森のなかの海(上) の商品レビュー
内容の紹介文を読んだ時点でワクワクしながら読み始めて前半はページはめくる手が止まらず読書の世界に浸りきりました。後半、7人の娘が森に転がりこんだあたりからちょっと中だるみのような気がして…展開が早いのでラストまで下巻もこのまま読みすすめたい!
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欲しかった本の隣りにあり、タイトルと装丁に一目ぼれして購入。 阪神大震災が起きた時、私は小学生だった。東日本大震災もそうだと思うが、大きな大きな震災を目の当たりにし、大きく人生が変わっていく人が想像を絶するほど大勢いたのだろう。この物語の主人公の希美子さんもその一人。家族の形が...
欲しかった本の隣りにあり、タイトルと装丁に一目ぼれして購入。 阪神大震災が起きた時、私は小学生だった。東日本大震災もそうだと思うが、大きな大きな震災を目の当たりにし、大きく人生が変わっていく人が想像を絶するほど大勢いたのだろう。この物語の主人公の希美子さんもその一人。家族の形が変わり、住まいも奥飛騨へと変わる。そんな簡単なことではないとは思いつつも、奥飛騨の森に囲まれた山荘が生活の拠点になるなんて、なんて羨ましいのだろう!!傷ついた人たちがゆっくりゆっくり再生していくことがこの物語の神髄なのだろうけど、私は奥飛騨という場所で生活していくこと、森の描写にうっとりしてしまった。森は、木々は、たくさんのものを大きく包んでくれる。生きていくものに絶対に必要なものなのだなと思う。森の中で暮らしたい。今は、非日常が森であり、山であるけれど、日常をそちらにシフトできたらどんなにかいいだろう。そして!マロングラッセ、私も食べてみたい!!
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阪神大震災の当日 1995年1月17日。 仙田希美子は、旦那とケンカして、別の部屋にいた。 それが、震災のヒガイを受けないですんだ。 しかし、夫の奇妙な行動から、 夫が守ろうとしているのは、私ではないことに気づく。 離婚に踏み切るとともに、 奥飛騨に住む毛利カナ江とのつきあいか...
阪神大震災の当日 1995年1月17日。 仙田希美子は、旦那とケンカして、別の部屋にいた。 それが、震災のヒガイを受けないですんだ。 しかし、夫の奇妙な行動から、 夫が守ろうとしているのは、私ではないことに気づく。 離婚に踏み切るとともに、 奥飛騨に住む毛利カナ江とのつきあいから 毛利カナ江の遺産を受けとることに。 そして、ふたりの息子たちとすむことにした。 森の中に その家はあり、 楠と藤蔓がからみあった巨大な大木 が鎮座していた。 その巨木は ターハイ と呼ばれた。 そして、沢山の栗の木。 毛利カナ江は、マロングラッセを 作って貯蔵していた。 また、ドイツに住んだことがあり、西岡と言った。 この謎めいた 毛利カナ江を 探っていくことが、 この物語の主題でもあるが、それを絡めて 希美子が いかに 自立の道を歩むのか。 そして、震災のヒガイが どのようなカタチで、 存在しているのかを 明らかにしていく。 震災のニュースを見て、 両親と兄をなくしたとなりの三人姉妹が生き残っていることを知り、 引き取って 生活する。 その三人姉妹は あかるく じつに すなおな生き方をしていた。 それは、両親の躾のおかげであり、 マツタケご飯を食べたことはないが 健康に育っていた。 その三人姉妹の姉をしたって、七人の娘たちが押し掛けて、 森の中にある 希美子の家は 大きく変化していく。 阪神大震災が 人のこころの中に どのような精神的な 影響があるのかを さぐっていく ところに この物語のポイントがあるのですね。
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森の中で生活する暮らしが羨ましくなりました。 震災を巡る話云々よりむしろ、森の生活の描写にうっとりしました。 2014/05
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心の傷から再生する女性たちの話。この人の話は、読んでいて不思議と日常で疲れたドロドロが浄化されて、穏やかで前向きな気持ちになれる。
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震災をきっかけに孤児となった少女の成長と、その少女を育てる母の変化を書いていたように思う。 教育上何点か大事なことを書いていたように感じるので、いつか再読しようと思う。 単純に小説として読んでも、内容の割に重くないので、読みやすかった。 本棚行き
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装丁の絵が物凄く綺麗で思わず手に取りました。阪神大震災の頃のお話だったので「あぁ、こうだったよなぁ」って思いながら読みました。宮本先生の作品は読んでると自然と笑みがこぼれます。
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このブクログって、上下とかで分かれている場合、2冊登録しなきゃなのがめんどいなぁ・・・。感想書くのに、「上」に書けばいいのか、「下」に書けばいいのか迷うでないかーい。というわけで、感想は「下」の方に。
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森のなかの海・上巻はなかなか我慢を強いられるなぁと思ってい。 それがより顕著なのは序盤〜中盤にかけて。 主人公・希美子が(もちろん上巻の終盤から物語の収束に向けて、「再生」をより鮮明に書くためには必要なことなのだけれど)とにかく失意の底に押しやられていく。 そこに加えて、物語の舞...
森のなかの海・上巻はなかなか我慢を強いられるなぁと思ってい。 それがより顕著なのは序盤〜中盤にかけて。 主人公・希美子が(もちろん上巻の終盤から物語の収束に向けて、「再生」をより鮮明に書くためには必要なことなのだけれど)とにかく失意の底に押しやられていく。 そこに加えて、物語の舞台となる場所へ向かうために目まぐるしい変化の波が次々に押し寄せてくる。 これはもう、ほとんど急流を下るような感覚だった。 宮本輝さんの柔らかい文章が押し寄せる変化の波を受け止める緩衝材になったような気もするし、淡々と綴られるその書き方に否応なしに飲み込まれていったような気もする。 やっとこさ舞台が整ったと思ったら、そこに更に大きな変化がやってきた。 もうなんなんだ、と…。もっと希美子をいたわってくれ、とそんな思いすらあった。 そうして役者が一堂に会することでようやく物語は静かな流れを見せ始め、ゆっくりと着実にそれぞれの「再生」を描いていくわけです。 ここに上巻の感想を書いているうちに「あぁ、なるほどな」と、あらためて宮本輝さんの筆の巧みさに驚いたりする。 自分は、やっぱりこの人の描く物語が好きなんだなぁ…。 星3にした理由は…希美子があまりにも悲惨な目に遭ってたのと、物語に絡む「謎」が少し不自然に浮かび上がった時に妙に違和感があったからです。
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宮本輝さんの作品って分厚い本ばかりで敬遠してたんだけれど、読みやすくてビックリ(^^ゞ 阪神大震災によって運命が変えられた希美子さんの生き方が描かれているんだけれど、私は毛利のおばさまの方が気になる。あとマロングラッセも…(^^)
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