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憲法と平和を問いなおす の商品レビュー

3.9

33件のお客様レビュー

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2013/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

民主主義と立憲主義についての理解が進む本。「憲法」「法律」は難しくて偉そうでつまらなくて面倒くさいものと刷り込み完了していたが、読後に日本国憲法を一読してみようと思った。 民主主義はその社会で統一した結論が必要な時に、その構成員(国民)全体で合意した結論を出すことが期待される。基本的に多数決で決める。なので、少数派は割りを食う。そして世の中には多数決で統一した結論を出すべきでない問題がある。例えば、宗教とか価値観(どのように生きるべきかとや何を美しいとするか)とか。民主主義で扱うべき問題とそうではない問題の境界線を引き、民主主義の名のもとに行われる多数派による少数派迫害を制限するのが立憲主義の大事な役割である。 「実際は囚人のジレンマ状況なのにチキンゲームと看做して、いつも「チキン」で振る舞う行為は強奪者の存在を合理的にする。」という意見には納得した。

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2012/11/28

憲法というものを考えるとき、憲法そのものがどのようにして考えられているのか、憲法の問題とは何なのか、どうして憲法と平和が関連するのか。 そういった基本の内容を初学者向けにまとめた良書。

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2012/01/18

日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。本書は、立憲主義の核心にある問い-さまざま...

日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。本書は、立憲主義の核心にある問い-さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くかーにたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。(「BOOK」データベースより)

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2011/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「そもそもなぜ憲法が成立したのか」、「なぜ憲法が必要なのか」といったことを問う「立憲主義」という立場から憲法について論じた本。著者は、外国勢力に対抗するため、改憲を声高に主張するタカ派の言説にも、9条を金科玉条とするハト派の言説にも欠けているのが「立憲主義」だと述べる。  立憲主義とは国家権力を憲法によって制御することで、国民の多様な価値観を擁護するという考え方。  他に日本のタカ派とハト派に共通しているのは「平和ボケ」なのではないかと思った。タカ派は外国が大挙して日本を攻撃・侵略しようとしている、と言うし、ハト派は「9条があるからミサイルが日本に飛んでこない」とか「改憲=戦争のできる国づくり」と言うし。この辺は本書とあまり関係なので割愛。  「憲法は国家権力の暴走から国民を守る」とする立憲主義という立場は、憲法について論じる場合には必要不可欠なのだろうが、欧米と違い、市民革命によって時の権力者から自由や人権を勝ち取ってきたわけでもない日本にはなかなか根付かないかもしれない、と思った。

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2011/01/26

憲法とは何か、国とは何か、なぜ人は社会のなかで法律を守らなければならないのか? といったいわゆる立憲主義の成り立ちについて考察がなされています。 また、その立憲主義と平和がどう結び付いているかについて言及がなされており、最終的には憲法9条に対しての著者の考えが述べられている作品...

憲法とは何か、国とは何か、なぜ人は社会のなかで法律を守らなければならないのか? といったいわゆる立憲主義の成り立ちについて考察がなされています。 また、その立憲主義と平和がどう結び付いているかについて言及がなされており、最終的には憲法9条に対しての著者の考えが述べられている作品です。 もともと一人では幸福に生きていけない人間が、それぞれの異なる価値観を衝突させないよう一定のルールを定めたものが憲法とすれば、一つの「正解」となる価値観が存在しない以上、憲法も国の数だけ様々なものになる。 その国家間の価値観が衝突したときに戦争が起こり、個々人の衝突とは比べ物にならないほどの規模での悲劇が起こってしまった…。今、教訓としてそれが認識できるのはありがたいことだと感じました。 かなり深いところまで掘り下げた考察をされているので、じっくり読まないと理解できなくなる恐れがありますが、論調と自分の思考回路が幸いに相性がよかったのか個人的には読みやすい作品でした。 あと、最後のあとがきはちょっと笑っちゃいました。 「わずかな印税を得ようという卑しい私心からではなく…」なんて書きながら、きっちり自分の著書をPRしてます。

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2010/08/29

特に面白いのが、多数決の正当性の根拠である。 昼食を決めるのも、クラスの出し物を決めるのも、政治家を決めるもの、何かを決める際には、我々は無批判的に多数決を利用している。 ではなぜ多数決なのか? 本書では、多数決の根拠として4つがあげられているが、そのすべては決定的な問題を抱...

特に面白いのが、多数決の正当性の根拠である。 昼食を決めるのも、クラスの出し物を決めるのも、政治家を決めるもの、何かを決める際には、我々は無批判的に多数決を利用している。 ではなぜ多数決なのか? 本書では、多数決の根拠として4つがあげられているが、そのすべては決定的な問題を抱えている。 詳しくは本書に譲る。 モノの見え方が変わる本だとは思うので、ぜひ読んでみて欲しい。

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2014/10/27

[ 内容 ] 日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。 だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。 立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。 本書は、立憲主義の核心...

[ 内容 ] 日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。 だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。 立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。 本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。 情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。 [ 目次 ] 憲法の基底にあるもの 第1部 なぜ民主主義か?(なぜ多数決なのか? なぜ民主主義なのか?) 第2部 なぜ立憲主義か?(比較不能な価値の共存 公私の区分と人権 公共財としての憲法上の権利 近代国家の成立) 第3部 平和主義は可能か?(ホッブズを読むルソー 平和主義と立憲主義) 憲法は何を教えてくれないか [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/04

立憲主義の意味と限界を丁寧に端的に指摘している 「憲法で決まっていること」にどれほどの重みがあるのか あとがきにあるように、 凝り固まった憲法観を持つ人ではなく、 なんとなく「じゃあ何が問題なのよ」って人向け どっぷりと楽しめた

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2009/10/04

試験で必要だから買って読んだ。 絶対自分の積極的な意思では買わないであろう本です。 憲法に興味がなければ書いてあることすら意味がわからないかと思うし、何を書きたかったのか理解することすら放棄するでしょう。 流行の簡単な文章 難解な文章 の間くらいでしょうが、お...

試験で必要だから買って読んだ。 絶対自分の積極的な意思では買わないであろう本です。 憲法に興味がなければ書いてあることすら意味がわからないかと思うし、何を書きたかったのか理解することすら放棄するでしょう。 流行の簡単な文章 難解な文章 の間くらいでしょうが、おそらく現代人にとっては難しいと感じる本でしょう。 内容は読んでください。 さまりーじゃなくてレビューなので内容は書きませんー あ、『オデュッセイア』を出して 「それにしても、率いた兵士をことごとく失ったうえ、故郷で待ちつづけた妻への求婚者たちを皆殺しにする男のどこが英雄なのか理解に苦しむ。やはり異なる世界観は比較不能である」 って長谷部さん言ってたけど 比較する必要もないし、比較不能と断ずる根拠がどこにあるんだろーって思いましたねー 「比較不能な価値の迷路」と普遍的ラベルをどこから入手して貼ったんでしょ

Posted byブクログ

2009/10/04

思想的に偏りすぎることなく、理性的で公平な視点で書かれた良書。立憲主義について興味深く読ませて頂きました。

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