生きがいについて の商品レビュー
タイトル通り、『生きがいについて』の考察がなされている。「生きがい」について考える際の材料として最良のもののうちの一つだ。 人が元気に生きるためには何かしらの目標が必要だ。本書で、「人間がいきいきと生きて行くために、生きがいほど必要なものはない」(p7)と書いているとおりである...
タイトル通り、『生きがいについて』の考察がなされている。「生きがい」について考える際の材料として最良のもののうちの一つだ。 人が元気に生きるためには何かしらの目標が必要だ。本書で、「人間がいきいきと生きて行くために、生きがいほど必要なものはない」(p7)と書いているとおりである。 立派な人生目標でなくとも、新年に立てる今年の抱負のようなもの、あるいは漠然とした方針のようなものでもなければ、精神衛生上よろしくない。人間は、無目的に生きていては、生に飽きてしまうものなのだろう。目標は達成できなくても、目標に向かって前進しているという感覚が重要だ。「前に進んでいるという感覚」が大事ということは、ものの本にはわりと書かれていることだ。本書では次のように書かれている。 人間はべつに誰からたのまれなくても、いわば自分の好きで、いろいろな目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは真の問題ではないのではないか。ただそういう生の構造のなかで歩いていることそのことが必要なのではないだろうか。その証拠には一つの目標が到達されてしまうと、無目的の空虚さを恐れるかのように、大急ぎで次の目標を立てる。結局、ひとは無限のかなたにある目標を追っているのだともいえよう。(p25) 私は、こういう文を読むと、本多静六先生の、『人生計画の立て方』の巻末に付された読者に向けた最後の言葉を思い出す。 私は百二十まで生きるつもり、また生きてもよいつもりで、私の人生計画をてた。そしてそのように、努力をつづけてきた。いまここで再び起たぬことになったとしても、これは決して無意義に終わったものとは考えない。百二十を目標とした八十五年(満)の充実は、本多静六にとって、満足この上もない一生だ。努力即幸福に対する感謝の念は一杯である。(実業之日本社、2013年、p230) 一方は、実体験に即した人生訓。もう一方は学術的方面からの考察。もちろん後者も、経験にもとづく考察には違いない。だが、一歩離れたような客観性がある。 人によって合う、合わないはあるかもしれないが、紛れもない名著であることは確かだ。 巻末に「『生きがいについて』執筆日記」と、インタビューなどの付録がついている。本編では見えなかった、著者の人柄や執筆風景が描かれており、本書の全景が見えてくる。コレクションならではの、心憎いおまけである。
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“生きがい”について知りたくて。 本書では主にライ病患者に焦点を当てた内容になっている。病人に対して健常者ではなく“壮健者”と表現し、戦後豊かさを求めてきた日本人が物質的豊かさを得た先にある精神病についても記しており(初版1966年)この時から既にうつ病など観測されていたと知る...
“生きがい”について知りたくて。 本書では主にライ病患者に焦点を当てた内容になっている。病人に対して健常者ではなく“壮健者”と表現し、戦後豊かさを求めてきた日本人が物質的豊かさを得た先にある精神病についても記しており(初版1966年)この時から既にうつ病など観測されていたと知る。 病気を宣告された者の手記などから掬い上げた表現から胸の琴線に触れるものが多かった。
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筆者の温かい人柄が伝わるような文章。 健康な人もそうでない人も、生きがいのない生活はしんどい。宗教などの精神的なものや、創造的な趣味などが生きがいになりやすいらしい。人の世話をしたり社会的に責任を負うこともいいらしい。娯楽を超えた「生きがい」を見つけたい。
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もしかすると読むのは今ではなかったかもしれない。 そう思せるほど、人生の大事な局面でまた読んでみたいと思った一冊でした。 正直言って章立ては荒々しく、大事なことがまとまりなく散りばめられているような印象で、決して読みやすいとは言えません。 ただ、それがスゴくいいのです。 ...
もしかすると読むのは今ではなかったかもしれない。 そう思せるほど、人生の大事な局面でまた読んでみたいと思った一冊でした。 正直言って章立ては荒々しく、大事なことがまとまりなく散りばめられているような印象で、決して読みやすいとは言えません。 ただ、それがスゴくいいのです。 著者の情熱的かつ詩的な文体から、これを書かずにいられなかった衝動が伝わってきて、生命の躍動をダイレクトに感じられます。 おそらく今の時代に書かれていたらもっと綺麗にまとまった本になっていたことでしょう。一時代前だからこそ生まれた名著だと思います。 読むのは今ではなかったかもしれないと言いつつも、今読んで良かったのは、この本を今読むべき人に勧められることです。
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ひとまず読了。たくさんの付箋がついた割に、読みくだけていない部分もたくさんあり。 とくに変革体験の部分(10章)は実感を持って理解するのが難しかった。読み飛ばした箇所もあり。またいつか、再読した時には、わかるだろうか? 誤魔化しではない、本当の意味の生きがい感や苦しみから得られる...
ひとまず読了。たくさんの付箋がついた割に、読みくだけていない部分もたくさんあり。 とくに変革体験の部分(10章)は実感を持って理解するのが難しかった。読み飛ばした箇所もあり。またいつか、再読した時には、わかるだろうか? 誤魔化しではない、本当の意味の生きがい感や苦しみから得られる価値観、存在意義についても。 これからの毎日のなかで、悩んだり壁に当たった時にまた再読したい。
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思っていた以上に理解するのに時間のかかる本かもしれない。ただ、これがとても深い話で、これからの人生に影響を与えるであろう一冊だということは感じることができた。 100分名著でもとりあげられていますし、解説本も含めて読んでいきたい。 ただ「やりたいからやる」ことの方がいきいきとした...
思っていた以上に理解するのに時間のかかる本かもしれない。ただ、これがとても深い話で、これからの人生に影響を与えるであろう一冊だということは感じることができた。 100分名著でもとりあげられていますし、解説本も含めて読んでいきたい。 ただ「やりたいからやる」ことの方がいきいきとしたよろこびを生む。 「もっとも多く生きたひととは、もっとも長生きした人ではなく、生をもっとも多く感じた人である」
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軽い気持ちで手にとってしまったが、手軽に読めるという本ではない。 生きがいというものについて真剣に考えた事がなく、なんとなく日々を過ごしてしまっている自分。 生きたくても生きられない人。 病になり生きる意味を見出せない人。 そのような人たちに対して自分のなんと恵まれている境...
軽い気持ちで手にとってしまったが、手軽に読めるという本ではない。 生きがいというものについて真剣に考えた事がなく、なんとなく日々を過ごしてしまっている自分。 生きたくても生きられない人。 病になり生きる意味を見出せない人。 そのような人たちに対して自分のなんと恵まれている境遇か。また、そんな境遇にいながら日々を大切に過ごせていない自分のなんと罪深いことか。 全てに共通するが、人のために何が出来るか。使命感。生きる意味を考えさせられた一冊。 またいつか読み返すと思う。
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柳田邦男さんの解説から読み始め、 第一章まで何度も立ち返りじっくりと時間を かけて読ませて頂いております。
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前半に出てくる四つの問いが重い。 自分の生存は何かのため、または誰かのために必要であるか。 自分固有の生きている目標はあるか、あるとすればそれに忠実に生きているか。 以上あるいはその他から、自分は生きている資格があるか。 一般に人生というものは生きるに値するものであるか。 こ...
前半に出てくる四つの問いが重い。 自分の生存は何かのため、または誰かのために必要であるか。 自分固有の生きている目標はあるか、あるとすればそれに忠実に生きているか。 以上あるいはその他から、自分は生きている資格があるか。 一般に人生というものは生きるに値するものであるか。 これを読んで、叔母のことを考えた。 叔母は独身のまま、親や兄妹の面倒を見て、順に看取り、独りになった。 気丈で聡明だったが、それが災いしたのか、人付き合いが上手ではなく、親しい友人はいない。 これまで病気ひとつしたことが無かったが、昨年から急に腰痛になったあたりから急激に衰え、一人で生活できなくなり、老人ホームに入居せざるをえなくなった。 入れば生活はできるが、自分でやることが何もなくなり、結果的に記憶力や理解力が信じられないくらい低下してしまった。 これは、上記の4点が全て満たされなくなってしまったからではないか? ただ、高齢になると多かれ少なかれ、この様な状況が訪れるはず。しかし全員がなるわけではない。 神谷さんは隔離施設に入っている方々との交流を通じて論考を深めたと思うが、これは誰もが直面するかもしれない恐怖であり、だからこそ多くの人に読まれるんだろうな。
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『名著の話』と併せて読んだ。 ルポルタージュであり、論文であり、自叙伝でもある。苦しみや悲しみと不幸はイコールではない! 岩波文庫の『自省録』も神谷女史の翻訳と知って、また読み返してみようと思った。
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