ぶらんこ乗り の商品レビュー
死や旅立ちにより、家族はばらばらになる。 そんな物語といって言えなくはないけれど、不思議なことにどこか澄んだ希望が感じられる。 それは「弟」の書いた、愛し合っているけれど、手をつなぐことができるのは二つの空中ぶらんこがゆきあった時だけ、という空中ぶらんこ乗りの夫婦の物語のせいかも...
死や旅立ちにより、家族はばらばらになる。 そんな物語といって言えなくはないけれど、不思議なことにどこか澄んだ希望が感じられる。 それは「弟」の書いた、愛し合っているけれど、手をつなぐことができるのは二つの空中ぶらんこがゆきあった時だけ、という空中ぶらんこ乗りの夫婦の物語のせいかもしれない。 「弟」の書いた物語が、その外側の、登場人物たちのいる世界を緩やかに導いていく。 そんな小説の作り方もまた、興味深く感じられた。
Posted by
綺麗な小説です。 絵本のように平仮名が多く、表現も押さないのだけれども、どこか心に響きます。 言葉の選び方が秀逸です。 まっすぐ、直球で心に刺さってきます。 恐ろしく純粋な世界を表現します。 もう少し、話の筋がしっかりしていれば、なおのこと良かったです。
Posted by
切なくなった。ほっこりした。 あっちとこっちとぶらんこに乗ってゆらゆらする弟。姉である"わたし"が何とか弟をこっちにつないでる。 たくさんのふしぎなお話は弟があっちで得たもの。 ああ、何を書けばいいのやら。 わかるようでわからない。 読んだ後は頭がぶらんこの...
切なくなった。ほっこりした。 あっちとこっちとぶらんこに乗ってゆらゆらする弟。姉である"わたし"が何とか弟をこっちにつないでる。 たくさんのふしぎなお話は弟があっちで得たもの。 ああ、何を書けばいいのやら。 わかるようでわからない。 読んだ後は頭がぶらんこのようにふらふらしてる。 ローリング、よくよく思うと結構怖いなあ。 像にとって鳩は遊び道具。同じ生き物と認識できない。でも、生き物に対して自分とは別物だと思う人は結構多い。
Posted by
ある人からオススメされて知った本。 カテゴリーをファンタジーにしたけど、これは夢と現実がゆらゆら行き来している感覚。さながらタイトルのぶらんこのように。 弟が紡ぎ出すおはなしはともすればかなりダークな物語ではあるものの、小さい子供の文体で書かれているからか、なんだか不思議な暖かみ...
ある人からオススメされて知った本。 カテゴリーをファンタジーにしたけど、これは夢と現実がゆらゆら行き来している感覚。さながらタイトルのぶらんこのように。 弟が紡ぎ出すおはなしはともすればかなりダークな物語ではあるものの、小さい子供の文体で書かれているからか、なんだか不思議な暖かみを感じる。 最後は誰しもが受け止めなければならない事が起こるけど、自分はその時どういうことを思うのか、考えてしまった。
Posted by
書店員さんがすすめる本に載ってた本をちらほら読み始めてるけど、 これは(文庫で出る前は)15年前の本か~ そのころわたし何やってたかな この本も題名も作者名も聞いたことなかった ほんと知らない本ばっかりで困る すごいいい本だった 泣けた泣けた おいおい泣けた(おいおいは泣いて...
書店員さんがすすめる本に載ってた本をちらほら読み始めてるけど、 これは(文庫で出る前は)15年前の本か~ そのころわたし何やってたかな この本も題名も作者名も聞いたことなかった ほんと知らない本ばっかりで困る すごいいい本だった 泣けた泣けた おいおい泣けた(おいおいは泣いてないけど) 弟がすごくかわいかったしかわいそうだった わたしがお姉ちゃんだったら溺愛してそう(お母さんでも) 全部よかったけど(かなしいところも) 動物の話を聞けるのはいいけど、聞いたことを参考にお話を書いてるとして、 どうもマメ知識(かがくえほん)みたいな傾向が気になった(知ってるよ・・!) でもぺんぎんの話とかぞうのぶっとんだ話は知らなかった(あれほんと!???)ので もうちょっと大きくなったら甥っ子にしてあげよう あ、でも飼育員さんに怒られるかな この人のほかの本も読みたいな~~
Posted by
いしいしんじのふわっとしたリアルが好き。現実は、時として悲劇より悲惨だけれど、それでも時間は過ぎるわけで。
Posted by
優しくて切ない物語。 この人の書く物語はとても不思議。 読み終わってしばらくして、グッとくる場面も思い出したりする。 なぜか馬鹿に出来ない。
Posted by
いしいしんじの世界が、ぎゅっと詰められたお話。紡がれるひとつひとつの言葉を、何度でも読み返したくなる。 登場人物の名前はほとんど出てこず、「おねえちゃん」「あのこ」という、それぞれの立場からの呼び名が、人物像を読者に自由に想像させてくれる。各所にちりばめられた細かなストーリーが絡...
いしいしんじの世界が、ぎゅっと詰められたお話。紡がれるひとつひとつの言葉を、何度でも読み返したくなる。 登場人物の名前はほとんど出てこず、「おねえちゃん」「あのこ」という、それぞれの立場からの呼び名が、人物像を読者に自由に想像させてくれる。各所にちりばめられた細かなストーリーが絡み合って本当に素敵。読み返せば読み返すほど、引き込まれていくスルメ本。 大人のための絵本、というような世界観でずっと大好きな本です!
Posted by
動物と話ができる、という部分でドクタードリトルを思い出した。 弟のその後がチラッと出てきてもよかったのではないかと感じた。行方不明にする必要はあったのかな……。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんとも言えない気持ちになる複雑なお話でした。 主人公は女の子。 女の子には弟がいて、その弟はとても賢くて。 子供なのに、最初から字が読めて、お姉ちゃんに対して物語を作って読んで聞かせられる……というだけの才能の持ち主。 けれど、最初から彼に何かがあったことが暗示されていて、終わりへの物語りなにおいしかしない……。 個人的に「子供がかわいそう」な小説はとても好きじゃなくて。 そもそも設定からして、この弟はこんなアンバランスで生まれてきて幸せなんだろうか? と思わされる話で。 正直、最初は「胸が痛い」という感想しかなくて、字の大きさと本の厚みの割には私にしては読むのに時間がかかりました。 やっぱり終わりは悲しくて。 解説の人が「この話は面白い!」みたいなテンションで話すんだけど、どうにもこうにもそんなテンションの話じゃないだろう! という話でした。 この作家さんの他の話を読んでないのでなんともいえないですが、個人的にはやっぱり最後まで読んでも「胸が痛い」以外の感想が出てこない話でした。 悲しい。余りにも割り切れない。 神様はいったい「弟」にどれだけの試練を与えれば気が済むのか……辛かったです。
Posted by