ペスト の商品レビュー
2024/03/18読了 #カミュ作品 アルジェリアを舞台に発生したペストの物語。 テーマだけに終始重い展開。 50年も前の作品だが、この度発生した新型コロナと 様相が非常にかぶるシーンが多くて驚いた。 感染症の状況も生々しいが、 それ以上にペスト環境下で非罹患者でさえも 希望...
2024/03/18読了 #カミュ作品 アルジェリアを舞台に発生したペストの物語。 テーマだけに終始重い展開。 50年も前の作品だが、この度発生した新型コロナと 様相が非常にかぶるシーンが多くて驚いた。 感染症の状況も生々しいが、 それ以上にペスト環境下で非罹患者でさえも 希望を失う絶望的さまが痛々しく描かれる。
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人間ではどうしようもできない圧倒的恐怖、それでも闘おうとする人間特有の強さ、世の中の無常を思い知らされた。
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アルジェリアのオランでペストが発生し町は封鎖される。その街の中の人々の生活や振る舞いが時系列に描かれている。コロナを経験した今、ドキュメンタリーのように読んだ。淡々と語り治療をする医師リウーは気力も体力もギリギリの状態で良く生き延びたと思う。感情が無くなる程過酷な状態の中で治療を続ける姿勢に胸を打たれた。待ち望んだペストの収束と門の解放。その喜びの中で戻ることの無い人を思うと悲しみを強く感じる。何も起きなかった頃のようには生きられないと認識できたことだけでも、読んだ甲斐があったな。
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とある港町に発生した疫病の進行と終息までを、実際に見届けてきた当事者が書き残すという体を取っている。 1匹の鼠の死骸から始まり、忽ちのうちに無味乾燥な町にペスト=死が蔓延していく様子、その中で人々がどのように生きようとしたかを努めて客観的に、注意深いまなざしで綴っていて、読み進める程に引き込まれていった。 少年の苦悶の死、夜のテラスでの会話、ショーウィンドウ前での老吏の涙、物語の最後の死者が見せた戦いなど、終盤胸がグッと詰まる場面が続いてたまらなかった。務めを果たさんと奮闘する人たちを美化せず描くところが良い
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医師リウーは、ある日鼠の死骸を発見する、その後、円済みは町から姿を消し、猫も同じ道筋を辿った。そのころから、人間には原因不明の熱病者が蔓延することになる。その正体はペストだった。見通しの立たない隔離生活と一方的な「不条理」を押してけられた人間達の行動と心情を描くフィクションであ...
医師リウーは、ある日鼠の死骸を発見する、その後、円済みは町から姿を消し、猫も同じ道筋を辿った。そのころから、人間には原因不明の熱病者が蔓延することになる。その正体はペストだった。見通しの立たない隔離生活と一方的な「不条理」を押してけられた人間達の行動と心情を描くフィクションである。 まず、驚いたのが新型コロナウイルスが流行したときの状況と似ている描写が多いことだ。あのとき、私はこれから社会の病気に対する意識や生活の変化にほんの少しだが、不安を覚えた。だが、その過程と結末は本書に書いてあったのだとすら思える。それくらい、似通っているエピソードを描いたカミュの洞察力と言語能力に感服する。 また、これらの能力を示す証拠として、オラン市や患者の状態が事細かに、あらゆる視点ら描写されていて、場面に対する解像度が高いと感じた。特に、会話をなくした状況説明はメリハリがあるため、理解しやすい。 また、リウーとその周辺では経過ごとの心情の移り変わりに人間の道徳心が表れている。個人的には、ランベールが幸福のために市外の妻の元に会いに行こうするが、リウーや町の姿を見て、自らもオランの人間であると考えを改めるところには少し感動した。幸福を選んでも後ろめたさから結局、完全な幸福にはなりきれないという考えからくるものだろう。リウーもランベールを止めようとせず、送りだそうとする心意気があって、自分の幸福を他人に預けようとする他人を思いやる気持ちがあった。不条理の中でも思いやりが生き残っているのは、打算がないように感じられる。 全体的な印象としては、正直読みにくい点が多い。段落や余白が少ないことと状況説明が淡々としているからだと思われる。しかし、本書のような状況は、コロナ以外にも今後起こるかもしれず、自分らしい行動とは何かを考えるきっかけにもなった。
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物語は簡単に言うなら、『ペストが流行した町に閉じ込められた人々の奮闘記』 ただ、『奮闘』するのはペスト退治だけではなくて、町からの脱出や、町の外との連絡手段など……闘うものがそれぞれ違う。 名前が似てるので、誰が何でなんだって??と分からなくなるキャラクターも。 主人...
物語は簡単に言うなら、『ペストが流行した町に閉じ込められた人々の奮闘記』 ただ、『奮闘』するのはペスト退治だけではなくて、町からの脱出や、町の外との連絡手段など……闘うものがそれぞれ違う。 名前が似てるので、誰が何でなんだって??と分からなくなるキャラクターも。 主人公は、医者のリウー……このキャラクターだけは、何とか追いかけたけど、他のキャラクターは誰が何で、どんな背景があったかを覚えてられない。 キャラは出てきては消えて、立ち替わり別のキャラが出てきて……時々、死んで……という感じだった。キャラクターごとの物語を覚えていられない。 ネコに唾を吐きかけたのは誰だっけ?名前は出て来てなかったっけ?とか、 自殺未遂したのは誰?罪を犯して、捕まる事に怯えてたのは誰? 市役所で働いてたのは??物語を書いていたのは? 記者だけは名前を覚えて、理解できた。 判事もいたような?門番は最初の方で消えていった? 神父は誰?演説後にどうなった? 何かが起こるケド、それが誰で、どんな背景なのかが追いかける事が出来ない。 出来事が起きて、何か難しい考えが綴られて……意味が理解できなくなった頃に、シーンが変わって、別のキャラクターが出てきて、また、何かが起きて……の繰り返し。 キャラクターの多さと、難しい考えの羅列が、『何の物語』なのかを忘れさせてくれる。 時々、思い出したように書かれている『ペストの町の様子』が『ペストの物語』だと教えてくれる。 看守も死刑囚と同じ扱いになった(感染リスクが高い)とか、すごく印象的だった。 ペストで人が死んでいくので、町を出ようとした人が撃ち殺されても問題にならないとか、食料が手に入りにくくなった。結局は裕福層の方がリスクが低い。etc. 今の状況と一致するのもあったりするのは、『今も昔も変わらない』なんだろうなぁと。とはいえ、ペストの話だけで物語が進むわけではない。 『その中で人が何を思ったか』が主軸で進む。そして、それが、意味不明の難しい言葉で綴られている。私には難しすぎて、何の物語だっけ??という混乱状態に陥る。 現代ならもっとわかりやすい訳が出てないかなーと思ったら、未だに昔の訳者の本しか出ていないらしく……。 新しい訳で出ていたら買ってみたい。というか、もっとわかりやすく訳して、なんなら言葉をむちゃくちゃ砕いてもいいし、子供向けでもいいから……と、思った。
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名作と誉高い本作だけど、かなり難儀して読んだ。特に導入部が持って回った表現で辛かった。ドイツ占領下のパリの戦争体験から、という思い込みで読んでたけど、そこまで関連は感じず、アレアレっと思いながら読み終わってしまった。いつか再読しよう。
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1940年代、アルジェリアの港湾都市・オランでペストが流行、死者が続出し、町が封鎖される中で、必死に戦う医師とその仲間たち、市民の姿を描いた作品。ドキュメンタリー風に描かれているが、フィクションであり、ペストを題材に「不条理」と直面する人間の様子を様々な角度から深く切り込んだ文学...
1940年代、アルジェリアの港湾都市・オランでペストが流行、死者が続出し、町が封鎖される中で、必死に戦う医師とその仲間たち、市民の姿を描いた作品。ドキュメンタリー風に描かれているが、フィクションであり、ペストを題材に「不条理」と直面する人間の様子を様々な角度から深く切り込んだ文学作品である。 ペスト蔓延によって人々が味わう「不条理」は、果敢に挑む医師・リウーによる記述の中に表されているが、タルーという人物が書く「手帳」の中にも表現されている。 タルーは、次席検事の父親が人に極刑を与える姿を見て「不条理」に目覚めていたが、それと人々を死に追いやるペストとをダブらせる。 リウーと親しくなる新聞記者ランベールは恋人と会うため出国だけを考えていたが、リウーの妻も遠く離れた療養所にいると知り「不条理」を飲み込む。 厳格な秩序の信奉者だったオトン判事が、愛児がペストで死に家族愛に目覚めるのも「不条理」への順応の表現だ。 ペストで市民が懊悩と混乱を呈する中、逮捕の恐怖で孤立していた犯罪者コタールが、皆、同じ境遇になったと満足し、ペストを是認する過程も奥の深い「不条理」表現だ。 極めて難解な本だったが、以上については、かろうじて理解できた気がする。
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壮絶な物語だった。 タルーの手帳の内容が頻繁に出るからタルー自身が提供したのかと思っていたけど、そうか...やっぱり逃れられなかったのか。 オトン氏もそうだけど、終息間近に罹患して死亡するの悔しいよね..血清だってできたのに。 グランのように生還して欲しかった。 脱走することばかり考えていたランベールやペストに対して他人事のような振る舞いをしていたパヌルー神父の考えが大きく変わるのは心が揺さぶられますね。 リウーはこの地獄の日々を生き抜いたけど、タルーや最愛の妻を喪っていて、胸がギュッとしてしまう
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某YouTuberがレビューをしていて気になって購入した一冊 何気ない日常に唐突にやってきて、あっという間に街中の全ての日常を変えていった"ペスト"という病気の中で、現状において①絶望するのか②歓喜するのか③理由付けするのか(陰謀論?)④自分ができることを少...
某YouTuberがレビューをしていて気になって購入した一冊 何気ない日常に唐突にやってきて、あっという間に街中の全ての日常を変えていった"ペスト"という病気の中で、現状において①絶望するのか②歓喜するのか③理由付けするのか(陰謀論?)④自分ができることを少しずつでも行っていくのかという内容 今回"コロナ"という病気が世界的に流行った中においても、大きくこの4つに分かれたのではないかなと思う それ以外にも普段の生活においても、唐突に今まで送っていた環境がガラリと変わることはしょっちゅう起きうることなのだと、その時に自分は上の4つのどれに当てはまるのだろうと想像してみる
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