森のなかの海(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宮本輝の小説は、読後が本当にすがすがしくなる。 阪神大震災を被災した主人公が、夫の浮気が原因で離婚し、 知人の独居老人から相続した飛騨の山荘での生活を開始する。 そこには、被災した震災孤児の三姉妹や、その三姉妹を頼ってきた家出少女があつまり、それぞれが山荘で生活していく中で生きていく道を模索していく。。 という話の中で、 戦時下の政略で恋人との関係を引き裂かれ、その恋人との間に命を受けた子供との間も引き裂かれてしまった、悲しい親子の話も織り交ぜられていく。。 読んでてストーリーに引き込まれ、ついつい電車の降りる駅をも忘れてしまうような、いい本でした。
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最初とっつきにくかったけど、一気に引き込まれた。みんなの奮闘ぶりに、ドキドキハラハラ。「負けるな。頑張れ」と応援しつつ、ページをめくる手が止まらんかった。
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阪神淡路大震災があったその日、主人公の人生も音を立てて崩れ始める。 不幸な経験をした彼女がまわりの人々と関わりながら再生していくストーリー、 宮本輝、王道の小説です。
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奥飛騨の山荘へ、震災で家族を失った、かつての隣人の三姉妹を引き取った希美子。さらに姉妹を頼って来た七人の少女も受け入れることに。ある日、カナ江にまつわる衝撃的な噂を聞いた希美子は、山荘の森にある巨木“大海”の根元から不思議な水差しを見つけた。なかには、一通の封書と、小さな骨が…。...
奥飛騨の山荘へ、震災で家族を失った、かつての隣人の三姉妹を引き取った希美子。さらに姉妹を頼って来た七人の少女も受け入れることに。ある日、カナ江にまつわる衝撃的な噂を聞いた希美子は、山荘の森にある巨木“大海”の根元から不思議な水差しを見つけた。なかには、一通の封書と、小さな骨が…。希美子はカナ江の謎に満ちた生涯を追う。喪失した魂の復活をうたう大作。
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すべてを受け入れて動じず… すべてを包み込んで動じず…” そんな人間になれたらいいな。 私が今までに読んだ宮本輝の本の中では一番新しい本。 阪神淡路大震災の朝から話が始まる。 震災で住むところも親も亡くした少女たちと奥飛騨の森の中の別荘で暮らし始める。 同じ怖さを体験した者同士が...
すべてを受け入れて動じず… すべてを包み込んで動じず…” そんな人間になれたらいいな。 私が今までに読んだ宮本輝の本の中では一番新しい本。 阪神淡路大震災の朝から話が始まる。 震災で住むところも親も亡くした少女たちと奥飛騨の森の中の別荘で暮らし始める。 同じ怖さを体験した者同士が大自然の中でお互いを必要としながら癒されていく…
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阪神大震災後、それを題材に扱った彼の作品は多いけど。 これはその中でも家族を失った人たちが一緒になり、家族になっていくところがすごく幸せだなあと思うの。
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「前途洋々」という言葉がぴったり。 希美子と一緒に暮らしている中学生〜高校生の女の子たちが、それぞれの才能を活かしてそれぞれの道を進んでいく。 若いっていいなぁと思ってしまったよ。 この作品のもう一つの(と言うかほんとの)柱は「カナ江の人生を遡る」こと。 同じく宮本輝さんの『オレ...
「前途洋々」という言葉がぴったり。 希美子と一緒に暮らしている中学生〜高校生の女の子たちが、それぞれの才能を活かしてそれぞれの道を進んでいく。 若いっていいなぁと思ってしまったよ。 この作品のもう一つの(と言うかほんとの)柱は「カナ江の人生を遡る」こと。 同じく宮本輝さんの『オレンジの壷』も亡くなった祖父の人生を遡っていく作品だけど、今度は『オレンジの壷』の女性版って感じかな。 カナ江は、静かだけど強い。逞しい。 希美子にも惹かれたけど、カナ江にも強く惹かれた。 それにすき焼や季節の素材を使った炊き込みごはん、鱧のお吸い物、シャトー・ラトゥール・・・ 出てくる食べ物・お酒がおいしそう。 って、前にも何かの本で言った気がする・・・
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上巻に続いての完結編。主人公のトータル面での幸せは、読者の想像でいくらでも作って行けそうであるが、全体のトーンが柔らかくて好きです。
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