スカイ・クロラ の商品レビュー
【自由研究】人はなぜ老いるのか?⑤ 「私は、死にたい。今夜でもOKだよ。ねえ、お願いしたら、殺してくれる?」(本書より) *** 本書は不死の子供〈キルドレ〉を描いたSFですが、不死のためか、登場人物はみんな生への執着が少ないように見えました。 不死は幸せか? 考えてみると〈幸...
【自由研究】人はなぜ老いるのか?⑤ 「私は、死にたい。今夜でもOKだよ。ねえ、お願いしたら、殺してくれる?」(本書より) *** 本書は不死の子供〈キルドレ〉を描いたSFですが、不死のためか、登場人物はみんな生への執着が少ないように見えました。 不死は幸せか? 考えてみると〈幸せな不死〉になるためにはいろんな条件が必要になりそうです。 健康であること 配偶者や家族も健康で不死であること 世界が平和であること ある程度仕事があること ある程度お金もあること 人口爆発の対策があること 食糧問題も解決されていること AIに支配されていないこと 年長者が老害と言われないこと ある程度世代交代も進むこと 死ぬ権利があること…等々 不死の世界もなかなか大変そうです‥。 自分は古いタイプかもしれませんが、死が軽くなると生も軽くなる。と思っています。 生が軽くなると冒頭のような言葉が出てくるのかもしれません…。 あと一回続く(予定)
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15年くらいぶりに再読 一貫してカンナミの視点からストーリーが語られるが、カンナミに感情の起伏がなく、生きることに価値を見出してないのにつられて、とても淡々とした気持ちでどんどん読み進められる 世界の設定がほとんど語られないのに、世界観にとっぷりと浸かれる不思議な感覚が気持ち...
15年くらいぶりに再読 一貫してカンナミの視点からストーリーが語られるが、カンナミに感情の起伏がなく、生きることに価値を見出してないのにつられて、とても淡々とした気持ちでどんどん読み進められる 世界の設定がほとんど語られないのに、世界観にとっぷりと浸かれる不思議な感覚が気持ちいい
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独特な世界観だなあ。少年戦闘機パイロットの話だけど、血生臭さはなくて、むしろ常に乾いた感じが作品を覆っている。 余計な描写がなくて、どこか現実味の無い寓話のような詩のような哲学的な世界観。 永遠の子どもという設定で、手塚治の火の鳥にも永遠に死ねない体の話があった気がするけど、それ...
独特な世界観だなあ。少年戦闘機パイロットの話だけど、血生臭さはなくて、むしろ常に乾いた感じが作品を覆っている。 余計な描写がなくて、どこか現実味の無い寓話のような詩のような哲学的な世界観。 永遠の子どもという設定で、手塚治の火の鳥にも永遠に死ねない体の話があった気がするけど、それに似たゾッとする感覚があった。 急展開にちょっとビックリだったけれど、安易なラブコメに陥らないところが、この作品の醍醐味かな。 コーヒーを飲んでミートパイを食べなから読みたい一冊。
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小・中学生くらいで読んでいたらものすごく影響を受けていたんじゃないだろうか。大人になって読んだから駄目だ、じゃないのだが、10代の自分がこの世界を見てどんな気持ちになったか想像して、それを体験したかったなあと少し残念。 でも草薙水素から受ける死の匂い(Fになる・四季博士と似てる)...
小・中学生くらいで読んでいたらものすごく影響を受けていたんじゃないだろうか。大人になって読んだから駄目だ、じゃないのだが、10代の自分がこの世界を見てどんな気持ちになったか想像して、それを体験したかったなあと少し残念。 でも草薙水素から受ける死の匂い(Fになる・四季博士と似てる)は、大人になった私の方が圧倒的に共感できる。 あとは、鶴田謙二さんの感想(素直)になんでか感動した…的確な気がして。本を読めなくなる時期ってある。それを突破してくる本に出会えると、本当に嬉しい。
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素直に面白かった。 時系列的にはこの後に出版されているものが先になるようですが、シリーズすべて読み終えてからまたこの本を読んだら、より深く入り込めるんだろうと思う。 このままの気持ちで次の作品を読みたい
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虚構のようなフィクションでありながら、 現実のノンフィクションなんじゃないか、 とも思えてしまいます。区別がつかない。 背景もわからず無為に日常を送る。 意味なんか考えずに皆、無感情に。 これってすごい怖いことなんじゃ… 人は生まれて死んでいくという大筋は変えられないとしても...
虚構のようなフィクションでありながら、 現実のノンフィクションなんじゃないか、 とも思えてしまいます。区別がつかない。 背景もわからず無為に日常を送る。 意味なんか考えずに皆、無感情に。 これってすごい怖いことなんじゃ… 人は生まれて死んでいくという大筋は変えられないとしても、その間をできるだけ有意義にしたいとあがく。そう願う。そうしたいと思う。 そんな気も起こさず、願うこともせず、決められた相手に、淡々と決められた行動をするしかない、永遠に生き続ける子供、空を這うもの。 ———キルドレ 操縦し、索敵し、照準し、追跡し、回避し、撃墜し、被弾し、墜落し、帰還し、飛翔し、飛散し、繰返し、忘却し、終始し、起伏し、唯心し、喪神し、霞みし、迷いし、憂いし、儚い死、短い詩。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
難しかった。 人は自分の人生に意味を見出そうとしたり、人との価値観の違いに苦しむけど、それこそが濁りで、汚れだということを主人公は考えるんだろうか… 主人公の「何にも縛られたくない」という気持ちや、草薙の「死こそが救い」な考えはよく分かる。 生き返ることがわかっていれば尚更だ。 人生、生きることこそ縛りだとは思う。 あまりにも今生きている現実とはかけ離れていて、鳥になって地上を眺めているような気持ちになった。 ふわふわします。
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余計なモノが無い、素朴でかつ美しい文章。 空中戦の描写がとてもよかった。 6.5 / 10点満点中
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森博嗣さんの死生観が見られるのだと感じました。 あくまでも私の感じたことです。 まだまだ謎だらけです。
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2021/12/01 00:17 うーん…喜嶋先生の話と同じように、一文一文が簡潔なので、どんどん読み進められる。そして、こちらはもう、最後は詩のようで。 結局最後まで「子供」と言われているキンドレとはなんなのかよくわからなかったが、おそらく、戦死でなければ死んでも死んでも生き返...
2021/12/01 00:17 うーん…喜嶋先生の話と同じように、一文一文が簡潔なので、どんどん読み進められる。そして、こちらはもう、最後は詩のようで。 結局最後まで「子供」と言われているキンドレとはなんなのかよくわからなかったが、おそらく、戦死でなければ死んでも死んでも生き返ってくるのだろう。 ナ・バ・テアという続編があるそうだから、それも読んでみたいなと思った。 この作家にも、乙川さんのような、読んでて「ああ、良いなこの言い回し」と思える一文がある。次も出会えるかな。
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