カラマーゾフの兄弟(中) の商品レビュー
ゾシマ神父のエピソードが好き。「神秘的な客」と「腐臭」が。 そことは関係ないけど、やたら出てくる「卑劣漢」って言葉が読んでて気になる。翻訳語っぽくて。
Posted by
古い悲しみは人の世の偉大な神秘によって、しだいに静かな感動の喜びに変わってゆく。沸きたつ若い血潮に代わって、柔和な澄みきった老年が訪れる。わたしは今も毎日の日の出を祝福しているし、わたしの心は前と同じように朝日に歌いかけてはいるが、それでも今ではもう、むしろ夕日を、夕日の長い斜光...
古い悲しみは人の世の偉大な神秘によって、しだいに静かな感動の喜びに変わってゆく。沸きたつ若い血潮に代わって、柔和な澄みきった老年が訪れる。わたしは今も毎日の日の出を祝福しているし、わたしの心は前と同じように朝日に歌いかけてはいるが、それでも今ではもう、むしろ夕日を、夕日の長い斜光を愛し、その斜光とともに、長い祝福された人生の中の、静かな和やかな感動的な思い出を、なつかしい人々の面影を愛している。わたしの人生は終わりかけている。そのことは自分でも知っているし、その気配もきこえているのだが、残された一日ごとに、地上の自分の生活がもはや新しい、限りない、未知の、だが間近に迫った生活と触れ合おうとしているのを感じ、その予感のために魂は歓喜にふるえ、知性はかがやき、心は喜びに泣いているのだ。(p.76) 今はあらゆる人間が自分の個性をもっとも際立たせようと志し、自分自身の内に人生の充実を味わおうと望んでいるからです。ところが実際には、そうしたいっさいの努力から生ずるのは、人生の充実の代わりに、完全な自殺にすぎません。それというのも、自己の存在規定を完全なものにする代わりに、完全な孤立におちこんでしまうからなのです。個人の特質の真の保障は、孤立した各個人の努力にではなく、人類の全体的統一の内にあるのだということを、今やいたるところで人間の知性はせせら笑って、理解すまいとしています。しかし今に必ず、この恐ろしい孤立にも終わりがきて、人間が一人ひとりばらばらになっているのがいかに不自然であるかを、だれもがいっせいに理解するようになりますよ。(p.104)
Posted by
中巻も読みました。ちょっとミステリー風。登場人物が死ぬと人数が減るので読みやすくなってくるというわけでは無かったです。
Posted by
大審問の謎凄い挑戦です。 さー皆さんも三つの問いを考え出して。文章にまとめてくれ、そして三つの力の正当性を論破してくだされw
Posted by
「おぼえておいてくれたまえ。君のところへ二度も来たってことをね。いいかい、おぼえておいてくれたまえ!」ゾシマ長老のエピソード、ガラリアのカナのシーンが大好き。
Posted by
世界の文豪ということで、身構えてしまいがちだが、実際はロシア版渡る世間は鬼ばかり(観た事ないけどなんとなく)。文豪の預かり知らぬところで、お笑い爆弾が至る所でセットされている。はなしに出てくる奴が、片っ端からひとくせもふたくせもあり、何かにつけ他人の足をひっぱろうとする。ガチでお...
世界の文豪ということで、身構えてしまいがちだが、実際はロシア版渡る世間は鬼ばかり(観た事ないけどなんとなく)。文豪の預かり知らぬところで、お笑い爆弾が至る所でセットされている。はなしに出てくる奴が、片っ端からひとくせもふたくせもあり、何かにつけ他人の足をひっぱろうとする。ガチでおまえが悪い、お前の方が悪いと垢抜けない会話のループがそこらじゅう。この作品のテーマとか、そんな小難しいことは抜きにして、ギャグ作品として愉しむのも乙。ドストエフスキー、冗談きついわーとさりげなくつぶやいてしまう。
Posted by
展開が遅くて、名前が覚えにくく、時代背景、宗教観などが掴めなくて、なかなか物語に入っていけません。ゆっくり読んでもわからないので、気にせずスラスラと先に進んでいったいいかも知れません。
Posted by
未完の名作。現代の預言書らしいです。アリョーシャの青年時代が描かれてます。イワンとアリョーシャの議論のくだりは面白いですよ
Posted by
怒涛の中巻。長老の兄のエピソードとか、ほんといちいち心打たれます。後半は、嗚呼ミーチャ!と思っているうちに一気読みしてしまうことうけあい。ほんとにほぼ一晩で読んだ・・。
Posted by