ノルウェイの森(下) の商品レビュー
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なんせ性描写が多い!!1回読んだだけでは伝えたいことが分からず、最後主人公がレイコさんといたすのはとてもびっくりしました。解説などを読んでみるとレイコさん虚言癖説なども出てきてゾワッとしました。最後のセリフは結局なんだったんだろう、、、? 盛り上がる展開があるわけではないけど、読み応えのある話でした!突撃隊が好きだったのですが彼はどこへ行ったんでしょう
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愛の不可能性について綴られた本。 愛があれば何でもできるという愛万能説は真っ赤なウソ。愛があるからこそできないこと愛がなくてもできること。愛のそういった側面を描いた作品なのかなと思う。 ことあるごとに登場人物たちはセックスをする。それは心の穴─孤独だろうが喪失感だろうが何だ...
愛の不可能性について綴られた本。 愛があれば何でもできるという愛万能説は真っ赤なウソ。愛があるからこそできないこと愛がなくてもできること。愛のそういった側面を描いた作品なのかなと思う。 ことあるごとに登場人物たちはセックスをする。それは心の穴─孤独だろうが喪失感だろうが何だろうが─を埋めるための営みだろうと思う。いやに官能的だと評する意見もあるが、その生々しい性行為こそ作中人物の生きる源であったのではなかろうか。 セックス=愛の営みだとするロマン的な考えはまあ理想だとは思う。ただこの作品における性行為の意味はそんな単純なものじゃない。もっと肉体的で現実的で複雑だ。 よくよく考えればセックスと一言で言っても、その目的はさまざまだ。子どもを作るため、気持ちよくなるため、愛を育むため。いろんな目的がある。登場人物たちはセックスをすることで心の傷を癒そうとしていたのかもしれない。実際に癒されるかどうかは別として。 愛というのは性欲を美しく飾り立てたものにすぎないと聞いたことがある。たしかに愛というのはひどく曖昧なものだ。どれだけ深掘りしてもその正体はつかめない。挙げ句の果てには「自分はこの人を愛しているのだろうか」などと疑心暗鬼してしまう。 愛は万能ではない。そりゃそうだ。愛は朝方の霧のようになんだかモワモワしていて、風が吹けばふっと消えてしまうようなものだからだ。 だから愛がなくてもセックスはできる。お互いを癒すために。いやそれこそが「愛」なのかもしれない。 僕は常々思う。もし好きな人とセックスが一生できないとしてもその人と一生を共にするだろうか。答えはわからない。居ようと思えば居れそうだし、無理な気持ちもする。もし「あなたとならセックスなしでもずっと一緒にいたい」という気持ちになれる人が現れたら、きっと、その人に「愛」を注ぐべきなのだろう。
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前評判の通り性描写は多かったにしろ、意外とその性描写にも意味がある気がして酷評されているほどの悪印象は感じなかった。好きな部類だと思う。
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親父に『深い』と勧められて読了。 やはり村上春樹読みやすい。 良い意味でライトノベルっぽいなとも思った。 読みやすい本は集中力が途切れないから眠くなりにくいことにも気づいた。 下巻に関しては2日で読破できた。 登場人物全員を愛せる本は初めてかも。 中でも緑が特に好き。次点でレ...
親父に『深い』と勧められて読了。 やはり村上春樹読みやすい。 良い意味でライトノベルっぽいなとも思った。 読みやすい本は集中力が途切れないから眠くなりにくいことにも気づいた。 下巻に関しては2日で読破できた。 登場人物全員を愛せる本は初めてかも。 中でも緑が特に好き。次点でレイコさん。永沢さんも好き。 確かに深い話だったし、色々衝撃だった。 手紙が出てくる系に弱いのでかなり痺れた。 そして言わずもがな比喩と言い回しが絶妙で、読んでる途中で何回も読み返してしまった。 上巻でなんだこの本は⁈ってなって色々ドキドキして下巻の中盤で一気に沈んだ。 終わり方かなり好き。希望が見える感じとか生まれ変わる感じがかなり良き。 読んでる途中でも「また読みたい」って気持ちになったし、親父がこれを売らないで取っておいたのめちゃくちゃ理解できる。定期的に読み返したい。 暗いときは暗いけど会話のセンスとか情景の美しさとかキャラの強さとかそういうのがまた読んで浸りたいなって心から思う一冊でした。 2025最高の読書スタート!
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高校生の頃からだいすき 生と死は対極にあるのではなく内包しているんだって、 色んな考えに応用して自分の中に活き続けてる
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生と死は誰しもが生まれた時からその手に持っているものだと思う。 寿命を全うするも自ら選択するも自由ではある。 残された人が抱える悲しみや喪失感は、思い出を何度も擦り続けるように語り合うことで、故人を忘れることなく、引きずりながらも美しい記憶として消化していこうとするのかもしれない...
生と死は誰しもが生まれた時からその手に持っているものだと思う。 寿命を全うするも自ら選択するも自由ではある。 残された人が抱える悲しみや喪失感は、思い出を何度も擦り続けるように語り合うことで、故人を忘れることなく、引きずりながらも美しい記憶として消化していこうとするのかもしれない。 本作は死と性が強く、彼女のことを思い出すときに真っ先に出てくるのがセックスの記憶なのが、作者が男性だからなのかわからないけれど、いや、そこ…?とはなるし、正直主人公は最初から最後までセックスのことしか考えていない男という印象だった。
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やっぱりストーリーの本筋を掴み切れていない気がする。 テーマは「愛する人を失った後の人生」かな… するすると読めて、読んでいる最中はそれなりに楽しいんだけど、どういう話でしたか?と言われたら難しい感じ。 ただ、台詞回しの心地はよかった。 キズキの死によって、直子とワタナベの人生の中には死が入り込んでしまった。それによって決定的に壊れてしまって最終的に死んだ直子と、立ち直れたワタナベの違いはどこにあるのか。 そもそも二項対立が直子vsワタナベ(レイコvs緑)って合ってるのか?というところにもあまり自信がない。 これからたくさん解説とか読むけど、いったん自分なりに解すると、やっぱりワタナベにとって緑は異性で、直子にとってレイコは同性なことは無関係ではないと思う。 ただ、直子にとってセックスで濡れることがどういう意味を持つかよく分からない。。濡れる→挿入を受け容れる→相手の一部が自分の中に入り込むことを許す、っていう話なんだろうけど…それならキズキで濡れててもいいだろと思った。(だし、それなら女の指でも男のペニスでも同じ話か?) あと永沢さんとハツミの話も切なかったな… 永沢さんの考え方が男性的すぎて、一方ハツミさんの考え方がとても女性的。ハツミさんが死を選んだのは単純にびっくりした。この2人のパートだけ別の短編みたいに感じる。 そして突撃隊ってなんだったんだ?恋愛で壊れた? ちょっと自分の感想が文章にするほどまとまっていないので、上巻同様良かった部分だけ抜粋する。 p.61 「子供にいやみったらしい凝った名前」 →緑の地雷、子供の名前にもあるんだ。 p.75 「大事なのはウンコをかたづけるかかたづけないかなのよ。」 →自分にとって、この作品のヒロインは間違いなく緑だな…ワタナベみたいに自己完結的に(直子を除いた)世界を俯瞰で見るのじゃなくて、徹底的に現実と相対してしっかりと人生を踏みしめている感じがする。母親と父親を脳腫瘍で亡くしているのに。しつこいくらい快楽としてのセックスの話するのもリアリストなことの証左なのかもしれない。(ほんとか?) p.83 「いいキウリですね。キウイなんかよりずっとまともな食いものです。」 →キウリ褒める時に名前似てるからってキウイ腐すことないだろ。 p.103 「あれは努力じゃなくてただの労働だ(中略)努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」 →そう!永沢さんの意見はからっとしていて直子とかレイコが言うところのまともな方の人々という感じがする。ハツミさんにも勝手にそちらのイメージを当てはめていたので死んだ時に驚いた。 p.142 「そうか、それは弱ったわね」 「弱ることないよ」 →単にテンポが良くて面白い。 p.152 緑が父親の仏壇の前で乳房と性器を見せつけるシーン。ここで緑のこともなんかよくわかんなくなった、正直 p.224 「その髪が僕の下腹に落ちかかっていたあの光景」 →フェラチオで髪が自分の腹に落ちるところを思い出すのリアリティがあって凄い表現だと思った。 p.259 「でも人は旭川で恋なんてするものなのかしら?」 →する。
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37歳の主人公ワタナベが1960年代後半の19歳〜20歳までの思い出を語るスタイルで描かれる、愛と哀しみの物語。 淡々と起きたこと、その時ワタナベが思ったことを語るので、作者が伝えたいことはわからないのですが、全体を通じては上で述べたような物語なのではないか?と思います。 ...
37歳の主人公ワタナベが1960年代後半の19歳〜20歳までの思い出を語るスタイルで描かれる、愛と哀しみの物語。 淡々と起きたこと、その時ワタナベが思ったことを語るので、作者が伝えたいことはわからないのですが、全体を通じては上で述べたような物語なのではないか?と思います。 上巻の感想でも書いたのですが、作者が影響を受けた作家の作風が反映されていると思われ、特に、作中でも挙げられた作品、『グレート・ギャツビー』や『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が元になっていると思われるところが多く見受けられるなと思います。 主人公が20歳になる直前の話が長く、このあたりは大人になる年齢という微妙な時期が描かれているし、作者の村上春樹先生が『グレート・ギャツビー』を英語で読むということを推奨しているように、グレート・ギャツビーを英語で書いたような日本語バージョンという感じがしました。英語で『グレート・ギャツビー』を読んだことはないですが(笑) そんな風に思うお話ですが、主人公のワタナベ含め登場人物はまぁまぁ癖が強く、性描写も多く、キャラを受け入れられるかが、本作品を読み進めるところでは重要な要素になってくると思います。 そして文章は私は読みやすい上に、登場人物に何が起こるのか読み進めたくなる不思議な感じがするのですが、作者が何を伝えたいのか?を読み解きながら読み進めることは相当困難な作品です。 そもそも、作者自体ストーリーだけ考えたのみで伝えたいことなんてあるのか?と思いますし。 おそらく、これが1つの愛の形であり哀しみの形でもあるのかな?とは思いますが、この形を三角形とするのか、四角形とするのか、円とするのはかはそれぞれの読み手次第で、決まった形が見つからないとも思える作品です。 読みながらいろいろなことを拾って、確かにそうだよなと思える共感ポイントみたいなのがあり、おそらく読んでいたらどこかでその共感ポイントが見つかる作品なんだろうなと思います。 私も、内ゲバ時代を知らない世代ですが、確かに革命を掲げていた彼らは口だけでほとんど何も革命の爪痕も残せていないし、勤勉な日本人というイメージも労働することに忠実でじゃあ何か努力しているのか?というと確かに労働と努力は違うよなぁと感じたり、あとになって、雨の日の蟻は巣の中で何をやっているのか?という話題で、そんなに勤勉な蟻はなぜ進化しないのか?という話もなるほど、ここに繋がってくるのかというように、読んでいる途中で挟まれるどうでもよさそうな内容に思わず、「そうよね」と思えるものがありました。 1987年に発売された本作品。 勿論、スマホはおろかポケベル自体出てこない作品なのですが、今読んでも、内容は古臭くないなと思いました。 精神疾患みたいな話もあるのですが、おそらく当時は精神疾患なんて異常者、社会の落第者として扱われていた感もありますし、甘えだとも思われていた時代だとろうと思うのですが、今読むと、鬱とかで休職に追い込まれることも多々あることが当たり前ですから、割とこのあたりの精神疾患的な話は受け入れられやすいのではないか?と思います。 また、登場人物の考え方も1960年代の同年代の人たちの考え方ではなく大分変わった考え方なせいか、割と今でも受け入れられる内容が多いのではないか?と感じました。 シンプルで読みやすいのですが、内容複雑過ぎるし、結局何の話?とも思うのも理解できる内容でもあります。 ただ、答えを求めるのではなく、純粋に文章に身を委ねて読む。 その楽しさを味わえる作品だなと思いました。
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直子さんが死んでしまったことがすごく悲しい。悲しくて涙が止まらない。 主人公とレイコさんは生き続けようとしていて、それが希望に思えた。 主人公ワタナベの回りには、魅力溢れる人がいると思った。
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村上作品は抽象度が高くて難解だと言われるが、これは上下巻通して抽象的なところはほぼないと行ってもいいくらい具体化された話だった。(海辺のカフカ読んだことあるから、よりこの作品の抽象度の低さがわかる) 私は過去の嫌な出来事や過去に考えた嫌な思考にとらわれることはあっても、過去いた友達や恋人にいつまでもとらわれたことはない。それほどまでの熱い友情や恋慕の情は見ていて羨ましかった。隣の芝生は青いで、それはそれで辛いのかもしれないけど。 一つ注意しておくけど、この作品は、性に関する描写が多すぎる笑。純文学の中でさえも特段ね。下ネタ苦手な人はやめたほうがいいかも。村上作品はなんでこんなにエロティシズムと密接に関わっている描写が多いんだ?笑 上巻の本の裏のところに、喪失と再生の物語と書いてあった気がする。再生とははて?というくらい、主人公たちは過去の亡者になっていたようにも見受けられる。自分も過去にとらわれるから、人のこと言えたこっちゃないけど。過去にとらわれる人は、自分が写っているようにも見えて、人の振り見て我が振りなおせという慣用句があるように、自省できていいかも 第一章は主人公がノルウェーに行く話と直子の記憶が薄らいで行きそうという話だった。なので、私は読みながら、直子と主人公の関係等を予測しつつ読んでいたし、ノルウェーに行くまでの経緯が事細かに書かれていないので、そこの経緯は読者の想像に委ねるということなのだろう。 最後に一つ。この本読んでて、誰かと長文の手紙で文通したくなった。俺節満載の文章を送るよ。誰か文通してくれる人いないかな?笑
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