袋小路の男 の商品レビュー
完全に感情で読んでしまいましたので、冷静な分析など不可能ですからね。あしからず。−指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。 恋人でも友人でもない関係を描いた表題作−−−ですから。出会ってから10年がたつあの人と私の関係に重ねずして読めましょうか。冒頭のエピソードなど、...
完全に感情で読んでしまいましたので、冷静な分析など不可能ですからね。あしからず。−指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。 恋人でも友人でもない関係を描いた表題作−−−ですから。出会ってから10年がたつあの人と私の関係に重ねずして読めましょうか。冒頭のエピソードなど、あの日のことを見てきたかのようにそっくり似ていてびっくりです。でも、当然のことながら物語は物語で私たちのことではないわけで。私は、主人公のように素直に気持ちを伝え続けることができなかったし、傷つくことをおそれて好きでいることをやめてしまったのです。それともあの人がこの本の男のように“袋小路”で誰からも認められず生きているならば、私の気持ちもちょっとは影響力を持ったのかもしれないのかなあ。
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高校生から1度も報われなくても一人の男=小田切孝を想い続けた20年を女性日向子の視点から綴った表題作。これだけだとただのストーカー女になってしまいますが、続いて「小田切孝の言い分」で2人の関係性が少しずれて見えてくるのが面白い。日向子から見た小田切孝は完璧な理想の男で、だから日向...
高校生から1度も報われなくても一人の男=小田切孝を想い続けた20年を女性日向子の視点から綴った表題作。これだけだとただのストーカー女になってしまいますが、続いて「小田切孝の言い分」で2人の関係性が少しずれて見えてくるのが面白い。日向子から見た小田切孝は完璧な理想の男で、だから日向子はいいように振り回されているように感じているんだけど、現実の小田切孝は30歳過ぎた小説家希望の冴えないフリーター、日向子は大手企業に勤めるキャリアウーマンで、彼女が彼になぜまとわりつくのか皆不思議に思っている。友達でも恋人でもないけど、お互いになくてはならない人だと思っていることが2作読んでよくわかった。既存の小説とかにはあまり登場しない、なんとも言葉にしにくい2人の関係だけど、現実にこういう枠に捉えきれないけど相互に依存しあっているカップルって結構いるんじゃないかと思いました。
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なんだろう。不思議な感じ。でもどんどん読めて、私は好きな話だった。というか、この二人が好きなのかな?もう一回読みたい。 ☆☆☆☆
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変っていて面白い。淡々とした物語だけど、先が気になり夢中になって読んだ。他の作品も読んでみたいです。
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本編よりも「アーリオ オーリオ」の素晴らしさにノックアウト。登場人物の関係性も物語上の伏線の回収の仕方も美しい短編。気持ちいいなぁ。
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指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。 そうだよなぁって共感できるところがいっぱいで、読んでいて涙ばかり出た。日向子の気持ちだけでなくて、小田切の言い分もなーんかわかる。袋小路を見るたびにこの本を思い出す。
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行き帰りの電車の中だけでさらっと読めた。 小田切孝が絡む「袋小路の男」は、純愛ということだったけどあたしには純愛がなんだかわかんなかったですね。純愛なのか…。 でも、距離感がすごい好きだと思った。 「アーリオ オーリオ」は良さがわくわかんなかったな。
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淡々とした文章だけど、とても深いものを感じさせる作品。なんだかとっても共感してしまうのは、わたしも袋小路な恋をついしてしまうからだろうか。
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袋小路(行き止まり)の家に住む「あなた」にハマった「私」の話。 3篇収録されています。但し2は1の続き。1,2話と3話を比べてみると趣が全く違うのですが、根底に流れているものは同じような気がする。何かが決定的に失われている人たち、という点で。
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11/28購入、11/30読了。 いや〜、いいですね。三作入っているのですが、どれも良い感じです。1作目を読んだ後に2作目を読むとイメージががらっと変わって面白いです。1作目は神秘的な感じなのに、2作目を読むと妙に生々しい感じ。 2作目を読むと作者の恋愛感が良くわかるような。
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