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イノセンス創作ノート の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p97 制約を逆手に取ることこそ演出の王道であり、近未来とかSFとか、要するに仮構性の強い世界をリアルに描くためには破綻を未然に防ぐことが最重要課題であるという鉄則に従ったからなのです。 p132  実に彼ら(私ら)だけが アニメという方法論の特異性ゆえに 映画制作上の物質的制約を離れた地平で、企画を練り、実作の過程での試行錯誤を経て、頭蓋の中に宿るイメージを映像に移し変える修練を重ねてこられたからである(紙の上で、だが)。 p164  世の中はまだ雑然としていて、そのぶんだけおおらかで、他人のカラダに対してもおおらかだったように思います。 p187 社会組織や文化は人間にとって膨大な記憶システムに他ならないし、都市は巨大な外部記憶装置であるということになります。 p200-201 「目玉の代わりにテレビカメラだと思って見なさい」 p205 ジャーナリズムの報道もそうだけど、唯一客観的な真実があると、どこかでみんな思っているわけですね。公平、客観、中立な事実があると。 p209 どれがいいんだという話になったときに、みんなためらわずに、やっぱり知るってことは早ければ早いほどいいんだってことで、全部リアルタイムを選択していった結果としてですね、地球が丸ごと同じ二十四時間になっちゃったっていうか。 面白かったです。 ライトなファンながらも面倒くさそうな人だなと思いつつ、言っていることの精度の高さに、映画の出来同様に納得させられる。大事だけど面倒で長ったらしい話になるのは割と仕方なく、どこか講義のような感じで読む。 鈴木敏夫との対談で、自然と不在の宮崎駿の話になるの無茶苦茶好き。

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2019/07/19

 イノセンスを知るためのエッセンスが書かれている。ロケハンの話が面白い。押井守は映画を作るのに様々なことを考えていることが分かる。  GRMの話では、甲冑に対する熱い想いが込められていて、アニメの便利なところを通して実写を作りたいというとてつもない話が書かれている。ハリウッドに対...

 イノセンスを知るためのエッセンスが書かれている。ロケハンの話が面白い。押井守は映画を作るのに様々なことを考えていることが分かる。  GRMの話では、甲冑に対する熱い想いが込められていて、アニメの便利なところを通して実写を作りたいというとてつもない話が書かれている。ハリウッドに対抗できる映画を、日本の監督が撮るなんて最高だ。いつか実現してほしい。アメリカを真似する映画ばかりでは品がない。  イノセンスは、ストーリーはそこまで難しくないが、情報量が多すぎて何を伝えたいのかが分かりにくい作品ではある。この本を読んで、押井守が思う身体や人形や建築のことが分かると、イノセンスも分かるようになるだろう。

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2018/10/28

【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

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2016/07/15

押井の旅ノート……決して本腰を入れて書かれた文章ではない。 本の構成自体も不格好だし。 しかし語られていることは、あらためて目を見張ることが多い。 特に感心したのは。 ・人形や身体については当然のこととして。 ・風景を近景、中景、遠景にわけ、それに映画の三要素キャラク...

押井の旅ノート……決して本腰を入れて書かれた文章ではない。 本の構成自体も不格好だし。 しかし語られていることは、あらためて目を見張ることが多い。 特に感心したのは。 ・人形や身体については当然のこととして。 ・風景を近景、中景、遠景にわけ、それに映画の三要素キャラクター、世界観、物語を振り分ける。 ・すでに誰もがサイボーグで、建築や都市を身体の延長とみなす。 宣伝本としての機能も果たし、しっかりした内容もある。

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2009/10/04

押井さんって…むずかしいこと考えてるんですね…とても面白い考え方だと思うし、哲学書を読むような充実感もあり、はたまた「ハリウッドとの映画的戦争に勝つにはこうするべき」という意見には激しく賛同するところです。しかし、いかんせんこれを映画でやるのは難しすぎる(泪)っていうかエンターテ...

押井さんって…むずかしいこと考えてるんですね…とても面白い考え方だと思うし、哲学書を読むような充実感もあり、はたまた「ハリウッドとの映画的戦争に勝つにはこうするべき」という意見には激しく賛同するところです。しかし、いかんせんこれを映画でやるのは難しすぎる(泪)っていうかエンターティメントにどうやって変換するのか…そういう考え方こそが押井監督の一番憎むものだとは思いますが。映画の一般人の評価が概ね「つまらない」「わからない」というのを考えると、いろんなことに行き詰まりますね…しかし日本人というのは「考える」ということにおいて人類を牽引しているのだはないかと思ってしまったりするわけです。だから戦争に勝てないのか、な?

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2009/10/04

「人間を語る言葉を考えると、部分を描写する語彙はやたら豊富であるのに、 その全体のイメージを語る言葉は恐ろしく少なく、そして概ね類型だったり 抽象的だったりするのは、これは明らかな根拠なり理由なりがあるに違いあ りません。具体的な人間はもちろん部分集合などであるわけがなく、常に総...

「人間を語る言葉を考えると、部分を描写する語彙はやたら豊富であるのに、 その全体のイメージを語る言葉は恐ろしく少なく、そして概ね類型だったり 抽象的だったりするのは、これは明らかな根拠なり理由なりがあるに違いあ りません。具体的な人間はもちろん部分集合などであるわけがなく、常に総 体として存在するのに、僕らの文化はそれを直接に語る言葉を持たなかった ―つまり必要としなかった、その最大の理由は何でしょうか。 それは、人間の身体を語ろうとする主体それ自身が先験的存在であり、自覚 的に存在し得ないからなのです。つまり自分の身体を含む自己認識がきわめ て曖昧であり、それゆえに他者を含む世界認識はさらにデタラメだからだ。 身体というものは誰にとっても、それこそ「幻影の身体」であり、「陰影と してのみ存在する身体」であり、語ることが可能なのは常にその細部(ディ ティール)だけなのだということになります。」

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2009/10/04

 僕たちの身体は喪失しつつある…と押井守が言ってた。  そもそも身体の喪失というのは、身体に広がる感覚が退化していってるのではないか?ということです。  以前哲子の部屋を見ていたときに、大山のぶ代が、最近の人は歩いてて他の人とよくぶつかる。昔はどんなに人が歩いていてもぶつから...

 僕たちの身体は喪失しつつある…と押井守が言ってた。  そもそも身体の喪失というのは、身体に広がる感覚が退化していってるのではないか?ということです。  以前哲子の部屋を見ていたときに、大山のぶ代が、最近の人は歩いてて他の人とよくぶつかる。昔はどんなに人が歩いていてもぶつからないのが粋だった…みたいな事を言っていたが、まさにこれは身体の喪失だと思う。今の人は自分の身体をうまく扱えなくなっているんじゃないかということです。(もちろん僕も含めて)  そのかわり感覚は、無限に広がっている。  “個体が作り上げたものもまた、その個体同様に遺伝子の表現系である”イノセンスに出てくる言葉ですが、これはそんな事を表しています。感覚は身体をこえて、人間が使う道具にまで広がっているのです。  そして都市でさえも、それは人間の身体の一つである。そう押井守は言います。  “皮膚とは延長された脳だ。唯一他人にさわれる脳がここなのだ。そして水は皮膚を遮断するのではない、限りなく延長する。”赤坂真理『ヴァイブレータ』  身体が限りなく延長される感覚がそこにある一方、自分の身体に対する感覚が薄くなる。  まさに押井守監督が『イノセンス』『攻殻機動隊』『アヴァロン』で取り上げたSFのサイバーパンクがその代表格ではないでしょうか。インターネットに直接脳(電脳)からつながる事によって自分という存在が無限に広がる感覚を持つ。  そして押守守監督は身体を喪失することはしかたがないといいます。身体を失ったら失ったなりの生き方があると。

Posted byブクログ