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スカイ・クロラ の商品レビュー

3.7

435件のお客様レビュー

  1. 5つ

    98

  2. 4つ

    137

  3. 3つ

    128

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    7

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2021/10/30

スカイ・クロラシリーズ5作目。 (出版順では1作目ですが時系列的には5作目) はっきりしない。 すっきりしない。 でもそのおかげで不思議な世界観が保たれている。 幻想的な物語が好きな方(抽象的な小説に抵抗がない方)はスカイ・クロラを1冊目に読むことで、スカイ・クロラの世界観...

スカイ・クロラシリーズ5作目。 (出版順では1作目ですが時系列的には5作目) はっきりしない。 すっきりしない。 でもそのおかげで不思議な世界観が保たれている。 幻想的な物語が好きな方(抽象的な小説に抵抗がない方)はスカイ・クロラを1冊目に読むことで、スカイ・クロラの世界観を新鮮な気持ちで堪能できます。 ※時系列順に読むとあれこれ考えてしまいます。 幻想的な物語が苦手な方、物語の入りやすさを重視したい方、シリーズを一気読みする方には時系列順に読むことをお勧めします。 シリーズ作品と捉えるか、単体作品と捉えるかでガラッと見え方が変わる不思議な小説ですね。

Posted byブクログ

2021/10/28

友人から勧められて読んだ本だったが、面白かった。詳細や余計な説明がないからこその世界観が出来上がっている。本来心や気持ちは言葉で表すことはできないし、表現できたとしてもとてもチープなものになってしまう。登場人物の心情を行動面から考えながら読み進めることができた。

Posted byブクログ

2021/10/25

読書メーターを始める前に一度読んでいたから実は再読。高校のときこの真っ青な色に惹かれて買ったものだった。あのころはあまりの話の急展開さに首をかしげたものだったけど、今回読んでみて不思議と自然に受け入れることができた。その分自分が何かしら成長したってことなのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/10/05

果てしなく美しい物語。詩的な表現が多く使われている。読後ふと空を見上げてしまうことが多くなった。空は綺麗で何物も拒まない。 複雑な描かれ方がされており、一周読んだだけでは理解しづらく、状況が把握できない部分があった。だがそういう部分も含めて、何故かこの作品に強く心を惹かれてしまう...

果てしなく美しい物語。詩的な表現が多く使われている。読後ふと空を見上げてしまうことが多くなった。空は綺麗で何物も拒まない。 複雑な描かれ方がされており、一周読んだだけでは理解しづらく、状況が把握できない部分があった。だがそういう部分も含めて、何故かこの作品に強く心を惹かれてしまう。その正体を知るためにいつかまた再読してみたい。

Posted byブクログ

2021/10/01

オススメされて読んだ本。 文庫で買っちゃったけど、図書館で見たら単行本の表装も素敵。 すべてがFになる、よりもこっちの方が断然好み。 御伽噺とミステリーが融合した、少し不思議な感覚。 『トランプを捲る瞬間みたいに、認識するまでの僅かな時間』とか、普段気に求めないような、日常の...

オススメされて読んだ本。 文庫で買っちゃったけど、図書館で見たら単行本の表装も素敵。 すべてがFになる、よりもこっちの方が断然好み。 御伽噺とミステリーが融合した、少し不思議な感覚。 『トランプを捲る瞬間みたいに、認識するまでの僅かな時間』とか、普段気に求めないような、日常のちょっとした仕草に表現をつけているのが好き。 表面的に見れば暗い終わり方なのかもしれないけど、とても綺麗な終わり方。 シリーズを読んでみちゃおうかしら。

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2021/09/26

モリヒロさんらしさ全開で、ゆったりとした展開に心地よさを感じた。 中途採用で現場に放りこまれ、何の説明を受けないままOJTで仕事を覚えていくという感じで、「知ってるよね」的に話が進む。 「そのうちわかることを慌ててくきくこともない」というカンナミの言葉通り、流れに委ねて読み進める...

モリヒロさんらしさ全開で、ゆったりとした展開に心地よさを感じた。 中途採用で現場に放りこまれ、何の説明を受けないままOJTで仕事を覚えていくという感じで、「知ってるよね」的に話が進む。 「そのうちわかることを慌ててくきくこともない」というカンナミの言葉通り、流れに委ねて読み進める。 戦闘シーンは単語がわからないまま雰囲気だけつかんで速読した。戦闘機の状態は映像でみたら楽しいかもしれないが、いちいち脳内再生するのは億劫なのでやめた。後悔するかな? 時系列的にはこれがラストの話らしいが――最初に読んでしまった。でもとてもラストとは思えない。

Posted byブクログ

2021/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

死んでも、記憶はないけど、また複製されて同じようにパイロットとして戦うのならば、いっそのこと終わらせてしまったほうがいい。 自分は誰を殺したのか、自分を殺した人間は誰なのか、それすらないから、生きていることが希薄になっていく。 草薙は前の函南(栗田)を殺して、函南は草薙を殺した。 それが、互いに覚えているということが、彼らに生きていたという実感を与えるという皮肉は、とても悲劇的だ。 函南と草薙は、複製されても同様に殺し合うことを繰り返すかもしれない。 この繰り返しに、なにか変化はあるだろうか。 そんなセンチメタルな感覚にとらわれる作品だった。

Posted byブクログ

2021/07/17

登場人物の置かれている状況がわからず刹那的な感じ、文章の詩的な雰囲気に魅力を感じました。戦闘シーンの臨場感、爽快感に驚きました。

Posted byブクログ

2021/06/15

戦争がビジネスとなり民間軍事会社に委託される世界を描いたSF小説、スカイ・クロラシリーズの第1巻です。 1巻目ですがシリーズの時系列では最後の物語となり、映画化もされましたがそれとは決定的に異なる結末となります。 一定の秩序は保たれつつも退廃的で不気味な雰囲気を持つ世界、戦闘機乗...

戦争がビジネスとなり民間軍事会社に委託される世界を描いたSF小説、スカイ・クロラシリーズの第1巻です。 1巻目ですがシリーズの時系列では最後の物語となり、映画化もされましたがそれとは決定的に異なる結末となります。 一定の秩序は保たれつつも退廃的で不気味な雰囲気を持つ世界、戦闘機乗りの函南優一(カンナミ・ユーヒチ)を中心に物語は進みます。 新薬実験で偶然誕生した思春期後に不老となる人間“キルドレ”と呼ばれるものがあり、彼もその一人です。 事故死か病死か自死でしか死ぬことがないため、キルドレの死生観はどんどん簡潔になるか考え抜いて狂ってしまうかのどちらかであるようです。 不老不死は人類の夢の一つと言えるかもしれませんが、もし技術の進歩により実際となった暁には寧ろ悩みが増えるだけのように思えました。 矛盾を隠さず臭い物に蓋をしないカンナミの生き方は理想に近いのですが、ここまで達観するには人間性を削るほどの苦しみがあったのでしょう。 読者によって十人十色の解釈や感想となるであろう考えさせられる一冊。 2巻にも期待します。

Posted byブクログ

2021/06/24

所々に素晴らしい比喩表現や、哲学的な言い回しがあり、感動してしまう。 物語は決して派手ではないが、登場人物の営みが、読者の好奇心をくすぐってくる。というのも、仕草や表情の描写が巧い。 一方で『どこか読み飛ばしてるのかな』と感じてしまうほど、登場人物たちの思考について謎が多い。意図...

所々に素晴らしい比喩表現や、哲学的な言い回しがあり、感動してしまう。 物語は決して派手ではないが、登場人物の営みが、読者の好奇心をくすぐってくる。というのも、仕草や表情の描写が巧い。 一方で『どこか読み飛ばしてるのかな』と感じてしまうほど、登場人物たちの思考について謎が多い。意図的に分かりにくくされているのだが、人物像を把握するための情報が、最後まで出てこないのである。ただ冷たい人物とは言い切れず、どこか哀愁漂う彼らは一体何者なのだろうか。いつから、どこで、誰の為に、何と戦っているのだろうか。 以下、ネタバレ含む。(備忘録) 現代に近い時代設定である。戦争は公のビジネスとなり、敵とされる相手と戦っている。そこに国家という枠組みは登場しない。あくまで『敵』という描き方である。 読者として、戸惑うのは、最後までキルドレってのが何かわからないこと。私は不安で不安で仕方なかった。どこかに伏線はあったのか?説明なんてなかったよな?など自問自答しながらも、最後になってようやく理解できた。 クサナギスイトについては、人間らしさを覆い隠す何かを感じた。彼女の存在は、キルドレとは、という疑問を更に大きく膨らませる。決して定義付けできない何かを感じずにはいられない。 主人公はカンナミ。彼の主観で物語は進行するが、常に人物像は曖昧であり、つかみどころのない異質さを感じさせる。というのも、彼はキルドレと言われる遺伝子操作された人間であり、記憶すらも操作された存在であった。 戦う為に、人間らしさを失っているという表現も出来そうだが、主人公の思考は想像以上に複雑であり難解だ。カンナミの主観で進行する為、他の登場人物の思考の真意は測りかねるが、彼らキルドレにも個性があり、自らの存在と葛藤している様がいくつか登場する。特にミツヤ・ミドリとの対話には、核心とも思えるやり取りが含まれている。 クサナギの内に秘めた想いとは何だったのか。人間らしさ、大人とは、生きる意味とは一体。 最後にカンナミの行動は、一見すると不可解な結末を迎えるが、これはどう解釈すべきであろうか。何か救われない感情になる。彼は生まれ変わったんだろうか。 黒猫(黒豹)シンボルの機体に乗る者は一体。続編があるので、古本屋で見つければ購入してみようと思う。 よい読書ができました。 読了。

Posted byブクログ