森のなかの海(下) の商品レビュー
山荘の持ち主だった毛…
山荘の持ち主だった毛利カナ江が遺した謎が次第に解き明かされ、物語の展開が速くなっていきます。それと並行して、それぞれの人が震災の後遺症から再生していく姿が、小さな木が絡みあい巨木となっていく様(物語中の「ターハイ」)と重なり合い、読後は前向きな清々しい気持ちになりました。
文庫OFF
下巻は時代背景などの話もあり少し時間がかかってしまった。 だが、知らない間にページが進み時間が随分経っているという感覚だった。 落ち着いた良い時間を過ごすことができた。
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なんでしょう、これは。 読者アンケートの結果が悪くて、連載を打ち切りになったのでしょうか。 上巻は、ちょっと上手くいきすぎな感はあったけれども、震災から立ち直るための居場所づくり(主人公である希美子や、彼女が引き取った少女たちの)は地に足がついたものだった。 親の愛情に恵まれなくて、自分勝手だったり、気が短くて飽きっぽかったりした少女たちを、仕事を与えることで生活習慣や一般常識を多少とはいえ身につけさせた。 しかし下巻にきてその流れは失速。 希美子に山荘を遺した老女の人生の謎を追う方が主眼になっていて、10人もの少女を預かっているのに、その書き分けもほとんどできていない。 実の息子二人はもっと影が薄い。 小学生の息子と、未成年の少女たちを預かっておきながら、下関に行ったり吉野に行ったり。 その間家の様子を気にかける風もない。 そして、これが作者は書きたかったのだろうけれど、戦後、日本の教育の不毛のせいで、古き良き日本が失われてしまったこと。 それを取り返すには教育を変えねばならないことが、これでもかと主張される。 その説に全くの反対ではないけれど、登場人物たちがあまりにも声高に主張すると、こちらとしては引いてしまう。 結果、阪神大震災はただのネタ振りとなり、希美子の家族は単なる賑やかしとなってしまった。 だって少女たちが成長するところを書いていないんだもの。 数々の伏線が回収されないまま放置 上巻が面白かっただけに、残念でならない。
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深いストーリー、泣けた。 希美子に家や財産を託して亡くなった西岡カナ江とその若き日の恋人、室谷宗弥、そして二人の息子である典弥の数奇な人生が明かされる。宿命としか言いようがない、家族としてはある意味不幸な人生を生きながらも、それぞれがとても人として深いものをもっていたことが救いだと感じた。 そして、希美子や、やさぐれ気味の震災孤児たちの再生に、知性と寛容さ、人間の幅を感じさせる希美子の父や、個性的ながら姉想いの妹の存在も大きいと思う。 知性と教養のある人は、魅力的だな。。
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山暮らしに憧れさせられる。 私には無理と知ってはいても。。 上の方が好き。 下は 典弥ばっかり。 息子2人の描写がも少し欲しかったなー。 料亭の夫婦の、落ち目も知りたかった。
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いやはや、大作でした。 13人もの同居が始まり、どう収束するものかと思ったけれど、すっかり作品の世界観に入り込んでしまいました。 自然は偉大だなぁ。大きな力を目の前に人間の諍いが小さく感じる。
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老婦人の過去が明らかになり、子どもとも再会を果たしたのに名乗らずお互いの生活を続ける。老婦人の結婚生活は旦那に愛人がいてほとんど家に帰って来ない幸せとはいえない人生で、離婚を機に独身を貫いて、娘とも絶縁状態で葬式もあげることなくその理由もわからないまま終わっている。 希美子はその...
老婦人の過去が明らかになり、子どもとも再会を果たしたのに名乗らずお互いの生活を続ける。老婦人の結婚生活は旦那に愛人がいてほとんど家に帰って来ない幸せとはいえない人生で、離婚を機に独身を貫いて、娘とも絶縁状態で葬式もあげることなくその理由もわからないまま終わっている。 希美子はその人生で自分の息子に何を思ったのか?他人の子で手一杯なそんな風に取れていたけど、ラストに息子の成長を感じて感慨に耽っている。 再読したらまた違う捉え方ができるかな??
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2人の女性にモノ思う。 愛する人に裏切られた女。 愛する人を失った女。 哀しいけど、この物語では、 前者のほうが幸せと思ってしまう。 希美子はまだ先がある。 それもきっと明るいものが。 そう信じたいし、辛い試練だって、 未来のための過程だったのだと思う。 反対にカナ江...
2人の女性にモノ思う。 愛する人に裏切られた女。 愛する人を失った女。 哀しいけど、この物語では、 前者のほうが幸せと思ってしまう。 希美子はまだ先がある。 それもきっと明るいものが。 そう信じたいし、辛い試練だって、 未来のための過程だったのだと思う。 反対にカナ江は‥。 未来がないひとだから、よけい哀しいのか。 まわりの大人に騙されて、 愛するひとたちを失って。 罪とは言い難い罪を背負って孤独に生きた。 もっと心をさらけ出して、 泣いたっていいし、傷つき傷つけてもいい。 だって、生きてる時じゃなきゃできないもの。 行き場のない痛みを抱え、ひとり耐え忍んだ。 しんみりしてまう。 なんだろなぁ、ツライ。 もう、この気持ちを払拭するには、 希美子に強く生きてもらうしかない。 あとは、なんかギャル達が多すぎ〜と思った。 子供の存在も薄かったし。 実は、宮本輝にしては、めっちゃ時間が かかったのです。 途中読むのやめようかと思ったのですが、 完読できて良かったです。
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阪神大震災キッカケの物語。 人生はどう変わるの分からない...何かを無くして何かを得られたと思った時、また何かを守るとなると、強く生き幸せを得られるのか…。豊かに生きることは物質的なものではない事を、この本を読んで思う。 戦争時代背景、結婚離婚、家庭問題など多岐にわたる事を考えさ...
阪神大震災キッカケの物語。 人生はどう変わるの分からない...何かを無くして何かを得られたと思った時、また何かを守るとなると、強く生き幸せを得られるのか…。豊かに生きることは物質的なものではない事を、この本を読んで思う。 戦争時代背景、結婚離婚、家庭問題など多岐にわたる事を考えさせられた良本。 この本を読むと、「豊かさ」や「幸せ」の定義をもっと拡げられるんじゃないかと考えさせられる。 そして、家族環境って人格を形成する上で、大きな影響を与えるものであろうと強く思う。いや本当に良い本を久しぶりに読んだ。
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上巻に比べるとぐっと読み進めるのが遅くなってしまい、何度も戻り読みをしてしまった。上下巻読み終えて大作と言わしめる意味もわかった気がするが、疑問として残る点もあった。毛利カナ江さんと実の娘の不仲原因は何だったのか。読者の想像に任せますということなのかな、とは思うのだが…上下巻の大作は久しぶりに読んだので細かいところがいちいち気になってしまった。
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