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黄金旅風 の商品レビュー

3.7

24件のお客様レビュー

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2023/12/12

平左衛門の生き様が格好いい。 他の登場人物も味があって素敵だった。 少しずつ、でも確実に悪を追い詰めていく様子が心地いいなと思います。 無駄なセリフがなく、淡々と進んでいるようで、ちゃんと心情が伝わるのが不思議です。 時代小説は苦手なジャンルだけれど テンポよく読むことができ...

平左衛門の生き様が格好いい。 他の登場人物も味があって素敵だった。 少しずつ、でも確実に悪を追い詰めていく様子が心地いいなと思います。 無駄なセリフがなく、淡々と進んでいるようで、ちゃんと心情が伝わるのが不思議です。 時代小説は苦手なジャンルだけれど テンポよく読むことができました。

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2023/06/28

江戸時代初期に生きた長崎代官•末次平左衛門を中心に据えた物語。長崎奉行•竹中重義のフィリピン侵略計画を阻止しようとする平左衛門が竹中重義を追い詰めていく過程が物語の肝になっている。キリシタン弾圧を強烈に押し進めた竹中重義は、秀吉の軍師として名高い竹中半兵衛重治一族の後裔。この事件...

江戸時代初期に生きた長崎代官•末次平左衛門を中心に据えた物語。長崎奉行•竹中重義のフィリピン侵略計画を阻止しようとする平左衛門が竹中重義を追い詰めていく過程が物語の肝になっている。キリシタン弾圧を強烈に押し進めた竹中重義は、秀吉の軍師として名高い竹中半兵衛重治一族の後裔。この事件を契機に廃絶となる。 平左衛門は、飯嶋和一さんの描く主人公の典型で私利私欲の無い叡智の人。民衆の中にあり、長崎の町と人々を愛している。 平左衛門が直接暴き出したのは長崎奉行竹中重義の悪行だが、フィリピン侵略未遂事件の実行役だったのは島原藩主•松倉重政。重政の急死等もあって計画自体は頓挫する。しかし、跡を継いだ松倉勝家は幕府内での栄達を目論み、島原藩内で苛烈な収奪を続け、後の"島原天草一揆"を引き起こす。従って、この後の物語は「出星前夜」に詳しい。 …およそ三か月かけて飯嶋和一さんの歴史小説を読破した。(「汝ふたたび故郷へ帰れず」という現代物短編集は手に入っていない) どの作品も、歴史的事実を丹念に調べて書いてあり、素晴らしい経験ができた。歴史を題材に創作した作品は世間に溢れているが、ここまで事実という素材を膨らませて、あたかも『見てきたように描かれた作品』は稀有だ。 全作に通底するのは"名も無き民衆の魂の声"である。ぜひ多くの人に読んでほしい。

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2024/01/25

鎖国される前 徳川家光が実権を握ろうかという江戸時代初期 キリシタン弾圧がされる長崎で民を守ろうとする末次平蔵の息子、平左右衛門をメインに描いた時代小説。 いや~大長編。一度途中まで読んでモチベがなかった為積んであったんだけど、やっぱり一気に読んだ方が面白い。 金や名誉に囚われ...

鎖国される前 徳川家光が実権を握ろうかという江戸時代初期 キリシタン弾圧がされる長崎で民を守ろうとする末次平蔵の息子、平左右衛門をメインに描いた時代小説。 いや~大長編。一度途中まで読んでモチベがなかった為積んであったんだけど、やっぱり一気に読んだ方が面白い。 金や名誉に囚われず、南蛮人も物ともしない内町火消組惣頭 平尾才介が豪傑でかっこいい!浪漫だわ~ 史実と創作織り交ぜて書かれてるんですね。平尾才介も実在するのかと思った。南蛮人に喧嘩を仕掛けていくくだりを読んで、この作家さんで豪傑の武士の小説とか読んでみたいと思いました。

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2018/08/30

■08/02/08 黄金旅風 評価A 今年は、飯嶋氏の作品は全て読もうと思っている。 少しかったるいとの批評も聞くが、時代小説の好きな私としては、時代考証がしっかりしている氏の作品は好きだ。 江戸時代 秀忠から家光の頃、長崎に生きた町役?の物語である。 朱印船やポルトガル、オラン...

■08/02/08 黄金旅風 評価A 今年は、飯嶋氏の作品は全て読もうと思っている。 少しかったるいとの批評も聞くが、時代小説の好きな私としては、時代考証がしっかりしている氏の作品は好きだ。 江戸時代 秀忠から家光の頃、長崎に生きた町役?の物語である。 朱印船やポルトガル、オランダとの交易、キリスト教をめぐる歴史の流れが上手く描かれている。意外とあっさり脇役たちが死んでいってしまうのが、読者としては残念だが、やむをえないのであろう。 文庫を手元に取っておきたいAもしくはB+の作品である。

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2016/11/06

勝手に題名から想像したもののと違い、少しがっかりした。話も冗漫で、人物は魅力的ではあるのだが、今一生き生きとはしてない感じがした。 取り上げた時代が渋いところではあるのだが、地味な時代であるのは間違いないし、作者の意図が空回りしてる気もした。

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2011/09/26

相変わらず圧倒的な密度だ。江戸時代の長崎という舞台設定も魅力的。主人公の一人が早々に退場するのは残念だが、男の矜持を語らせたらこの人は最高だね。

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2010/12/18

2010.12.末次平蔵の船は高山国のオランダを攻めた.その後、日本とオランダとの関係は悪くなる.その平蔵が誰かに殺され、不肖の息子と言われていた平左衛門が跡を継ぐ.長崎の町は奉行に竹中重義が来てから締め付けがきつくなる.ルソンを制圧するため多くの不正を働いていたのだ.平左衛門は...

2010.12.末次平蔵の船は高山国のオランダを攻めた.その後、日本とオランダとの関係は悪くなる.その平蔵が誰かに殺され、不肖の息子と言われていた平左衛門が跡を継ぐ.長崎の町は奉行に竹中重義が来てから締め付けがきつくなる.ルソンを制圧するため多くの不正を働いていたのだ.平左衛門は、竹中の不正を幕府に訴え、竹中は死罪となる.なにしろ、長ーい.

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2010/09/30

時代は寛永五年(1628)から寛永十年(1633)、徳川の将軍が秀忠から家光の時代へと代わる鎖国前夜の長崎を舞台にした物語です。 南蛮貿易で財を成した末次家の総領息子、平左衛門は不肖の息子として実家から勘当されていた。 しかし父・平蔵が暗殺されたことにより長崎代官を継いだ平左衛...

時代は寛永五年(1628)から寛永十年(1633)、徳川の将軍が秀忠から家光の時代へと代わる鎖国前夜の長崎を舞台にした物語です。 南蛮貿易で財を成した末次家の総領息子、平左衛門は不肖の息子として実家から勘当されていた。 しかし父・平蔵が暗殺されたことにより長崎代官を継いだ平左衛門は父とは全く逆の行動をとり、人望を集めてゆく。 長崎のため。民のため。それだけを考えあらゆることにあたってゆく平左衛門。 やがて長崎奉行・竹中采女正重義が密貿易をし、呂宋(ルソン)侵略までを企てていることを知り、不正を上訴するという行動にでる。 大きなあらすじをいえば上記のようなものですが、これに外交問題、切支丹弾圧、幕閣の権力争いなどが絡み、またまたかなり骨太になっております。 しかしそのせいでエピソードが盛り込みすぎの感がありました。 登場人物も主役級の魅力的な男たちが多数登場したせいで逆に平左衛門が地味に映ってしまったり。 海に選ばれし男、末次船の船大将・濱田彌兵衛、平左衛門の幼馴染で長崎内町火消組惣頭・平尾才介、天才仏具鋳物師・平田真三郎などなど。 だけど読み終えてふと、これは人物が主役ではなく、長崎という街が主役であったのかと思いました。 誰もが皆、南蛮貿易に翳りの出てきた現状を憂え、行く末を心配しつつ、それでも長崎の為を想い行動していました。 教科書では一、二行程度の記述であったであろう長崎の当時の歴史がとてもよくわかりました。 なにより幕末の「開国か否か」のあたりばかり読んでいたので、当時このように自由に貿易できていたことに驚き、とても勉強になりました。 しかし飯嶋さんの作品は1ページあたりの活字の密度が濃いので普通の2.3倍時間がかかります。 それでも早く新刊が読みたいです。超寡作な作家さんですから次は一体いつになるやら??

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2010/05/29

黄金の風を受けて、大海原に船を進めよう 分厚い一冊です。 読み応えは十分。 将軍職が秀忠から家光へ変わろうとする時代。 長崎はこれまでとは違う風が吹きはじめようとしていた。 支配階層にとって自らの権威の及ばない民ほど厄介なものは存在しない。 常に海の向こうに視線を向けていた長崎...

黄金の風を受けて、大海原に船を進めよう 分厚い一冊です。 読み応えは十分。 将軍職が秀忠から家光へ変わろうとする時代。 長崎はこれまでとは違う風が吹きはじめようとしていた。 支配階層にとって自らの権威の及ばない民ほど厄介なものは存在しない。 常に海の向こうに視線を向けていた長崎の民は「日本」という国の形を強く意識し、行動していた為、徐々に目の上のたんこぶという存在となっていた。 やがて将軍家はじわじわと鎖国体制をとり始める。 「うつけ」とよばれた主人公は敏感に上層部の動きに気付き、その他の暗躍にも目を光らせるが・・・ 徳川時代は領民がなにも考えつかないように、なにも行動できないように過酷な体制を押し付けていたのから表面上は平和に見えていただけで、 水面下では不満が燻り続けていて、幕末の動乱は来るべくして訪れた転換期だったのかも。 だが微風に抑えられたとはいえ、長崎には常に海洋の風も吹いていた訳だし、表向きは見えずとも長崎の民たちにはきっと平左衛門たちの遺伝子が息づいていたんだろう。 ひとつ難をいえば細部に散りばめられたいい素材・エピソードを使いきれていない所がすごくもったいない! 全部使い切らないところがいいんだという意見もありそうですけど、わたしはもっと才助周辺の話を読みたかった(笑) 才助の形見の品を平左衛門が身に着けているという描写で二人のつながりを描いてくれているとは判るし、最後の黄金蝶の描き方にも二人の思いは感じるのですけどね。。。 飯嶋和一の作品はこれが初めてなので即断は危険ですが、ほかの作品の紹介文を見ていると「自尊心」や「熱のはけ口」を描きたい方なのかな、と感じました。

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2010/02/18

なかなか大変だった…。 達成感はあったけど…。 でも登場人物の主役と主役の友達は好き。 分からない着物や刀お単語とかも結構多く出てたけど そこはイチイチ調べてられないので空想にすることにした。

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