国盗り物語(三) の商品レビュー
前半2巻の斎藤道三中心の話と2つに分けました。 信長はゼクシーなどのサイトでも、結婚したい武将のベスト5に入っていましたが、私は嫌でした。 だって、腹立つとすぐ殺されるかもしれないし。 でも、信長編に入ってから、俄然話が魅力的になりました。 実際に明智光秀の従兄弟は信長に憧れに...
前半2巻の斎藤道三中心の話と2つに分けました。 信長はゼクシーなどのサイトでも、結婚したい武将のベスト5に入っていましたが、私は嫌でした。 だって、腹立つとすぐ殺されるかもしれないし。 でも、信長編に入ってから、俄然話が魅力的になりました。 実際に明智光秀の従兄弟は信長に憧れに近い感情を持っているし、司馬さんも若者を引き付ける魅力があると書いてある様に、やっぱり信長がある種の魅力を持つ人であることは確か。 傅人の平手政秀とのやりとりが可愛い。 結婚式から逃げ回る信長を何度も捕まえるシーンが、本当にかわいい。子供のままといった感じ。 父親が亡くなった時の、信長の心情も興味深い。 理解してくれる人が、この世にたった1人でも存在すれば、それだけで心強く、ありのままの自分でいられること。確かにと思った。 遊び仲間を許す所や、親愛の情を示す道三から美濃の譲り状を受け取った時の態度も人間味溢れる。 死を覚悟した道三に再三使いを送り説得を試みるところや、負けても負けても美濃を征する合戦に挑むところに、大器を感じた。誰しも鮮やかな事ばかりの連続で、後世に語り継がれる人生でなく、失敗にめげずに何度も立ち上がる人が残るのだと思った。 道三は戦死の前日に語る、こうして数奇な人生を送ってきて最後には殺されるし、大半の家来が敵方についてしまっているが、その途中に見えた面白い光景が見れただけでも儲けものという考え方も味わい深い。 4巻は明智光秀が主役。私もどちらかと言うと、真面目で光秀に近いので、彼の苦悩が分かる気がする。人気ないみたいですが、私は光秀も嫌いではなく、かわいそうだと感じているので読めてよかったです。 特に、光秀が考えてばかりの自分と、行動が早い信長を考えるシーンも感慨深いです。300P
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2015/2/23読了 信長&光秀が本格的に登場。光秀は信長を馬鹿にしており帰蝶を取られたことから嫉妬もしている陰険なキャラで描かれている。
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道三亡き後の戦国時代。 智将明智光秀とうつけ者と呼ばれた怪物織田信長の半生を描く後半。 三巻では織田信長が美濃を制覇し、明智光秀が足利将軍の実質的な側近まで登り詰めるまでを描く。 二巻までのようなハラハラする智謀略はあまりないが、完全合理主義の織田信長と情に厚く文武両道の明智光秀の二人が各々新旧の文化を代表してるかのようで面白い。 四巻が面白くなってくれそうで楽しみ。
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3巻からは斉藤道三の愛弟子というべき2人、織田信長と明智光秀が主人公となる、盗るべき国は、日本国。天下統一を目指す2人。それぞれ全く異なる道を歩む。どちらかといえば、明智光秀のほうを読むのに力が入った。この本を読むのは3~4回目だが、自らの立場が変われば読み方も変わるものだ。明智...
3巻からは斉藤道三の愛弟子というべき2人、織田信長と明智光秀が主人公となる、盗るべき国は、日本国。天下統一を目指す2人。それぞれ全く異なる道を歩む。どちらかといえば、明智光秀のほうを読むのに力が入った。この本を読むのは3~4回目だが、自らの立場が変われば読み方も変わるものだ。明智光秀ほどの才能に恵まれながら、まったく誰にも相手にされない。朝倉家でも、ほとんど重用されない。それでも腐らず志を高く持ち続ける光秀の姿に感動。 自分も仕事でくじけそうになっても、もっと頑張らねばと思う。
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織田信長というより明智光秀の話? 生真面目な光秀に、不器用な光秀に共感を覚える。 信長のキャラがいまいちつかみにくかったが、 無駄を嫌う点には共感を覚えた。
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信長と濃姫の結婚から、信長の稲葉山城攻略まで。 話の焦点は道三から、信長、光秀がメインに徐々に変わっていく。 道三も老い、以前のような思い切った行動に出ることもなく、迂闊な判断も増えてくる。言わば落ち目でこれまでを思うと悲しくもあるのだが、逆に迫るものがあり引き込まれた。 道三の行動もそうだが、2巻までと比べると比較的地に足の着いた話運びだったように思う。道三編もこれくらいの落ち着いた調子ならば、より楽しめた気もする。 道三死亡後は光秀を中心にして話が進んでいく。無位無官の身ながらも次々と大人物に会っていくような草の根の活動は、次はどうなるかと興味をそそられた。 個人的には将軍のすぐ側で動く、細川藤孝が気になる人物だった。 光秀を通して登場することがほとんどで、あまり目立つような出番があるわけではないが、伝わってくる聡明さから出てくる度目を離せなかった。 今川義元、竹中半兵衛、足利義輝なども、具体的なエピソードと共に本人達を照らすような視点で取り上げられており、それらは特に興味深く読めた。 道三死後のお万阿の挿話には感じ入るものがあった。 彼女はあらゆる意味で都合よく使われた女性だったが、落ちぶれるということもなく楽しげに過ごしているだけでも救いがあったと思う。 だが道三と庄九郎は別人であるという、昔道三が説得した通りのままの考えをまだ守っているところ、それで概ね納得しているような所は複雑な心情が垣間見えた。 そういう人物に出来上がったところがまた、都合よい扱いである意味可哀想にもなるのだが…。 3巻始めで読みかけを長い間放置していたが、読んでみれば流石というか、続きをどんどんと読めてしまった。 が、これ以上は光秀という人物にも展開にもあまり興味が持てない為、ここで打ち止め。 興味が向いた頃にまた読んでみたいと思う。
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斎藤道三から織田信長へ。 まだ明智さんと信長さんは出会ってなくて、ちょっとそこはイライラしたかも^^; でも作者が明智光秀を死なせたくないのが伝わってきた。織田信長ばっかクローズアップされてるけど、明智光秀ってこいう人間だったんだなぁ~と読んでて思った。
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蝮堕つ。引き際の淡泊さは仏の道を感じる。さすが道三、あぁ無常…。 信長より光秀のほうが好きなんだなーってことがひしひしと伝わってくる。 光秀は生涯苦労人で、それは若い時から身に沁みこんだものなんだなーと思った。器用貧乏は払拭できない。鶏頭牛後を考えさせられる。 光秀も自分を安売りはできなかったんだろうけど、どこか自分を過信して本当に活躍できる場所を見つけられなかったような気がする。 道三は悪人だから泥臭いことも気にしない、仏道に精通してるから達観していて煩悩への囚われも少ない。けれど光秀の貴族っぽいところが邪念になって、道三ほどの大成はならなかった。そう感じる。 光秀は悪人になりきれなかった。 信長は…すこし子供っぽ過ぎた。悪人は大人でなくてはなれない。 秀吉は…悪人になれたってことかな。
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道三の晩年。若き日の光秀、信長の登場。 時代は一人の人間をいつまでもヒーローに置いておくことを嫌うのだ。 九州大学:たけ
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美濃を征服した斎藤道三は、義理の息子・義龍の反乱に倒れたが、自らの天下統一の夢を娘婿・織田信長に託していた。今川義元を奇襲して鋭鋒を示した信長は、義父・道三の仇を打つべく、賢臣・木下藤吉郎、竹中半兵衛の知略を得て美濃は稲葉山城を攻略した。(背表紙の説明文より) さあ、信長の天下...
美濃を征服した斎藤道三は、義理の息子・義龍の反乱に倒れたが、自らの天下統一の夢を娘婿・織田信長に託していた。今川義元を奇襲して鋭鋒を示した信長は、義父・道三の仇を打つべく、賢臣・木下藤吉郎、竹中半兵衛の知略を得て美濃は稲葉山城を攻略した。(背表紙の説明文より) さあ、信長の天下取りストーリーがやっと始まってまいりました。かの有名な桶狭間の戦い。弱小国の主である信長が、大国の主である今川を華麗に破った戦ですね。場所は田楽狭間ですが。この戦いを皮切りに、信長は怒濤のいきおいで全国を制覇してゆくわけです。その俊敏なこと。喧嘩っぱやさは天下一品! 信長のストーリーと平行して、明智光秀の全国遍歴の旅が書かれています。この対照的(とも言える)青年ふたりの不思議な縁…後年の確執を思うと何か感慨深いものがある。 そして明智光秀の度重なる悲運!濃姫は信長に取られ、主君・道三は殺され、遍歴の先で開いた道場は流行らず、へんな決闘を申し込まれるし、敬慕する将軍・義輝は暗殺され、苦労に苦労を重ねております。でもめげない。すごいね! 司馬先生は明智光秀のことを『戦国で唯一の志士であり奔走家である』と仰ってましたが、まさに真を穿つ表現だと思います。明智光秀ほど走り回って苦労の海を渡ってきたひと、いないよ!
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