卒業式まで死にません の商品レビュー
笑いあり苦痛あり血も涙もあり。この文章のセンスに、ずっと憧れています。 こちらには、南条さんがネット上で公開していた日記の、彼女が死に至るまでの約4ヶ月間分が収録されています。楽しいことや苦しいこと、南条さんが思ったことが独特の表現でつづられている1冊です。今でも時々読み返してい...
笑いあり苦痛あり血も涙もあり。この文章のセンスに、ずっと憧れています。 こちらには、南条さんがネット上で公開していた日記の、彼女が死に至るまでの約4ヶ月間分が収録されています。楽しいことや苦しいこと、南条さんが思ったことが独特の表現でつづられている1冊です。今でも時々読み返していますが、読み終わりそうになるといつも「あ、終わっちゃう」と、胸が締め付けられるような気持ちになります。 ちなみに南条さんと私は同じ日に生まれております(年は違いますが)。光栄でございます。
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二十歳の原点と比較されることが多いこの作品。 二十歳の原点は随分前に読み、今回、ようやく読むことができた。 二十歳の原点とは180度違う空気感。二十歳の原点が重い息苦しさであれば、こちらは息苦しいからこそ、軽く描くといった感じか。 軽いノリで描かれているけれど、息苦しい。 薬の量...
二十歳の原点と比較されることが多いこの作品。 二十歳の原点は随分前に読み、今回、ようやく読むことができた。 二十歳の原点とは180度違う空気感。二十歳の原点が重い息苦しさであれば、こちらは息苦しいからこそ、軽く描くといった感じか。 軽いノリで描かれているけれど、息苦しい。 薬の量がどんなものかわからないけど、薬に頼り、どうしようもない今をもがいている感じ。 そして、途中で入った父親の注釈が苛立つ。南条あやにとっての現実と父親の現実は違うのだ。 事実でなく、その人の現実が大事なのだ。 最後の経歴のところで突然婚約者というのが出てきてビックリした。 日記には出てきてなかったよな? ちょっと混乱した。
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3年振りに再読。本を丁寧に読み返すことは意外としてこなかったことなのだけど、今の自分にはどうしても必要な言葉たちだと感じての、再読。 ここにはもう一人の自分がいる。この日記を求める人とは密かにそう思っている人がたくさんいるのではないか。わたしもそうだから。だから、南条あやという...
3年振りに再読。本を丁寧に読み返すことは意外としてこなかったことなのだけど、今の自分にはどうしても必要な言葉たちだと感じての、再読。 ここにはもう一人の自分がいる。この日記を求める人とは密かにそう思っている人がたくさんいるのではないか。わたしもそうだから。だから、南条あやという女の子の痛みを直に感じる。でも彼女なら心の底できっとこう思ってる。 「誰もわたしのことを理解してくれない。ずっとひとりぼっち」 それが分かるから、彼女の最期を想って胸が苦しい。 香山リカさんの解説が一縷の希望を感じさせて、少しだけ安心できた。 この本が若い人だけでなく色んな方々に読まれるものであってほしい。
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どんなもんかなーと思いきや面白かった 文書が上手い。 父親に明らかに問題があったとわかる。 作中で父は保身に走ったりしつつも、きちんと彼女の表現を公表したことは素晴らしいと思う。でもね〜この父はあかん いや、でも自分の日記書籍にされたらどー思うんかね
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
リストカッターの女子高生・南条あやさんが死ぬまでの3ヶ月間、ネットに公開された日記を書籍化したものです~。 『女子高生』っていうから、もっとチャラチャラしてて「なんか生きていくのが嫌になっちゃった~」的な文なのかと思ったらドッコイ。 かなりちゃんとした文章書いてます。 内容は、「何の薬を飲んでどんな生活をしたか」なんだけど、自分のことはちゃんと分析できてるし、精神的におかしいと言う感じがしないの。 すっごく冷静に見てる感じ。 でも、ところどころで心の苦しみみたいのが伝わってくるんだよね~。 最後の方は、精神的に相当きてるな~。でも南条あやとして、頑張って日記つけてるのがありありと分かる。 彼女は昔いじめられてたのがきっかけでリストカットを始めたわけだけど、でもこの本の中の彼女は仲のいい友達も何人かいて精神的に安定してる日もあったのにね。 担任の先生や精神科の先生はみんないい人なのに、このお父さん。かなり自分勝手だね。 そりゃ~、男親が一人娘を一人で育てていくのは大変だったと思う。 でも、あやちゃんを分かってあげようとしていないとこ、腹立つね。 私も何年間か精神的に参ってることがあったから、あやちゃんの気持ちは普通の精神的に健康な人よりはわかるつもり。 なんか、本ではキレイ事言ってるけど、私としては何でもっとあやちゃんの気持ちを分かってあげようとしなかったんだろう。って思うよ。 「わかりあえ」とは言わないけど、「分かってあげよう」とすることから精神的回復が繋がるんじゃないかな~。 親のあんたがしっかりしないで、子供がしっかりするわけないじゃない。 いきなり怒り出したり、子供が寝てる横でいきなり部屋の模様替えしたり、、、 お前ね~、親だと思っていい気になって。って、私は言いたい。 もちろん、あやちゃん自身の精神的な甘さや、「立ち直ろう」としようという意志の強さがなかったのも原因の一つだろうけど、でもお父さんの態度や言動なんかがあやちゃんを苦しめた大きな要因だと思うんだ。 精神的に弱ってる人を助けることは、ほんと並大抵なことじゃないんだけど、一番近くにいる人が大きな器で持って助けてあげることが回復に向かう第一歩なんだと思う。 あやちゃん、安らかに天国で眠ってください。
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作者は、高校生の女の子で、リストカッターでクスリマニア、そして、1999年にカラオケボックスにて向精神薬による自殺をはかり亡くなる。享年18歳。 どんな暗い内容の本かと思ったら、南条あやという女性が、自虐的にも非常にポップで明るい文体で薬のことや自傷について日記を書きつづり、...
作者は、高校生の女の子で、リストカッターでクスリマニア、そして、1999年にカラオケボックスにて向精神薬による自殺をはかり亡くなる。享年18歳。 どんな暗い内容の本かと思ったら、南条あやという女性が、自虐的にも非常にポップで明るい文体で薬のことや自傷について日記を書きつづり、何かを笑いながら斜に構えて見ている、という印象を受けた。 悩みや鬱憤を自分の中に抱え込んで苦しんでいるのではなく、彼女の「生きる」ということそのものに対するある種のあきらめに近いコメディチックなものまで感じる。 人が死ぬのはあっけない・・・。 この、「南条あや」という、死んでしまった女性、自分のとなりにいても全くおかしくない、 「南条あや」は現在の日本、すこし目を凝らして見れば数え切れないほど多くいる。 いや、むしろ自分自身がそうなる可能性だってあるような気もしているのだから・・・。 あとがきの香山リカ氏による解説も非常に的を得たものであろう。
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明るいようでいて、その裏側に秘められた様々な葛藤や感情。一見するととてもポップなのにそこに描かれているのは、向精神薬への執着心であったり、親とうまくいかないもどかしさだったり…。 不安定な女の子の心情が痛いぐらい、そこでは生きています。 高校生のころに何度もこれを読み返しては...
明るいようでいて、その裏側に秘められた様々な葛藤や感情。一見するととてもポップなのにそこに描かれているのは、向精神薬への執着心であったり、親とうまくいかないもどかしさだったり…。 不安定な女の子の心情が痛いぐらい、そこでは生きています。 高校生のころに何度もこれを読み返しては、宝物みたいに持ち歩いていた。 今でもたまにどうしようもなく読みたくなる一冊です。
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1999年。一人の高校生が亡くなった。南条あや。 現在では当たり前になっているネットに日記を掲載して有名になった彼女はリストカッターであり、多くの薬を服用していた。 一見すると楽しそうに書かれている日記も彼女の心の暗さや奥深くを隠そうとした結果だったのかもしれない。
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とても痛々しくて苦しいのに、すごく惹かれます。南条あやさん以外の方の文章が気になったので★1つ分減らしましたが。
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これはなかなかくるものがあるな・・・。 感情移入してずーんと重くなる感じ。 なんで自傷行為もオーバードーズもほとんど女性特有なんだろね・・・実は血は大の苦手。 人生の階段を駆け下りた少女が存在してたことを、忘れないようにしたいね。
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