ヒットラーのむすめ の商品レビュー
「作り話」が得意なアンナ。主人公マークがある日聞かされたお話は「もしヒットラーに娘がいたら」。 マークはお話が進むにつれて、自分だったらどうするか、自分に、周りの大人達に問いかける。 戦争を止めることはできたか、知らない事は罪なのか、知ろうとしない事は罪なのか。声を上げる事が難し...
「作り話」が得意なアンナ。主人公マークがある日聞かされたお話は「もしヒットラーに娘がいたら」。 マークはお話が進むにつれて、自分だったらどうするか、自分に、周りの大人達に問いかける。 戦争を止めることはできたか、知らない事は罪なのか、知ろうとしない事は罪なのか。声を上げる事が難しい中に戦争の本当の恐ろしさがある気がする。 そして「作り話」と思っていたお話のラスト。そうかぁー、抱えすぎるには重たかったんだね。 良い本でした。
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スクールバスを待つ間にお話をする「お話ゲーム」 ある日オーストラリアの少女アンナがはじめたのは、「ヒットラーのむすめ」の話でした。 聞いていたマークは、家に帰ってから「あれは、ただのお話なんだ、つくった話でほんとうのことではないんだ。でも、ほんとうのことも出てくる。だから気に...
スクールバスを待つ間にお話をする「お話ゲーム」 ある日オーストラリアの少女アンナがはじめたのは、「ヒットラーのむすめ」の話でした。 聞いていたマークは、家に帰ってから「あれは、ただのお話なんだ、つくった話でほんとうのことではないんだ。でも、ほんとうのことも出てくる。だから気になるのかもしれない。」 と思い、疑問を父親にぶつけます。 「もし父さんが、ヒットラーと同じようなことをしてたとしたら―すごく悪いことをしてたとしたら―そしたら、ぼくはどうするべきなの?」 「おまえは、自分が正しいと思うことをするべきだりうな。だけど…」 「もしお父さんとおまえの意見がちがっても、話し合うことができたらいいよな。どんなに言い争っても、それでも顔を合わせて家族でいたいと思うね」 さらに、 悪いことをした人物の子どもも悪くなるのか?自分がほんとうに正しいことをしているかは、どうやったらわかるのか? と考えるようになるマーク。学校の先生に質問しても、驚かれ、納得できるような答えは返ってきません。 「人は、正しいと思ったことをするべきだ。でも、正しいと思ったことが間違っていたら、とうなのただろう? みんながしていることをやればいい、というのは答えにならない。ヒットラーがやったことから一つわかるのは、国じゅうの大多数の人が間違っていたということだからだ。 当時の人たちは、ものごとをちゃんと考えていたのだろうか? (中略)それとも、ただ信じてしまったのだろうか? それも信じたかったから、という理由で」 だんだんマークの疑問をはぐらかし、やめさせようとするようになる両親の様子も、一般的によくあることだと考えさせられます。 「難しい問題」「子どもは知らなくていい」とつい家庭では避けたくなる話題ですが、この本が考え、話し合うきっかけになれば、と思います。
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いつか、子供にも読んでほしい本。「どうやったら、善悪の違いがわかるのだろう?」「自分のまわりの人たちがみんな間違っていたら、自分はどうしたらいいのか?」 空想の物語の中で深く考える事は、子供にとっても大人にとっても大切な事。 家族の一員が間違った事をしたら…?その一員の為に、そし...
いつか、子供にも読んでほしい本。「どうやったら、善悪の違いがわかるのだろう?」「自分のまわりの人たちがみんな間違っていたら、自分はどうしたらいいのか?」 空想の物語の中で深く考える事は、子供にとっても大人にとっても大切な事。 家族の一員が間違った事をしたら…?その一員の為に、そして間違いに晒された人の為に悲しむ。それまでと同じようにではなくても、その一員を大事に想い続けられるような、意見が違ってもちゃんと顔を合わせて話し合えるような関係でいたい。
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ヒットラーとのやりとりがもっと描かれるのかなと思いましたが、想像と違っていました。が、かえってリアルで、想像や思考をかきたてられました。 物語にはヒットラーの娘や、お話をくりひろげる現代の子供たちが出てきますが、たくさんの大人も出てきます。それぞれが何が正解なのか悩んでいる様...
ヒットラーとのやりとりがもっと描かれるのかなと思いましたが、想像と違っていました。が、かえってリアルで、想像や思考をかきたてられました。 物語にはヒットラーの娘や、お話をくりひろげる現代の子供たちが出てきますが、たくさんの大人も出てきます。それぞれが何が正解なのか悩んでいる様子がすごく印象的でした。 私も子供にマークのような質問をされたらどう答えようか、本当に難しいなと思いました。 現実に今も起きている紛争、考えなければならないけれど、声を上げないといけないけれど、でもそうする事によってどうなるかというマークの想像の通りで、でもその保身があのような事を招いてしまったとも言えるし… ゲルバー先生がいなくなった所が悲しかったです。 答えの無い話なので、色々と考えさせられると思います。
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雨が降り続くスク-ルバスの待合所で、オーストラリアの少女が始めた「お話しゲーム」は、「空想のお話し」とは思えぬほど真実味に溢れていて・・・〝もしも、自分がヒットラ-の子供だったら、迫害を受けた人々を救済し、戦争を止められたのだろうか?〟あるいは〝もし今、誰かがヒットラ-と同じよう...
雨が降り続くスク-ルバスの待合所で、オーストラリアの少女が始めた「お話しゲーム」は、「空想のお話し」とは思えぬほど真実味に溢れていて・・・〝もしも、自分がヒットラ-の子供だったら、迫害を受けた人々を救済し、戦争を止められたのだろうか?〟あるいは〝もし今、誰かがヒットラ-と同じような事をしようとしていたら、しかもそれが自分の父親だったら、どうすべきなのだろうか?〟という子どもたちの疑問を、荒れ狂う現代社会に投影、警鐘を鳴らし推薦図書として高い評価を受けた、オ-ストラリア女性作家による児童文学賞の良書。
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自分のこととして考えることの難しさ。 真面目に向き合うことの難しさ。 大人になればなるほどね。 向き合いすぎて周りが見えなくなってしまうのもまた違うしな。 今もね。 誰かを悪にしてしまえば簡単だけど、それは他人事だから言えることなんだよ。
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想像してみてください。もし、自分がヒットラーの子どもだったとしたら。暴走していく親をとめられただろうか。それとも父を崇拝して、一緒に事に加担していただろうか。とてもとても難しい問題だし、その時代の価値観だったり、自分を取り巻く環境だったりで、良いことも悪いことも一変するので、何が...
想像してみてください。もし、自分がヒットラーの子どもだったとしたら。暴走していく親をとめられただろうか。それとも父を崇拝して、一緒に事に加担していただろうか。とてもとても難しい問題だし、その時代の価値観だったり、自分を取り巻く環境だったりで、良いことも悪いことも一変するので、何が正しいことかなんて答えはでないのだけれでど、常に考えたり想像することは大事ですよね。人を殴るとどうなるか、人に意地悪するとどうなるかとか。身近なことから、世界で起こってることまで。
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2005年出版産経児童文学賞を受賞。原作はオーストラリア作家。 内容は、4人の子ども達がスクールバスを待つ間、バスの待合室の中で語られたお話ゲームでお話の上手なアンナによって語られた物語。主人公のマークは、この「ヒットラーのむすめ」の話に引き込まれ、自分だったらどうだろうか?など...
2005年出版産経児童文学賞を受賞。原作はオーストラリア作家。 内容は、4人の子ども達がスクールバスを待つ間、バスの待合室の中で語られたお話ゲームでお話の上手なアンナによって語られた物語。主人公のマークは、この「ヒットラーのむすめ」の話に引き込まれ、自分だったらどうだろうか?など様々な事を考え、夢中になっていく。ただの子どもの作り話という形で始まるが、1番真剣に聞き、深く考えていたマークには最後にこれがどういう話で、なぜアンナが知っていたかがわかるのです。 訳者のさくまゆみこ氏のあとがきに、日本では特にヒットラーという名前やユダヤ人虐殺の事は知っていても、そんな事は遠い昔に終わり、今はもう幸せな暮らしが出来、ありえない事と考えがちでしょうが、現実には今も理不尽な弾圧を受ける人がいるのではないか?いつヒットラーのような恐ろしい考えを持った人があらわれるか?あるいは、もうあらわれているのかもしれないと深く考えるきっかけを投げかけています。
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アンナの空想ではなく、アンナのお祖母さんがハイジだったとは。 マークが幼いなりに深く物事を考えようとしているのに、その邪魔をする両親はレベルが。。。 それも含めて考えさせられた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もしもヒットラーに娘がいたら、という空想ゲームから、なぜあんなことが実際起きたのか考えていく男の子。両親に尋ねても次第にうっとうしがられ、怒られるという顛末。とにかく正義や正しい事というのは主観でもあるので、きちんと自分の頭で考え行動することが大事。
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