間宮兄弟 の商品レビュー
一体どういう小説だろうと思った。作者は江國。 最新恋愛小説だというが明信と徹信、30代の兄弟が同居している。 嗜好や趣味、日々の生活、毎日の過ごし方、 自己充足的ともいえるが、満ち足りている。
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いいです。 不器用な兄弟の自然体が微笑ましい。そのままでいいんだよ、背伸びしなくても、って応援したくなるし、それは自分自身へのメッセージにもなるような。 毎度のことながら、江國さんらしく、登場人物が皆ディテールが細かく表現されていて、まるでそこに生きて生活しているように感じら...
いいです。 不器用な兄弟の自然体が微笑ましい。そのままでいいんだよ、背伸びしなくても、って応援したくなるし、それは自分自身へのメッセージにもなるような。 毎度のことながら、江國さんらしく、登場人物が皆ディテールが細かく表現されていて、まるでそこに生きて生活しているように感じられる。 恋愛小説ではないが、ここにはいつもの江國さんの描く「愛情」が詰まっている。
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酒造メーカーに勤める35歳の兄・明信と、小学校職員(庁務手)の32歳の弟徹信の物語。 周りから見れば、目立たず垢抜けなくて 自分から親しくなりたいとは思わないような二人である。地味に地道に自分のやるべきことを一生懸命にやっている彼らである。 二人暮しの彼らの家の中では、それ...
酒造メーカーに勤める35歳の兄・明信と、小学校職員(庁務手)の32歳の弟徹信の物語。 周りから見れば、目立たず垢抜けなくて 自分から親しくなりたいとは思わないような二人である。地味に地道に自分のやるべきことを一生懸命にやっている彼らである。 二人暮しの彼らの家の中では、それぞれにカラーがありそれぞれの持つ役割がある。そしてなにより 親思いだし 兄弟思いである。 外からは何の楽しみもない人間たちのように見られがちだが、実は彼らには多くの趣味があり、休日も飽くことなく愉しんでいるのである。 そんな彼らがひょんなことから 巻き込んだ人々。そんな彼らになにやら訳もわからず巻き込まれた人々。彼らは この人々の心中にも わずかずつ染み込んでいったのだ。自分たちは報われない人間関係としか思っていないとしても。 よくぞ 間宮兄弟のことを書いてくれた、と手を叩きたくなる気持ちになる。 人生に輝かしいことなどもしかすると一度もないかもしれないような、まさに自分のようなきわめて平凡な人の毎日だって 自分で思うよりは捨てたものでもないんじゃないか、とちょっぴりほろりとなるのだった。
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30代の兄弟2人は(兄:明信35歳・弟:徹信32歳)今でも男2人で暮らすちょっと変わった兄弟。女性とはあまり縁のなさそうな2人のちょっとおかしな異性関係の物語。
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10/20読了。うーん、まあまあ。間宮兄弟のような雰囲気の人たちは好きだけど、やっぱり惚れる感じではないかも。
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周りに間宮兄弟のような人たちがいたら、私は絶対にその人たちと関わらないようにする自信がある。けれど、間宮兄弟の生活を垣間見た後では、愛しくすら感じてしまうのは、なぜだろう。
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モテない間宮兄弟の夏から秋の物語。良い人なんだけど付き合う対象には見られない。なんかなぁ・・・。ある意味共感です。兄弟にも、兄弟の周りの女性にも。 異性関係を考えない方が心穏やかに過ごせるんじゃないかなぁ?と自問自答してみたり。
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三十路を過ぎてもふたりで暮らす風変わりな兄弟、間宮兄弟と、彼らを取り巻く人々とのかかわりが描かれている。 著者江國香織さんが以前雑誌のインタビューで、「朝食に何を食べたかではなく、その朝食の卵はスクランブルだったのかボイルだったのかと言うようなところに視線を落として書きたい」と言...
三十路を過ぎてもふたりで暮らす風変わりな兄弟、間宮兄弟と、彼らを取り巻く人々とのかかわりが描かれている。 著者江國香織さんが以前雑誌のインタビューで、「朝食に何を食べたかではなく、その朝食の卵はスクランブルだったのかボイルだったのかと言うようなところに視線を落として書きたい」と言う様なことを話してらしたのを思い出した。 常に自分らしくありのままで暮らす間宮兄弟の姿は周囲の人から見ると一見奇異に感じられる。けれど、周囲の目を気にすることよりも、季節を感じ空気を感じ居心地のよさを大切に暮らす兄弟の生き方は、周囲の人々にある種の安らぎをもたらす。 情報が入り乱れ、喧騒に追い立てられ自分らしさを見失いそうなときに読み返したい優しい本です。 江國ワールド最高(*^^*)
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兄35歳、弟32歳。いい人だけど恋愛においては「そもそも範疇外、ありえない」と女たちに評される間宮兄弟。 なんというか、この“間宮兄弟”の生活ぶりに我が身を振り返ってしまう。言ってしまえば、彼らは今の生活に十分満足している。そして、それが壊れてしまうのを、それとなく恐れている。つ...
兄35歳、弟32歳。いい人だけど恋愛においては「そもそも範疇外、ありえない」と女たちに評される間宮兄弟。 なんというか、この“間宮兄弟”の生活ぶりに我が身を振り返ってしまう。言ってしまえば、彼らは今の生活に十分満足している。そして、それが壊れてしまうのを、それとなく恐れている。つまり2人だけで、生活の楽しみが完結してしまっているから、他人が入り込む隙間がないんじゃないだろうか。2人でいることに慣れすぎていて、「恋人が欲しい」と思っても、今の生活を崩すだけの勇気がないんだと思う。 そーなのよ、できあがってるリズムを崩すのって、かなり気力が必要なのよねぇ。 ん〜、この2人のこと、あんまり笑えないっす。
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≪兄弟は、生まれたときからこの町に住んでいる。はじめは比較的大きな家に一家四人で、現在は二LDK家賃十三万八千円也のマンションに兄弟二人で。彼らはずっと一緒に暮らしてきたし、夥しい量の思い出を共有している。徹信にとっては三十二年分、明信にとっては三十五年分の思い出だ。≫ 彼らはと...
≪兄弟は、生まれたときからこの町に住んでいる。はじめは比較的大きな家に一家四人で、現在は二LDK家賃十三万八千円也のマンションに兄弟二人で。彼らはずっと一緒に暮らしてきたし、夥しい量の思い出を共有している。徹信にとっては三十二年分、明信にとっては三十五年分の思い出だ。≫ 彼らはとても仲が良い。二人とも内向的な性格なので部屋の中で映画を見たり本を読んだりジグソーパズルやプラモデルを作ったりして遊ぶ。きちんと定職を持ち、他人に優しく、親孝行。そしてそろって、女にもてない。 ≪彼らを見知っている女たちの意見を統合すれば、格好わるい、気持ちわるい、おたくっぽい、むさくるしい、だいたい兄弟二人で住んでるのが変、スーパーで夕方の五十円引きを待ち構えて買いそう、そもそも範疇外、ありえない、いい人かもしれないけど、恋愛関係には絶対ならない、男たちなのだ。≫ だそうです。合掌。いるわーこんな人。しかし兄弟揃ってっていうのが悲惨を超えてちょっと笑える。そんなちょっと間の抜けた雰囲気の中で、間宮兄弟と関わった数人の男女の恋愛事情が描かれる。それぞれの切実な恋愛エピソードに間宮兄弟のユーモラスな哀しさが調和する、心地よい作品。
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