見えないドアと鶴の空 の商品レビュー
真っ暗闇の中で、どんどん自分の恐怖の底に降りていく感覚が、深くてとても良かったです。 実際には体験しなくとも、精神的にはかなりそれに近い経験をした人だけが語れる言葉なのかもしれない。 昔の人は、もっと真の闇と仲良しだったんでしょうね。死者や魑魅魍魎とも、当たり前につながっていた...
真っ暗闇の中で、どんどん自分の恐怖の底に降りていく感覚が、深くてとても良かったです。 実際には体験しなくとも、精神的にはかなりそれに近い経験をした人だけが語れる言葉なのかもしれない。 昔の人は、もっと真の闇と仲良しだったんでしょうね。死者や魑魅魍魎とも、当たり前につながっていたのかも。 最後は少し魔法がかっているけれど、それも暗闇での体験が丁寧に描かれていることで、決して突飛ではなく、自然に読めました。心に残るお話でした。
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超能力物。 悪意はないのかもしれないけど、必然というか由香里が美味しい所を持って行った感じ。 洞窟のあたりから、収集がつかなくなった様な・・。
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不倫もの…かと思いきや、オカルトあり、超常現象あり、ミステリ(?)あり、冒険ありと盛り沢山な本だった。(いろんな意味で)面白いのだが素直に誉める気になれない複雑な読後感。全体を通して見ると安っぽい宗教映画のような内容である。 私はニート歴があり、分析好きで、完全に昂一タイプの人間である。昂一が閉じ込められている時に悟ったことも、私が昔地震の予言に対する恐怖から逃れるために考えたこととそっくりだった。そのためなのか絹子のうっとうしさもリアルに感じられ、物語に入り込みやすかった。なにせ絹子は終始悪役扱いなのである。ラスト付近はあまりの書かれように、気の毒に感じてしまうくらいだ。そのせいか思ったよりスッキリはしなかった。 この本で作者が主張することの中で、特に気に入ったのは、現代人には考える時間が少なすぎるということだ。ニート時代にいろいろ考えられたことは、私の人生にとって大変重要なことだったと思うので、このことには大いに賛成である。
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広告会社で働く絹子と、勤めていた出版社を辞めて主夫のような状態の主人公・昂一。絹子が出張に行く間、親友である由香里の出産に立ち会ったところから物語が始まる。 ちょっとファンタジーテイストだけど、比較的現実に根ざして書かれている。死とは? 生きることとは? について、様々なストー...
広告会社で働く絹子と、勤めていた出版社を辞めて主夫のような状態の主人公・昂一。絹子が出張に行く間、親友である由香里の出産に立ち会ったところから物語が始まる。 ちょっとファンタジーテイストだけど、比較的現実に根ざして書かれている。死とは? 生きることとは? について、様々なストーリーを通じてこちらに疑問を投げかけてくる。そういう点では、「僕のなかの壊れていない部分」と、雰囲気が似てるかも。 途中で主人公が廃坑に閉じ込められて、魂について気づきがあったところが好き。彼の気づいたとおり、生きていても死んでいても、各人の心の中でその人の魂は生き続けられると思う。 最後に書かれていた、「〜し合う」という話に心を動かされた。 『人は憎むのではなく、憎み合うのだ。人は愛するのではなく、愛し合うのだ。そうやって「合う」ことこそが愛と憎しみの本体に他ならない。』(P322) すべてのものは「合う」から、すべての魂は繋がっている。その大きな魂、とも呼べるものがこの世にあるならば、表面上は異なるものも全ては繋がっている。 この考え方、好きです。 内容はいいんだけど、文章がざっくりしすぎている印象。この作品に限らず。
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三角関係?不倫? と思っていたら、なんだか怖い展開に 最後の最後、本当に最後のところで なんだかスッキリしなかったなぁ
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半ばまではすごく面白かったけど、超常現象的なことが始まってからちょっと失速したかな・・という感じです。人と人のつながりは、「合う」ということが基本で、一方的ではないという言葉はとてもいいと思った。
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はじめは普通な物語が進んでいたのだけれど、途中からの展開が衝撃的だった。?というような、非現実(?)な展開で、そのまま終わってしまった。ただ、惹きつけるなにかがこの物語にはあって、途中目が離せなかった。
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この世の全部を敵に回して と同じテーマだと思うのですが、こちらは優しい着地にしています。それがちょっと物足りなかったけど、万人受けするにはこれしかないのかな。でも、下手な恋愛ものよりは良いけどね。
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ホラーと超能力と恋愛がまじりあった一冊。 性描写はエロすぎて、辟易してしまいますが 全体的には、とても面白かったです。 さくさく読めて、読了後も余韻が残る 加えて、ちょっと考えさせられるトコも。
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村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を連想させたが、設定も人物も落ちる。主人公の行動は不自然だし、女性達の個性も生きていない。思考ばかりが空回りし、展開にはこじつけみたいな部分が多い。伏線がラストにどう反映されるか期待したが、たいしたことなく肩透かし。いろいろと盛り沢山だけど薄味だ...
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を連想させたが、設定も人物も落ちる。主人公の行動は不自然だし、女性達の個性も生きていない。思考ばかりが空回りし、展開にはこじつけみたいな部分が多い。伏線がラストにどう反映されるか期待したが、たいしたことなく肩透かし。いろいろと盛り沢山だけど薄味だなぁ、白石さんにしては失敗作だと思う。
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