袋小路の男 の商品レビュー
こういう付かず離れずな男女の関係って、あるんだろうな。うーん、羨ましいような、羨ましくないような。 自立した女性が、歳を重ねても心のどこかに引っかかってしまう自称作家の男。 そんな二人の奇妙な関係を、女目線・男目線からを描いた中編2編と、叔父と姪のファンタジックな手紙のやり取り...
こういう付かず離れずな男女の関係って、あるんだろうな。うーん、羨ましいような、羨ましくないような。 自立した女性が、歳を重ねても心のどこかに引っかかってしまう自称作家の男。 そんな二人の奇妙な関係を、女目線・男目線からを描いた中編2編と、叔父と姪のファンタジックな手紙のやり取りを描いた1編が収められています。 男と女が仲良くなって、突き詰めれば恋人になってやがて夫婦になるっていうのが一つの定形だと思うんですが、それ以外でずっと続く男女の関係って、何て呼ぶんでしょうね? 単純に仲がいいとかじゃなく、セクシャルな予感もはらんでて、でも付き合ってるわけじゃない、お遊びってほど軽くもない関係性って、うーん、私にはわかんないなー。 “大事な気持ちがいつも、二人の間で子供のように遊んでいる。ぴったりくっついて窒息させてはいけない。” このセンテンスがめちゃくちゃ印象に残りました。 子供のように気持ちを遊ばせるって、なんか奔放な表現でいいなあ。 自分にはできない生き方や感性を表現した文って、すごく心惹かれます。
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なんで興味を持ったか忘れてしまったけれど、読んでみた。 三編の短編集。二編は連作。 表題作は題名が秀逸。 二編目で、双方の気持ちが見えて、お相子な関係だと分かる。こういう関係はどうしようもない。 まさに袋小路。 本人達にもどうしようもないのだろうな。 ここまでのことはなくても、...
なんで興味を持ったか忘れてしまったけれど、読んでみた。 三編の短編集。二編は連作。 表題作は題名が秀逸。 二編目で、双方の気持ちが見えて、お相子な関係だと分かる。こういう関係はどうしようもない。 まさに袋小路。 本人達にもどうしようもないのだろうな。 ここまでのことはなくても、男女関係恋愛には、どこかにこういう面がある。 そういうところ、痛かった。 反面、後の1編はなんだか、可愛らしかった。
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『袋小路の男』『小田切孝の言い分』 なーんだ。ハッピーエンドじゃん‼︎って。 ホッとするアタクシ‼︎ 彼女が小田切に惹かれる。わかるぅ〜アタシ‼︎ 〜あなたに会うかもしれないことは会えないことよりも怖かったのかもしれない。〜 小田切の言い分… 〜黙って裏切るのはいつもあいつの方じゃないか。〜 『アーリオ オーリオ』 お星さまと文通かしらん。 そ、して。作ろ‼︎
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若い頃なら、こんな恋愛もできたかもしれない。 でも、自分の思いを貫くことって難しい。 それがほんとに幸せなのかどうか考え始めたら、未来を見ることなどやめてしまったほうがいい、という結論に至ってしまう。 こんなに人を振り回して平気な人と、振り回されても離れない人がガッチリ組み合った...
若い頃なら、こんな恋愛もできたかもしれない。 でも、自分の思いを貫くことって難しい。 それがほんとに幸せなのかどうか考え始めたら、未来を見ることなどやめてしまったほうがいい、という結論に至ってしまう。 こんなに人を振り回して平気な人と、振り回されても離れない人がガッチリ組み合ったからこその関係。 大抵どちらかが疲れて諦めてしまう。
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絲山秋子の著作は初めて読んだ。 静かで動きが少なくて、センチメンタルで丁寧な内容だった。好み。他のも読んでみよう
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BUNDANcafeにて初めて手にしたこの本 一度は経験したことのある、異性に対するもどかしさを丁寧な描写で表現されている 優しい小説だったので、他の作品もまた読んでみよう
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指一本触れたことがない男に18年間の片思い。 純愛物?いえいえ、そんなきれいなもんじゃない。 「袋小路の男」は自己憐憫に満ちた女の一人語りで、 都合良くロマンティックに仕立てられた12年が綴られる。 「小田切孝の言い分」は三人称語りで、 18年間の男と女それぞれの本当の気持ちが...
指一本触れたことがない男に18年間の片思い。 純愛物?いえいえ、そんなきれいなもんじゃない。 「袋小路の男」は自己憐憫に満ちた女の一人語りで、 都合良くロマンティックに仕立てられた12年が綴られる。 「小田切孝の言い分」は三人称語りで、 18年間の男と女それぞれの本当の気持ちがあらわにされる。 男は女に興味はないが、自分を特別扱いしてくれる その恋心を手放すのが惜しくて、中途半端に女の気を惹く。 仕事も何もかも宙ぶらりんの男のプライドを保つのは、この女の存在だけである。 女は完全に男の術中にはまり、新しい恋愛に踏み込めない体であるが、 実のところ、終焉のない、このぬるま湯の関係が心地よいのだろう。 ラストで、あぁ完全にドツボに嵌ったなと思った。 仕掛けられた罠が、カチッと音をたてて獲物を捕らえた音が聞こえた。 体を弄ぶよりより、心を弄ぶ方が罪深いのかもしれない。
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表題作と「小田切孝の言い分」は合わせ鏡である。 一人称で淡々と描かれる「袋小路の男」 男が自分勝手にふるまう理由なんてわからない。 自分に興味がないのかと思えば、彼が出来た時だけは頻繁に電話をよこす。 待ち合わせても平気ですっぽかす。 男の気持はわからない。 でも、私は男を追い...
表題作と「小田切孝の言い分」は合わせ鏡である。 一人称で淡々と描かれる「袋小路の男」 男が自分勝手にふるまう理由なんてわからない。 自分に興味がないのかと思えば、彼が出来た時だけは頻繁に電話をよこす。 待ち合わせても平気ですっぽかす。 男の気持はわからない。 でも、私は男を追い詰めないように距離を取りながら、少しずつ居場所を作っていく。 それに対して「小田切孝の言い分」とくれば、男の側からの一人称かと思いきや、交互に語られる同じ時間。 小田切孝は決して大谷日向子の心をもてあそんでいるわけではないのである。 決して恋愛感情があるわけではないけれど、それなりに気を使って大切にもしている。 ただ、束縛されたくはない。 そういう気持ちはわかる。 けど、30過ぎても就職もしないで作家になる夢を追い、アルバイトをしながら袋小路にある家に母親と住む男。 そんな男のことを、普通女性の方から見切りをつけるのではないだろうか。 しかし彼女は、熱く男を求めない代わりに長く思い続けるのである。 熱く求めなかったからこそ、長く思い続けていられたともいえる。 それはある意味確信的に選択された行為であり、臆病であるとも強かであるともいえる。 けれども文体はあくまでも穏やかで、少しだけ温かな気持ちで二人のこれからを思うことができる。 それとは違い「アーリオ オーリオ」は、中学生の姪と独身の叔父の交流を書いたもの。 一緒にプラネタリウムに行ったことから、叔父に心を開き、将来の夢などを手紙で綴る姪。 それに対して人付き合いの苦手な叔父は、星のことしか返事に書かない。 それでもつながるふたりの心。 親ではない大人に、自分を認めてもらう誇らしさ、喜び。 姪の気持になってそんなものを感じながら読んでいたら、突然下ろされる幕。 娘の受験の邪魔はしないでくれという父の言葉によって。 叔父と姪のあいだにだけ存在していた星。アーリオ オーリオ。 恋愛じゃないんだけど、喪失の切なさが心にしみた一編。 これ、好きだわ。
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<袋小路の男>指一本触れないまま「あなた」を思い続けた12年間-。<アーリオ オーリオ>現代の純愛小説-。初めての絲山(itoyama)san。どちらも男女の絶妙な距離感が描かれていました。読むたびに距離感が変わりそうです。【第30回川端康成文学賞 2005年本屋大賞4位】
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表題作には、どうも入り込めませんでした。小田切は、綾野剛さんのイメージかなあ。どちらかというと、アーリオ・オーリオの方が好きな作品でした。主人公と姪っ子の何だか微妙な感じが心地よかったです。
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