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遮光 の商品レビュー

3.2

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/11/11

主人公の男は、なにをするにしても「こういう場合はこうする」といったマニュアルのようなものを頭から引き出して行動している。 彼女の美紀を愛していたというレビューも散見されたが、僕はそうは思わなかった。 良い彼氏だとこうするという演技をしているだけだったのではないか。 幼少期に、育て...

主人公の男は、なにをするにしても「こういう場合はこうする」といったマニュアルのようなものを頭から引き出して行動している。 彼女の美紀を愛していたというレビューも散見されたが、僕はそうは思わなかった。 良い彼氏だとこうするという演技をしているだけだったのではないか。 幼少期に、育てていた男に言われたことをずっと実践し、最後にはそのつけが回ってきたかのように思えた。

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2012/10/04

彼は何故殺人を犯したのか? 死んだ恋人の小指を入れた瓶を持ち歩く男の苦悩と狂気。 激しく暴力をふるいながら、どこか冷めたままそれを見つめる語り口。 指を入れた瓶を眺めながら、愛おしさと嫌悪を覚える。 常に演技をしている内に、自分が本心で何を考えているか分からなくなったのか・・...

彼は何故殺人を犯したのか? 死んだ恋人の小指を入れた瓶を持ち歩く男の苦悩と狂気。 激しく暴力をふるいながら、どこか冷めたままそれを見つめる語り口。 指を入れた瓶を眺めながら、愛おしさと嫌悪を覚える。 常に演技をしている内に、自分が本心で何を考えているか分からなくなったのか・・・ 前回読んだ『悪意の手記』の前になるようだが、同じように淡々と殺人に至る心理を綴っているが、ありがたいことに私には理解ができなかった。

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2012/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

根本的な悲しみは内に秘めていても構わない。 しかし、あくまでも乗り越えたように装うのだ。 幼い頃に両親を亡くした僕のすべては恋人の美紀に注がれた。 普通で平凡な恋人関係を求め、それを演じることに満足感を得ていたのに、美紀は事故で死んだ。 遺体から切り離された、美紀が存在していた証を瓶につめて、 嘘を嘘とも思わずにしかし現実すら定かではない日々。 サイコパスみたいな感じかな~。 「どうしようもない事柄、~いくら平和な国で生活しているとはいっても、乗り越えがたい苦しみは、確かに存在する。」 あとがきもいいよね~。 ああ、いい本だなぁと、ああ面白かった~って思える)^o^(

Posted byブクログ

2012/08/18

幼い時に両親を一度に亡くし、大人になってからは恋人を事故で失なった主人公。陰鬱と狂気じみた話は自分には全く面白くなかった。でも、最後まで読んでしまったのはなんだったのか?

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2012/04/09

又吉さん、オススメで読んでみた。 自分自身が非常に落ち込んでいるというか、鬱々としている時期に読んだためか、一言で表すなら「安心できた」。 自分は落ち込んでいるし、悲しみにとらわれているけれども、 狂気には至ってないな、と。 ただし、主人公の持つ狂気や役割を演じようとする部分...

又吉さん、オススメで読んでみた。 自分自身が非常に落ち込んでいるというか、鬱々としている時期に読んだためか、一言で表すなら「安心できた」。 自分は落ち込んでいるし、悲しみにとらわれているけれども、 狂気には至ってないな、と。 ただし、主人公の持つ狂気や役割を演じようとする部分は誰にでも、無意識に、もしくは意識的にあるのだろうとおもった。

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2012/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメトークの読書芸人で又吉が中村文則が好きって言ってたり、友達が好きだって言ってたりで最近気になっていたので、図書館に行って借りてきた。 芥川賞候補になるような作品はあんまり読まないし得意じゃないんだけど、この本は割とわかりやすかったし共感できるテーマだったのですんなり読めた。あーあってなるイヤな話だったけどもう何作か中村さんの本読んでみようかな。

Posted byブクログ

2011/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

死別という誰もが経験することでありながら極めて非日常性に満ちた事柄によって生まれる人格の狂気や歪みが全書を充満している。 かつて自分が死んだ鶏の骨を大事に乾燥させ、今も保存していることに重ねてみると、死者の死体の一部を持つというのにはぞっとするほど甘くて切なくて陰鬱な感情が伴っていて、ましてやそれが肉体のままだと考えると、喉のすぐそこまでに血がせりあがるような気分になる。 自分というものがもつ危うさ、不確かさ、惨めさ全てが喪失感から生まれ、そして更なる喪失感を生むのだ。 スピード感のある文章は読みやすく、脳に軽い痺れにも似た幻覚をもたらすほど心理描写は綿密なものだった。

Posted byブクログ

2011/04/16

世界観は「銃」に似ている(というかそっくり)が、 こちらの作品の方が救いようがあるというか、 悲劇の中に一縷の光が差し込む。 主人公が大切に持っている瓶の中には何が入っているのか?

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2011/02/09

正直、どこがおもしろいのかわからない。 暗くて狂気じみていて 読んでいてずっと不快感があった。 最後まで読み切れた程度には面白かったという点で 星2つ。

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2011/01/26

狂気どころの話じゃなかった、主人公が元からぶっ壊れてた。その壊れ具合に美紀の死で拍車がかかった感じ。でも登場人物も雰囲気も好み。たまにはこういうモロなイカれも良い!主人公の、普段とうろたえ時のギャップが誰かに似てるなあと思ったらラスコーリニコフだとお風呂の中で気がついた。終わり方...

狂気どころの話じゃなかった、主人公が元からぶっ壊れてた。その壊れ具合に美紀の死で拍車がかかった感じ。でも登場人物も雰囲気も好み。たまにはこういうモロなイカれも良い!主人公の、普段とうろたえ時のギャップが誰かに似てるなあと思ったらラスコーリニコフだとお風呂の中で気がついた。終わり方は、ふさわしいというか、なんだかしっくり来てしまった。ふとした時にまた読みたい。

Posted byブクログ