドリアン・グレイの肖像 の商品レビュー

3.8

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2025/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自身の代わりに絵の中の自分が醜くなっていく。 最後に絵をナイフで刺すと絵は最初の美しい姿で、ドリアン自身が倒れる。 シビルもバジルも殺して、その度に苦しむもヘンリー卿が甘い言葉で唆す。 稚拙な演技で幻滅したわけで、結局は表面しかシビルを見ていないし愛していなかった。 最後になって、善行をすれば肖像画は美しい姿に戻るのではないかと我慢を重ねるも変わらない。 見た目に囚われた哀れな悲劇。 人間関係にも恵まれなかった。 しかし、女性蔑視な考えも結構あったので、素直に共感はできなかった。

Posted byブクログ

2025/01/24

翻訳が古すぎるため、なかなか読み進められなかったが、どうにか読み終えられた。文字が小さいのも老眼には辛かった。内容は悪くないのだが。

Posted byブクログ

2024/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不思議な後味の残る小説だ。 過度に花に彩られた冒頭、これは美しいドリアンを導く演出だろう。ヘンリーの逆説もくどいほどに過剰。 ドリアンは終始利己的で、せっかく危機を乗り切ったのに自ら最期を招いてしまう。 結局何を描いたものなのか、よくわからなかった。

Posted byブクログ

2024/10/06

美貌の青年ドリアン・グレイがとある人物との出会いを境に、人生が狂って行く…。 悍ましくも美しく芸術的な物語で、醜悪さと耽美さを併せ持つゴシックホラー小説。 非常に古い作品ではあるが、古臭さは無く、終始耽美的な世界観に魅了された。

Posted byブクログ

2024/09/29

メモ→https://x.com/nobushiromasaki/status/1840211217459401030

Posted byブクログ

2025/10/05

ドリアンの悪行はベールに包まれているがギラギラと輝いて暗い中で光る宝石のような美しさを感じさせる。肖像画はドリアンの良心で、醜くなった分だけ彼が傷ついていたのだと感じた。それにしてもヘンリー卿は無責任すぎませんか。

Posted byブクログ

2024/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつまでも子供の頃のように純真無垢でいたい。 とびきりの美男美女じゃなくとも、魂の清廉さを求める心は誰にでもあると思う。 そして、そんな願いを叶えたのが本作の主人公ドリアングレイ。彼は自分の肖像画に我が身にふりかかる不浄の一切を引き受けてもらえるように願い、そして叶えられた。 どう考えても悲劇的な結末しか予感させない。 なによりわたしが一番恐ろしいのは、日々頽廃するドリアングレイよりも、ヘンリー卿だ。 彼が毎度唱える逆説的な台詞には、19世紀末の暇にあかした貴族の物憂げさ、噂好き、結末のない議論好きな雰囲気がよくあらわされている。 そして彼こそ、側でドリアンが侵す悪行の数々を目にしていたはずなのにもかかわらず、登場の最初からドリアンが死ぬ最期までまったく何も(風貌以外)変わっていないのだ。 彼の論説も人の真理をつくかと思いきや、ふらりと捉えどころもなく薄気味悪い。 ドリアンに最初の穢れをもたらしたのもヘンリー卿だった。 本作を読んで、あまりに彼の台詞に共感、陶酔するのはちょっと怖い。 けれど、不思議と魅力的で、一見ねじくれて理解しにくい彼の言葉を何度も読み直し、落とし込めようとしてしまう自分がいる。 怖い。

Posted byブクログ

2024/04/24

ヘンリー卿は時空を越えて存在する完璧な存在。 実在しなくて本当によかった。 出会った作品の中で最高ではないが、人生で最も影響を受けた物語。いまだに呪縛は取れず何度読んでもワイルドの恥美的な世界にどっぷり浸かってしまう。

Posted byブクログ

2023/12/07

オスカーワイルド3冊目。また瘴気に当てられた…大筋のストーリーこそベーシックだと思いますが、とにかく会話と思考の逆説に次ぐ逆説。真理のようにも気取っているだけのようにもとられるけど、主要な登場人物3人こそワイルドの分身なのだろうと思います。

Posted byブクログ

2023/05/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英語学習用のリライト版を読んで、ワイルド的な耽美とか退廃とかが感じられずほぼほぼ単なるホラーだったのが訝しく、英語原典は無理だけどちゃんとした邦訳を読もうということで読了。 筋立てではなく、枝葉とか登場人物の心の動きとか思想を披瀝する会話の中とかに耽美があるのね。限られた語彙で筋を追うリライト版がホラーになったのも宜なるかなであった。 しかし原典をあたっても、ドリアンの悪徳・悪行はいかがわしい場所に出入りしているとかアヘンを嗜んでいる程度のことは書かれているものの、やはりなんとなくぼかして描かれていて、バジル殺害以前に具体的にどんな非道な行いがあったのかは詳らかではなかったのだが、解説を読んで納得。男色なのですね。そう思って読むと、ドリアンの美を純粋に賛美していたバジルとの関係に割り入ったヘンリー卿に狂わされていく三人の関係性が生々しく迫ってくる。また、「性的マイノリティ」という言葉を聞かない日がないような今日のモラルに照らしてみれば、ホモセクシュアルであるだけでこんなに肩身が狭くなって人様に後ろ指刺されるようになるのなら、そりゃあちょっとくらいはグレちゃうよねとも思い、普通に読んだだけでは感じなかったドリアンへの同情が湧き上がってきた。きっと同時代的にはこういうぼかした書き方で、ああ、男色の話なんだなとわかったのであろう。 それにしてもヘンリー卿のお題目は長々しく、読むのが大変だったので私にとってはギリギリ星三つでした。

Posted byブクログ