おぞましい二人 の商品レビュー
とても救いようのない物語。 ハロルドとモナ。似たもの同士の二人が出会うことで物語は動き出す。出会わなければこんな悲劇は起こらなかったのだろうか…? <手書きPOPより抜粋>
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実際にあった事件を元に描かれた絵本。 タイトル通り、おぞましい二人。 エドワード・ゴーリーの絵本では子どもが死ぬ場面が多いけれど、でも今まで読んだものはその死が現実的ではなかった。 でもこれは現実的で鳥肌がたつ。 ゴーリーの絵だからこそ、いろいろと想像してしまって、なおさら...
実際にあった事件を元に描かれた絵本。 タイトル通り、おぞましい二人。 エドワード・ゴーリーの絵本では子どもが死ぬ場面が多いけれど、でも今まで読んだものはその死が現実的ではなかった。 でもこれは現実的で鳥肌がたつ。 ゴーリーの絵だからこそ、いろいろと想像してしまって、なおさら。
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孤独や劣等感からの脱出口を完全に見失い、 パニクってしまった二人の男女。 <子殺し>と言う方法でしか塞がれた壁を破る為の術を知らず… しかし、壁の向こうはさらに壁。 逃げ場求めて何枚壁を壊そうと、そこから光が差し込む事など決してないのだ。 苦しみの中で生...
孤独や劣等感からの脱出口を完全に見失い、 パニクってしまった二人の男女。 <子殺し>と言う方法でしか塞がれた壁を破る為の術を知らず… しかし、壁の向こうはさらに壁。 逃げ場求めて何枚壁を壊そうと、そこから光が差し込む事など決してないのだ。 苦しみの中で生きた二人は おぞましい犯罪者として、その身亡き後も闇を彷徨う他、行き場はない。 『同情』と言うささやかな光さえも射さなかった彼らの人生…。 ゴーリーは何故、この陰惨な事件を<絵本>にしよう、と思い立ったのだろうか。
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実話をもとにしたフィクション…これは絵本というのだろうか。 絵が描いてある本なので間違いなく絵本なのだが、とにかく子ども向けではない。 実際の事件は反吐が出るほど「おぞましい」し、極刑はあるべきだ、と思わせる惨さで決して許せるものではない。 しかしエドワード・ゴーリーの作品の...
実話をもとにしたフィクション…これは絵本というのだろうか。 絵が描いてある本なので間違いなく絵本なのだが、とにかく子ども向けではない。 実際の事件は反吐が出るほど「おぞましい」し、極刑はあるべきだ、と思わせる惨さで決して許せるものではない。 しかしエドワード・ゴーリーの作品の二人は彼らとは違う。 あくまでフィクションとして読むのであれば、間違いなく「おぞましい」のだが、なんというか常に淡々としていて、シニカルで、みじめで、矮小だけれどどこか可愛いと思わせる。 全てはあの絵だ。 不気味で陰気だけれど、どこか人を惹きつけて、そして可愛いあの絵。 あの絵にあの文章が重なるとすごい化学反応だと改めて思う。 こりゃーファンがいっぱいいるわけだ。 人と違う、エドワード・ゴーリーの絵本にはそれが満載なのだ。 お好きな人はたまらない。 そして、私も。
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何年も前から、本屋でちらちらと読みながらも、 でも購入する勇気が出なかったエドワード・ゴーリー。 けれどついに購入することにしました。 家でゆっくり読むと、なんだか感じる物が違いました。 当時まだこころが幼かった私は、 ゴーリーの世界観に惹かれながらも、 これ(残虐性をはら...
何年も前から、本屋でちらちらと読みながらも、 でも購入する勇気が出なかったエドワード・ゴーリー。 けれどついに購入することにしました。 家でゆっくり読むと、なんだか感じる物が違いました。 当時まだこころが幼かった私は、 ゴーリーの世界観に惹かれながらも、 これ(残虐性をはらんでいる内容)に惹かれる自分に罪悪感のような なんとも言えない感覚を抱いており、買うことはできずにいました。 けれど、ゴーリーに惹かれる自分は、 単に「面白半分に」残虐性や人の死というものに 興味を持っているというわけではないんだなと思いました。 私にも少なからずや(いや、時としては大きすぎるほどの) 残虐性であったり一般的に異常と言われるような精神状態になっており、 そちらの世界に誘われそうになり、常に死と近しいところに居るわけで、 決して遠い世界ではないわけです。 ずっと目を逸らして生きていくことなんてできない。 ゴーリーはそのようなことを、絵本という形で、 私たちに見せてくれているような気がしたのです。 恐らく、平和に平凡に生きていれば、あまり見たくもないような、 見てはいけないと思ってしまうような世界観。 それでもゴーリーは、(特にこの作品においては) 「理解するために」絵本という形に遺したわけで、 その世界を私たちに見せてくれているのだろうと思うのです。 今の私はそんな世界を、「理解したい」と思っている。 幼き日に、不謹慎かも知れないと思って妙な罪悪感を感じていたものの、 実際は、面白半分に覗きたいだけではなかったんだと気づきました。 だからこそ、幼くして意味はあまり理解できなかったとしても、 なぜかどこか惹かれてしまう、そんな絵本に仕上がっているのでしょう。 何年も経って再び手に取った今、 ようやくそんなゴーリーの世界に触れることが出来た気がします。 やはりわたしはゴーリーの作品が好きなんだと、再確認できた本でした。 他の作品ももっと読んでいこうと思っています。
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実際の連続殺人事件「ムーアズ殺人事件」の犯人2人を題材とした、全く表題通りの大人の絵本。 10歳から17歳の少年少女計5名が犠牲となったこの事件は、本当に無惨で、子供がひどい目に遭う作品をたくさん描いたゴーリーも、この事件だけは胸につっかえて消化できず、躊躇いと執筆欲の間をぐらぐ...
実際の連続殺人事件「ムーアズ殺人事件」の犯人2人を題材とした、全く表題通りの大人の絵本。 10歳から17歳の少年少女計5名が犠牲となったこの事件は、本当に無惨で、子供がひどい目に遭う作品をたくさん描いたゴーリーも、この事件だけは胸につっかえて消化できず、躊躇いと執筆欲の間をぐらぐら揺れながら描いたと聞く。ゴーリーの作品の中でも出色。読むと寒々しさに呆然とする。
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これはゴーリーの「書かずにはいられない」という気持ちから書かれたものだそうです。実際にあった事件がもとになっているそうです。 子どもを殺す男女のお話です。「え…」と読みながらかたまりました。 これが出たとき、イギリスでは批判の嵐だったそうです。 それは「残酷なことを書く人は残酷...
これはゴーリーの「書かずにはいられない」という気持ちから書かれたものだそうです。実際にあった事件がもとになっているそうです。 子どもを殺す男女のお話です。「え…」と読みながらかたまりました。 これが出たとき、イギリスでは批判の嵐だったそうです。 それは「残酷なことを書く人は残酷な人である」という誤解に基づくものだと柴田さんは書いておられます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
さみしさを淡々と描いた絵本。 さみしい二人の恐ろしい物語です。 読む前と後で表紙の絵がもつ異様さを感じることができます。 ゴーリーの絵本は読み終えてからもう一度をじっくり表紙を見てほしいです。
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二人が出会って、犯罪を犯し、死ぬまでの絵本。 実際にあった事件から作者が書き起こした、芸術的に冷徹で空虚な作品だ。 こういう人にとっては、私みたいな一般人の生き方なんてアホな悩みだらけで全く興味ないんだろうな。 人間て色々いるんだな。 精神異常で片付けていいんかな。
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2011 9/3読了。Book1st渋谷文化村通り店で立ち読み。 一緒に行った友達の勧めでこれも読んだ本。 タイトルどおりにおぞましい二人の話。 二人が愛し合えればなんか違ったのかな、とか考えるけど何も違わないだろうな、とも思う。 エラーは一定の割合で発生するしそいつを完全に排除...
2011 9/3読了。Book1st渋谷文化村通り店で立ち読み。 一緒に行った友達の勧めでこれも読んだ本。 タイトルどおりにおぞましい二人の話。 二人が愛し合えればなんか違ったのかな、とか考えるけど何も違わないだろうな、とも思う。 エラーは一定の割合で発生するしそいつを完全に排除しようとすればかえって世の中は窮屈になる、とか、別にこの本とは関係ないことを思った。
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