遮光 の商品レビュー
ピース又吉が好きな作家に挙げていた。 死んだ誰かの身体の一部を、という設定は割とよくあるし 持ち歩く彼の精神がこわれているのもよくある。 でも、このひとはもとからブッ壊れてるんだなと。 愛するひとをなくす→発狂 ではなく 発狂した状態で誰かを愛する→愛するひとをなくす→発狂に拍...
ピース又吉が好きな作家に挙げていた。 死んだ誰かの身体の一部を、という設定は割とよくあるし 持ち歩く彼の精神がこわれているのもよくある。 でも、このひとはもとからブッ壊れてるんだなと。 愛するひとをなくす→発狂 ではなく 発狂した状態で誰かを愛する→愛するひとをなくす→発狂に拍車がかかる みたいな。 そもそもこれって愛なの? 別に相手は誰でもよかったんじゃないの? 何がいいたいかよくわからない小説だなあと思いつつ、 「世界の果て」のあとがきには 「混沌とした世界から僕を救ってくれたのが文学だったので」とあったので たぶん作者は書くことで救われたいんだろうなあと思ったし、 又吉も読んで共感する部分があるみたいなこと書いてたし、 わたしもなんだかんだ共感しましたとも。 暗いのがすきな方向けです。
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少し感情が壊れた主人公が日常を生きる、その傍らに瓶の中に入った恋人の分身が非日常性を醸し出す。物語性はほぼないといってもいい、文体と乾いた空気が伝わればほぼ物語は完成したといっていい。そういう意味では成功しているのかもしれない。でも、物語性を求める人間にはあまり響かない。確かに個...
少し感情が壊れた主人公が日常を生きる、その傍らに瓶の中に入った恋人の分身が非日常性を醸し出す。物語性はほぼないといってもいい、文体と乾いた空気が伝わればほぼ物語は完成したといっていい。そういう意味では成功しているのかもしれない。でも、物語性を求める人間にはあまり響かない。確かに個性的な文体だ、しかし私が小説に求めるものはこの作品にはなかった。ところどころで思い出したように表出する狂気は、はたして恋人を失ったことが原因か彼の幼少期などの心の傷に起因するのかいまいちわからなかった。
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中村さんの作品を読むのは「銃」に続き2作目。 日常にひそむ狂気、というか、ふとしたことで訪れる狂気というか。 そういった事柄を淡々と描かれています。
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自分がする行動や発言を事前に想像して、それをなぞって実行することにより満足を得る。この感覚がすごく良く分かる。痛々しい位の純愛小説だと思った。
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2007.09.13 うん。 夜中に目がさめてちょっと読むって本じゃなかったです。いやうん、重いな。一言で言えば暗いっていうレビューはいくらなんでも酷いと思うけどwww究極の愛だとか純愛だとか、なんか違う気もするけど、まぁそういうふうにカテゴライズできないこともないです。ただ...
2007.09.13 うん。 夜中に目がさめてちょっと読むって本じゃなかったです。いやうん、重いな。一言で言えば暗いっていうレビューはいくらなんでも酷いと思うけどwww究極の愛だとか純愛だとか、なんか違う気もするけど、まぁそういうふうにカテゴライズできないこともないです。ただ少なくとも大衆受けする本じゃないし、そういうのを求めて読むのは勧めません。 恋人の死によってくるってしまった「私」のはなし。「私」は恋人の遺体の一部を奪い、ホルマリンで固定してビンで持ち歩いている。 ん、この小説の怖いとこっていうか苦しいとこは、主人公が狂いきってないところだと思うのだよね。狂っている自分や演技している自分をどこかで自覚して、それにたいしてかすかな恐怖を感じながらも、それをやめることができない。自分を見失った状態でしか生活が送れないこと。やけっぱち、なところもあるし、あらゆる感情を「演技」せずには生きていけない。文中にも >わたしには、狂人というのは一般的に幸福に見えた。 とあるのだけど、ん、本当に、なんかそう思う。いっそ「私」は狂ってしまいたかったんじゃないか。「私」が狂いきれないこと、が読んでてすごく苦しい。すごく入り込んで小説を読むひとなんかは手をださないほうが無難、かも。 えとこれ自殺オチ、でいいのかな。ちょっとあいまいだけどそこのとこ。でもなんかこのラストはいいわるいってよりも、これしかありえない、よな気がする。 構成的にはシンプルだし、特にひねりもないです。小さいころのエピソードがさしこまれてる箇所があるけど、そこは別になくてもいいような気がする。とってつけたような感があってあまりいい感じはしませんでした。文体はやや固め、あまり好みではないし、あんまり巧さも感じない。全篇をとおして一人称が「私」なのだけど、それがやや鼻につく気もする。内容には合ってるのかもしれないけどね。 他の小説も読んでみたいような、読みたくないような、うーん。 筆者のあとがきが印象的でした。 >苦しみから一定の距離を置くのではなく、その中に入り込んで何かを掴み、描き出そうとすること。僕が読んで救われた気分になったのは―たとえそれが悲しみにまみれた物語だったとしても―そういう小説だった。
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ブックオフで買ったはいいが、ほったらかしにしてたやつ。 読んでみたら…。 おもろいじゃん! もともと自分を演じることしかできなかった青年が、 大好きな人が死んで、徐々に自分の感情を表現し狂っていくって話。 純愛じゃなくて狂気の愛で くらーい感じがいい感じです。
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何だかどの描写も中途半端で生温いなあ、という感想を抱かずにはいられず終始苛々しながら読み進めていったが、この主人公の屈折した人格を暗に誇示する意味では効果的な綴り方だったのではないかと今更になって思えてきた。ただ指、というモチーフはちょっと月並みでした。(070128)
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う〜ん、かなり異常(不気味)だ!! でも、そもそも正常とは何なのかも、疑問といえば疑問なのだが・・・ 少なくとも主人公は「幸福な狂人」ではなかったと思います。 誰かを演じなければ、生きて来られなかったとしたら あまりにも悲しすぎる・・・。
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「乗り越えがたい悲しみ乗り越える為に、人は本で知る。あらゆる可能性を。」 ただ、この本はちょい猟奇的である。会社の昼休みに飯食いながら読むにはちときっつい場面がござった。「指」とか・・。
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人は誰もが誰かを演じながら生きている。そんな中で自分らしさって自分を演じるってことなのかもしれませんね。
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