グラスホッパー の商品レビュー
鈴木、蝉、鯨の3人の視点で描かれている。(蝉と鯨はコードネーム)殺し屋業界が舞台で穏やかではないお話。ユーモアが散りばめられている感じと、最後に謎が一気に解ける感じがたまらない。これぞ伊坂ワールド◎ただ今回は完全にすっきりした感じではない。続編であるマリアビートルに期待!
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殺し屋たちが交わって行くアンダーグラウンドの世界。 暴力的な殺しをする男たちと彼らの雇い主、そして復讐の為にそんな世界に足を踏み入れた主人公の鈴木の距離がどんどん近くなって行く過程が面白い。
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バイキングのエピソードが、なんかすごく好き。 くだらなくて笑っちゃうようなことが、たまらなく切ない。
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殺された妻の復讐をしようと危ない組織に潜入した男性と三人の殺し屋の話がテンポよく進んでいき、面白かったです。
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トノサマバッタは、密集したところで育つと「群衆相」と呼ばれるタイプとなり、逆にそうでないものは「孤独相」と呼ばれるタイプに分かれるという説がある。 それを人間に例える件がとても興味深かった。 通常のバッタは緑色で、孤独相。 そして、密集して育つと姿が黒化し、凶暴な群衆相となる...
トノサマバッタは、密集したところで育つと「群衆相」と呼ばれるタイプとなり、逆にそうでないものは「孤独相」と呼ばれるタイプに分かれるという説がある。 それを人間に例える件がとても興味深かった。 通常のバッタは緑色で、孤独相。 そして、密集して育つと姿が黒化し、凶暴な群衆相となる。 その群衆相のバッタは餌を求め別の場所に飛翔できるよう翅が長く、大移動してはあちこちのものを喰い散らかし、仲間だって食う。 それをそのまま人間にも当てはめて都会では穏やかに生きていくほうがよほど難しい、また、都会という密集した環境で育った人間は群衆相タイプへと変化し、飛べない分遠くに逃げることもできず、ただ凶暴となる、と結んでいる。 振り込め詐欺などが横行する日本も然りだが、人口が世界一多く、近隣諸国との軋轢をまったく厭わない最近の中国という国を見れば、なるほど、と納得せざるを得ない部分もある、そんな気がした。
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久しぶりの再読。 とてもリアリティのある描写なのに、全体としてのリアリティがなぜか感じられない。それはこの人の作品の特徴なのかもしれない。 お話としてはとてもよくできていて面白いんだけど、登場人物が紙人形のように見えてくるのだ。 淡々とした描き方がそう感じさせるんだろうか。 こ...
久しぶりの再読。 とてもリアリティのある描写なのに、全体としてのリアリティがなぜか感じられない。それはこの人の作品の特徴なのかもしれない。 お話としてはとてもよくできていて面白いんだけど、登場人物が紙人形のように見えてくるのだ。 淡々とした描き方がそう感じさせるんだろうか。 この物語は、殺し屋たちの話で、とにかくやたら人が死ぬ。人が死ぬのは当たり前のことで、小説の最後の方でも槿が「この国では1年間に何千人もの人間が交通事故で死んでいる」というシーンがある。自殺者だって万のオーダーにのぼっているし、殺人だって毎日のように起こっている。それを思えば、この小説の中で行われている殺人も、飛び抜けて多いとかひどい、とかいうこともないのかもしれない。 しかし「令嬢」という会社がやっていることが真実味を持って生々しく迫ってくるかというとそんなこともなくて、まるでTV画面で流れていくドラマのワンシーンのように非現実的に思える。石田衣良さんの「池袋ウエストゲートパーク」のリアルさとはまったく違う手触りなのだ。 この、薄紙一枚へだてたようなもどかしさは、どの伊坂作品を読んでも感じてしまう。 再読するまで内容をすっかり忘れていた。「杉林で鯨と蝉が戦う」という漠然としたイメージだけしか残っていなかったのだ。つまり初読のときは、まったく内容を理解していなかったことになる。登場人物が淡々としすぎていて、感情移入しづらいのだ。 でも、ストーリー展開は面白くて引きこまれてしまうから、次々にページをめくるということになってしまう。 帯にも書いてあるが、ほんとに「分類不可能」な小説である。
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長編だけどぐんぐん読めた。殺し屋ほか裏家業の方々のキャラにはまった。 とくに押し屋の「槿」が寡黙で知的で素敵だった。 ただ、幽霊が出るのは苦手だ。ホラーはだめだ。最後まで寒気がした。
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一家皆殺し専門の殺し屋の蝉・道路で駅で人を押して殺す 押し屋の槿・毒で人を殺す殺し屋(スズメバチ)・ 自殺屋の鯨・そして非合法的な商売で設ける会社の社員達。 とにかく世の中のダークな部分ばかり集合した話。 読んでいて明るい気持ちには一切なれません。 拷問の描写なんて残忍...
一家皆殺し専門の殺し屋の蝉・道路で駅で人を押して殺す 押し屋の槿・毒で人を殺す殺し屋(スズメバチ)・ 自殺屋の鯨・そして非合法的な商売で設ける会社の社員達。 とにかく世の中のダークな部分ばかり集合した話。 読んでいて明るい気持ちには一切なれません。 拷問の描写なんて残忍そのもの。村上春樹的文章と言われて しまっている違いをそのグロテスクな描写によって出そうと しているのか?と疑問に思うほど。 話の筋は推理小説的予想外の展開などがあって面白い。 でもあまりにも残虐な発想についていけず星3つ。 女性を監禁して何度も妊娠させて、その子供の臓器を売買する という発想がフィクションでも許せない。
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徐々につながるストーリ、展開を楽しみながら読めた 基本的に鈴木以外は、面白かったけど、鈴木の存在が重要なのかな
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再読。マリアビートルを読んで読みたくなったので。すぐさま続けてマリアビートルが読みたい。こないだ読んだばっかなのに。あさがおの家族がすごく好きだ。ほんと、健太郎と孝次郎はなぜ劇団にいるのだろう。鈴木と同じく、それを思うと切なくなる。サッカーはどこで覚えたのか。すみれさんも好き。こういう家族を持てるなら結婚しても良いと思う。令嬢のような会社は実在するのだろう。全部死ねばいいのに。やはり、「人は誰でも、死にたがっている」という言葉は残る。
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