ノルウェイの森(下) の商品レビュー
大学生の等身大の日常を描いた物語。 (上質な官能小説を読んでいる気持ちにもなったが‥) 溢れる虚無や喪失を覚えながらも、なぜかささやかな光を感じられた。 「自分に同情してはいけない」 これはどうにもできない運命や宿命に翻弄される人生に役立つ教訓だと感じた。
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あんまりだった。 文体は好きだけど、ストーリーは好みではなかった。 ナオコさんが病んだ背景が不透明だったし、レイコさんとワタナベの関係が生理的に受けつけない部分があった。
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自身の生を侵食するほどの死に直面したことがなく、これほどまでの「喪失感」を覚えたことがないので共感できない部分もあった。ただ、失ってみないと分からないだろうし、直子に固執しすぎだろとも思ったけど、それもまた本人にしか分からないわけで。 人としての「欠落」した部分を強調させるためな...
自身の生を侵食するほどの死に直面したことがなく、これほどまでの「喪失感」を覚えたことがないので共感できない部分もあった。ただ、失ってみないと分からないだろうし、直子に固執しすぎだろとも思ったけど、それもまた本人にしか分からないわけで。 人としての「欠落」した部分を強調させるためなのかもしれないけど、勉強もできて読書家で鬼のように酒強くてそこそこ女にモテるワタナベには嫉妬せざるをえない。
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「死は生の対局としてではなく、その一部として存在している」これに尽きる。こちらも読みやすく、これ程かというほど喪失感を体験できる小説。ドイツ行きの飛行機で回想シーンが始まる構成も好き。
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主人公が自分に酔ってるように感じた。 やはり男性目線で描かれていると思った。 一個一個の性行為に理由がある感じがした。
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思いを抱く女性以外に女と関係を持つが最後に一歩は踏みとどまっていた。のに、全てを整理して別の女性と一緒になると決め、それをその女性に伝えたにも関わらず、最後にその女性ともまた別の女性と一線を越えてしまうという最低な男の話
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この小説は、わたしのこころ(あえてひらがなを使わせてもらおう)の深い深いところを静かにつつかれるような気持ちになる。ずっと水の中に沈んでいた遺跡の発掘みたいに、静謐に静謐に、しかし確実に、こころという湖の底の底に眠る感情や感覚を掘り起こして地上まで引っ張りあげるような、そんな文章...
この小説は、わたしのこころ(あえてひらがなを使わせてもらおう)の深い深いところを静かにつつかれるような気持ちになる。ずっと水の中に沈んでいた遺跡の発掘みたいに、静謐に静謐に、しかし確実に、こころという湖の底の底に眠る感情や感覚を掘り起こして地上まで引っ張りあげるような、そんな文章だ。 前に読んだ「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は、独特すぎて、正直はあ...?って感じだったけどノルウェイの森は好き。さすがベストセラー
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10代~20代で友人の死別や複雑に取り囲む環境下で過ごして業が深いなぁと思った。 性描写も体力的な若さや好奇心。複雑に入り組んだ感情から身体の関係に発展しやすいのかなぁとも感じた。 また、それぞれの登場人物で自殺を選択してしまう事はとても悲しい事だけど永遠に手に入らないモノや本来...
10代~20代で友人の死別や複雑に取り囲む環境下で過ごして業が深いなぁと思った。 性描写も体力的な若さや好奇心。複雑に入り組んだ感情から身体の関係に発展しやすいのかなぁとも感じた。 また、それぞれの登場人物で自殺を選択してしまう事はとても悲しい事だけど永遠に手に入らないモノや本来の自分とは違う姿、払拭出来ない感情は彼らにとってはどうしようもない事であったしあまりにも若かったと思う… 自分も過去の出来事に対しての想いや感情は薄れていきつつあるけど、また何年か経った後にでも読み返したい本である。
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以下、気に入ったフレーズ続き。 「あれは努力じゃなくてただの労働だ」と永沢さんは簡単に言った。「俺の言う努力というのはそういうのじゃない。努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」 「あなたの二十歳が幸せなものであることを祈っています。私の二十歳はなんだかひど...
以下、気に入ったフレーズ続き。 「あれは努力じゃなくてただの労働だ」と永沢さんは簡単に言った。「俺の言う努力というのはそういうのじゃない。努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」 「あなたの二十歳が幸せなものであることを祈っています。私の二十歳はなんだかひどいもののまま終ってしまいそうだけれど、あなたが私のぶんもあわせたくらい幸せになってくれると嬉しいです。」 「自分に同情するな」と彼は言った。「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」「覚えておきましょう」と僕は言った。 「ビスケットの缶にいろんなビスケットがつまってて、好きなのとあまり好きじゃないのがあるでしょ? それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あとあまり好きじゃないのばっかり残るわよね。私、辛いことがあるといつもそう思うのよ。今これをやっとくとあとになって楽になるって。人生はビスケットの缶なんだって」
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死んだひとは言葉を持たないから、生きている人だけでなんとかやっていくしかない。 不完全で、迸るような激しい緑と、完全でいて、静かで、それでいて大きな直子がそれぞれ美しいなと思う。 自分に同情してはいけない。いけない。 特攻隊、会いたいなあ
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