袋小路の男 の商品レビュー
第三十回川端康成賞とのことで手に取ってみました。 字数も少なく160ページ程度なのでサラッと読めてしまいます。 小田切と、日向子の関係にもやもやし、何となく文体もあまり好みではないかなぁと思いながら読んでいましたが、読み終えて意外に好きだったかも、と思えたような不思議な作品でした...
第三十回川端康成賞とのことで手に取ってみました。 字数も少なく160ページ程度なのでサラッと読めてしまいます。 小田切と、日向子の関係にもやもやし、何となく文体もあまり好みではないかなぁと思いながら読んでいましたが、読み終えて意外に好きだったかも、と思えたような不思議な作品でした。 「アーリオ オーリオ」好きでした。 「三光日」って表現が可愛かった。 何年かあとの哲と美由の話を読んでみたいな。 あるのかな。
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距離感の物語か、これは。とにかく、自分が日向子の立場なら耐えられん。アーリオオーリオだけでよかったな。
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この文体結構好きだな。俺もサプライズがない平穏な毎日が送りたいだけなんだ。少し村上春樹の雰囲気を感じた。事件はおこらないんだけど。
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最初の話だけだと、どうにもならない相手を思い続けるどうしようもない自分。でもそうするしかないんだ。みたいな、下手したらちょっとイタい女の話かとも思われかねないけれど、次の話があることで純愛感が出てくるというか。2人はきっとずっとこのままなんだろうけれど、それが正解なんだなと納得できました。 3作品とも、穏やかでじんわりとしみる作品でした。
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日向子が袋小路の男にずっと惹かれ続け、叶いもしない気持ちをずっと持ち続け、誰かと付き合うことを浮気と呼ぶ。袋小路の男・小田切はそんな日向子に触れもしない。最後はきっと男女の関係になるのだろうと思って期待する気持ちは見事に裏切られた。もどかしい。 アーリオオーリオは綺麗なお話だった。中学生と手紙の交換…無邪気で危なっかしい感じが伝わってくるし、可愛いと思った。
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「袋小路の男」絲山秋子著、講談社、2004.10.29 166p ¥1,365 C0093 (2022.06.01読了)(2006.07.09購入)(2006.01.26/10刷) 三つの短編が収録されています。「袋小路の男」と「小田切孝の言い分」は、登場人物が一緒なので、合わせ...
「袋小路の男」絲山秋子著、講談社、2004.10.29 166p ¥1,365 C0093 (2022.06.01読了)(2006.07.09購入)(2006.01.26/10刷) 三つの短編が収録されています。「袋小路の男」と「小田切孝の言い分」は、登場人物が一緒なので、合わせて一つの作品といいのかな、と思います。 男女で在っても、人間と人間として色んな関係がありうるのかなと思います。だから、小田切孝さんと大谷日向子さんのような関係もありうるのかなと思います。 「アーリオ オーリオ」を読むと、作家の方は色んな事を調べながら書くんだろうな、と思います。プラネタリウムとか天体のこと、清掃工場のこと、若者のこと、など。 三つの作品の中では、「アーリオ オーリオ」が一番興味深く読めました。 【目次】 袋小路の男 小田切孝の言い分 アーリオ オーリオ (アマゾンより) 大型新人作家による話題の川端康成賞受賞作。 高校時代に出逢った「あなた」とは指一本触れないままの12年間、袋小路に住む男にひたすら片思いを続ける女を描き、選考委員に絶讃された究極の「純愛小説」。
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高1の大谷日向子は袋小路に住んでいる高2の小田切孝にぞっこん。袋小路の男は、成績優秀、彼女もいるのに、ソープランドに行ってばかり。そんな男に思いを告白。下着が増えた。小田切と会うたびに新しい下着をつける習慣がやめられない。決して見られることなどないのだが。腋と足のうぶ毛を剃る。私に色気がなかったのか。18年間、何もなかった。絲山秋子「袋小路の男」、2004.10発行。
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純文学というのは正直体質に合わないのですが、たまに妙に心地よく読めてしまう人がいます。最近発見したのですが絲山秋子さんはその一人です。そもそも芥川賞取っているので発見もへったくれもないのですが、僕的には発見。 本作は、一人の男と18年身体的接触が無いまま執着ともいえる関係を続ける...
純文学というのは正直体質に合わないのですが、たまに妙に心地よく読めてしまう人がいます。最近発見したのですが絲山秋子さんはその一人です。そもそも芥川賞取っているので発見もへったくれもないのですが、僕的には発見。 本作は、一人の男と18年身体的接触が無いまま執着ともいえる関係を続ける女と、プライドを保つために、自分に執着する女を縛り付けておくために、細い希望をちらちらと見せる作家志望の男。 表題作は女が出会いから10数年執着し続ける姿を描き、2話目は男と女がどう思いながら18年を過ごしていたかの対比です。こういうの結構イライラする性格なのですが、すっと水を飲むかのように受け入れられました。なんでだかは難しいので分かりません。性的な接触が無くてもつながっていられるという所が受け入れられたのかも。 3作目のアーリオオーリオが一番好きでした。世間的にはうだつが上がらない叔父と、叔父を慕う姪との手紙のやり取りが可愛い話です。姪のほんのりとした恋心を感じてしまうのは僕だけでしょうか?
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宮下奈都さんのエッセイで、絲山作品が好きと書いてあってうれしかった。マイベストはその時々で変わるけれど、本作が今のベスト作品と書いてあって、しかも未読だったので読んだ。 それぞれの不器用なありようがなんともせつない。切り取り方(終わり方)が潔くって、自分が置いてけぼりにされたよう...
宮下奈都さんのエッセイで、絲山作品が好きと書いてあってうれしかった。マイベストはその時々で変わるけれど、本作が今のベスト作品と書いてあって、しかも未読だったので読んだ。 それぞれの不器用なありようがなんともせつない。切り取り方(終わり方)が潔くって、自分が置いてけぼりにされたようで、後を引くなぁ。
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表題作のなんとも言えない、けどなんだか皮膚で分かってしまいそうな感覚。なんなんだろう。 一番好きなのは、最後の一遍。 この距離感がいい。終わり方がいい。
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