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ヒットラーのむすめ の商品レビュー

3.9

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

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2016/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もしもヒットラーにむすめがいたらという物語を 通学バスの中で語られるのですが ちょっと悲しくてつらいのは ヒットラーという人が何をした人間なのか 戦争がどういう結果になるのか知っているから 自分がヒットラーのむすめだったらと考え 自分の親のことを考える子供の真っ直ぐさが清く 終わり方にも、ああ、、、とため息 読み応えのある本でした

Posted byブクログ

2016/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もしも自分の親がヒットラーだったら? 想像してみることが、考える力を生むのだと、あらためて感じた。 ユダヤ人は本当にアーリア人より劣っていたのか? そんなはずはない。それなのに、どうしてナチスはユダヤ人を迫害し、あんなに恐ろしいホロコーストが起こってしまったのか? 当時のドイツ人は、本当にそんことを信じていたのだろうか? マークは考え続けます。 バスの運転手、ラターさんは言います。 『「どうしてだって? どうしてか教えてやるよ! 統計の数字を見さえすりゃいいのに、だれもそんなことしないからさ。それどころか、テレビでインチキなやつがとんでもないこと言ってるのを真に受けて、それをありがたい福音みたいに受け取ってるのさ。それがほんとかどうかなんて、気にしてもいない。だれも、自分の頭で考えようとはしない。そこが問題なんだよ。」』 『「だけど、自分がほんとうに正しいことをしているかどうかは、どうやったらわかるんですか?」マークはさけぶようにして、きいた。』 『人は、正しいと思ったことをするべきだ。でも、正しいと思ったことが間違っていたら、どうなのだろう? みんながしてることをやればいい、というのは、答えにならない。ヒットラーがやったことから一つわかるのは、国じゅうの大多数の人が間違っていたということだからだ。 当時のひとたちは、ものごとをちゃんと考えていたのだろうか?』 これを読むと、今の日本の状況と重なることがあって薄ら寒い。今、みんな本当に自分で検証し、自分の頭で考えているだろうか? もちろん、マークは子どもで、疑問ばかりが浮かんでしまうが、きちんと頭で考えている。だからこそ、疑問が浮かんでくるのだ。そのマークに対し、親も先生も、なかなか真摯に話を聞き、答えてはくれない。 『「あのときのドイツの人たちも、わたしたちみたいな態度をとってたんでしょうね? ヒットラーのすることにはきっと反対だったと思うわ。少なくとも、すべてに賛成してたわけじゃない。でも、見たり聞いたりするのを避けてるうちに事態が進んで、気づいたときはもう遅かったのよね。みんなが目をつぶっているあいだに、ナチスの思うつぼにはまってしまったのよ。」頭の中のお母さんはうなずき、大真面目な顔でマークを見てこう言う。 「あんたがきいてくれたおかげで、いろいろ考えることができたわ」』 子どもの言葉の中に、問いの中に、真実があるかもしれない。忙しさに紛れて、見逃してはならないと思う。そして、忙しさを言い訳に、考えることを放棄してはならない。

Posted byブクログ

2015/10/18

夏休みの課題図書だったかなんであったか。 物語はもし、自分がヒットラーのむすめだったら?というお話ゲームから始まる。 児童向けということもあって問いが提示されるだけで特に掘り下げられることもない。お話しゲームを聴くマークもそこまで考えないでただ聞いて自分に問うだけだ。周りに話して...

夏休みの課題図書だったかなんであったか。 物語はもし、自分がヒットラーのむすめだったら?というお話ゲームから始まる。 児童向けということもあって問いが提示されるだけで特に掘り下げられることもない。お話しゲームを聴くマークもそこまで考えないでただ聞いて自分に問うだけだ。周りに話しても面倒くさがられて捨て置かれる。年を経るにつれてどんどん考えなくなる。そして、結局最後にはこれはゲームだからと、読んだであろう子どもたちに投げかける形で締めくくられる。 こういう形が子どもいいかはわからないが、思うに、あまり哲学的に意味をなさない。 ヒットラーのような行いをするということと、自分の親がヒットラーであるということはまったくもって別の次元の話なのだ。何もヒットラーに限った話ではない。親が英雄であろうとその英雄的行いと関係がないように。自分が自分であるということは親とは関係ないところにある。確かにこの肉体は親から与えられたに違いない。だが、それが自分であるということは親とは別のところにある。行為もまた同じである。ひとを殺す、そこにどんな理由もつけられない。ただ、殺すという行為が実現するに過ぎない。だから、家族であろうと、恋人であろうと、ヒットラーの行為を誰も止めることなどできない。どうやったら善悪の区別がつくのだろうとか、自分の周りが全員間違っていたら、ということを問うのは意味をなさない。書いた人間も無責任と言えば無責任だと思う。しかし、どんな英雄的と言われる行為も残虐と言われる行為も同じものの裏表なんだというよりは、そういうことはしていけませんと言う方がいろいろ都合がいいに違いない。

Posted byブクログ

2015/10/02
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スクールバスを待つ間にいつもの遊びから 始まった「もしヒットラーのむすめがいたら」と いう架空のお話。 主人公の男の子マークは友人の女の子が語る架空の話に のめり込み今まで思いもしなかったことに疑問を持ち あれこれと質問して両親や先生を少し困らせる 語られる話の内容はヒットラーの娘がいたとして 彼女はかくまわれてひっそりと育てられ、戦争が終わり 別人として生きる、というもの。児童文学なので 空爆の瞬間の文の調子もゆったりしている この本の最後、さて、ヒットラーにはむすめはいたのかいないのか。。 戦争の凄惨な描写が怖くてトラウマになっちゃう子っているので 少年少女が戦争について読むには優良な本だと思います。

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2015/04/09
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戦争が起きたとき、もしくは、“善悪”が問われるとき、社会の中で、自分はどう考え、行動したらいいのだろう? 子どもを通して、初めてその問題とぶちあたったとき、みんな答えをもっているのだろうか。 子どもにその答えを出すための手助けを出来るだろうか。 “ヒットラーのむすめ”という架空の人物は、独裁者のシンボルとして有名なヒットラーの、むすめという近くとも遠い視点から、善悪を考えさせる。 映画を見るような情景の広がる物語だった。

Posted byブクログ

2015/03/22
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 小学生の少女アンナが,スクールバスを待つ間の時間を利用して話し始める「ヒットラーのむすめ・ハイジ」の物語。友達マークたちに催促されて,話は展開していきます。もちろん,内容は作り話なんだけど…。  話を聞いている間に,マークは,現実の世界と物語とを行き来するようになってきます。「もし,自分の父親が人殺しだったら,自分は何ができるのか」「もし,みんなが間違ったことをやっていたら,自分一人でも反対できるのか」「ヒットラーの時代は特別だったのか?」「今の時代はどうなのだ」  読み進める内に,読者である私に対して「あなたは…本当に戦争を止めようと思って行動しているのか!」と問われている気分にもなってきます。  なんとも,複雑でおもしろい物語でした。  最後にも,思わせぶりな部分がありますので,お楽しみに…。  これ以上書くとネタバレになるので,やめておきます。

Posted byブクログ

2014/11/09

難しいかな、と敬遠していたけれど、思っていたよりもさくさくと読めた。 突き詰めて言えば「正しいこととは?」ということのおはなしかな。 いろいろなことについてちゃんと考えよう、と思える小説。

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2014/10/12

[ 内容 ] 雨がふりつづいていたある日、スクールバスを待つ間に、オーストラリアの少女アンナがはじめた「お話ゲーム」は、「ヒットラーのむすめ」の話だった…。 もし自分がヒットラーの子どもだったら、戦争を止められたのだろうか? もしいま、だれかがヒットラーと同じようなことをしようと...

[ 内容 ] 雨がふりつづいていたある日、スクールバスを待つ間に、オーストラリアの少女アンナがはじめた「お話ゲーム」は、「ヒットラーのむすめ」の話だった…。 もし自分がヒットラーの子どもだったら、戦争を止められたのだろうか? もしいま、だれかがヒットラーと同じようなことをしようとしていたら、しかもそれがぼくの父さんだったら、ぼくはどうするべきなのだろうか。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2014/10/01

簡単に書かれているけれど、内容は重い。 雨の日のスクールバスを待つ間の暇潰しとして、アンナが始めたお話ゲーム。その"お話"に徐々に引き込まれていくマーク。ヒットラーのむすめハイジの立場になり良いことと悪いことについて、戦争について考え始める。「もしお父さんが...

簡単に書かれているけれど、内容は重い。 雨の日のスクールバスを待つ間の暇潰しとして、アンナが始めたお話ゲーム。その"お話"に徐々に引き込まれていくマーク。ヒットラーのむすめハイジの立場になり良いことと悪いことについて、戦争について考え始める。「もしお父さんが悪いことをしていたら、やめてって言えるのか」「もし今ヒトラーが権力をもったとしたらお父さんやお母さんは抗議するのか」「良いことをしていると思ってる人に本当はそれが悪いことだとどうやったら気づけるのか」…… 10年位前に読んだときから古くならないこの本。というか今の日本にピッタリでしょ。

Posted byブクログ

2014/05/20

2014年10冊目。 図書館で、こちらも瞬間的なフィーリングで借りたけど、大正解。 ただお嬢さん用には難しかった。 オーストラリアの小学生が、お話ゴッコとしてヒットラーにむすめがいたら…という物語を物語るメタ要素のある話。 読み聞かせてみて面白いというから読み進めて行ったけど...

2014年10冊目。 図書館で、こちらも瞬間的なフィーリングで借りたけど、大正解。 ただお嬢さん用には難しかった。 オーストラリアの小学生が、お話ゴッコとしてヒットラーにむすめがいたら…という物語を物語るメタ要素のある話。 読み聞かせてみて面白いというから読み進めて行ったけど、5歳児にはさすがに登場人物やらが複雑すぎて分からなかったみたい。 最後は私ひとりで普通に読書。 小学校高学年くらいになったら、進めたいとすごく思った。 児童書は侮れません。

Posted byブクログ