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父親の力 母親の力 の商品レビュー

3.6

28件のお客様レビュー

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2015/12/24

大好きな河合隼雄先生の著書。ほかの本も読んでいたので、内容については、すっと頭に入り、腹落ちしましたが、この本だけ読んだ方はどのような感想を持つのだろうか、とふと、思いました。

Posted byブクログ

2015/11/24

家族の問題について各現場から河合隼雄に寄せられた質問に、自説を述べながら答えている。目新しいことはないけれど、わかりやすく納得しやすい内容。。 一貫して言われていることは「世の中、何でも自分の思い通りに行くわけではない」ということ。 だからこそ生きていく上で拠り所が必要で、それが...

家族の問題について各現場から河合隼雄に寄せられた質問に、自説を述べながら答えている。目新しいことはないけれど、わかりやすく納得しやすい内容。。 一貫して言われていることは「世の中、何でも自分の思い通りに行くわけではない」ということ。 だからこそ生きていく上で拠り所が必要で、それが今失われつつある宗教やイエが果たしていた役割。 日本社会の質・形の変化を悪者に、「昔は良かった」とするのではなく、変化に適応できていないのをどうにかすべき。 ・長い個人主義の歴史をもつ欧米と、最近個人主義を大切にする風潮が出てきた日本。 個人主義が悪いという訳ではない、和を尊ぶことでうまくやってきた日本では強い「個人」を育てる仕組みが弱い。 →道徳規範が弱まって統制のとれない個人の暴走が増えている気がする。教会や儒教、神道(ご先祖様orおてんと様)の存在は躾の中にある。   ・必要なものは簡単に手に入る、お金があれば大抵のことは外注できる、時間をかけなくても帳尻が合う便利な時代。 昔は母親のアカギレや夜なべ姿から親の愛情は自然に感じて育つことができたが、家族の有難味を感じる機会が減っているいる今は、子へ対話して伝える必要がある。でもうまくいかず形骸化しがち(Ex.「〇〇してやってるだろう!」) 才能がなくても気まぐれに語った子供の夢を応援する経済的余裕があるせいで、子供を宙ぶらりんにさせてしまう親の問題もある。 →月並みだけど、物よりも心を通わせるコミュニケーションが大事。 ・昔の日本の父親は強かったというけれど、威張っていただけで父性としては弱かった。母親の役割を下請として父親がやるのも意味がない。父性とは「子供が自分を信じてやることに対しては、誰からも守ってやる」というもの。 →迷惑だから危険だからと何かとリスク回避型になっているのは、子供に対しての父性を日本全体が失いつつあるのかもしれない。 ・「家族の絆」という言葉も昔は「家族に絆(ほだ)されて」という、束縛やしがらみなど悪い意味で使われていた。 今では家族の繋がりが薄くなりすぎて、あって当たり前の「絆」が大切なものと扱われるようになった。

Posted byブクログ

2015/06/02

久しぶりの河合先生の本です。・・・長官などをされているため、最近はちょっと評判が良くないようですが(当時)、でもやっぱり言っていることはよく分かります。一貫して言われていることは、世の中、何でも自分の思い通りに行くわけではない、ということです。そのことが心の底から分かっていないか...

久しぶりの河合先生の本です。・・・長官などをされているため、最近はちょっと評判が良くないようですが(当時)、でもやっぱり言っていることはよく分かります。一貫して言われていることは、世の中、何でも自分の思い通りに行くわけではない、ということです。そのことが心の底から分かっていないから、幼児の虐待なんていうことも起こるのでしょう(もちろん簡単に原因を一つに決めることはできませんが)。こちらがいくら疲れていても、夜中にわーわー泣き出すのが乳幼児。自分の思い通りに行かないからって、まったく抵抗のできない相手を放り投げたりなんてことをするのは・・・。確かに自分も、そんなふうに一瞬思ったことがありました。何がそこでの歯止めになっていたのか。その一線を越えるのは、一体どういうきっかけなのか。もっとじっくり考えるべきですが、でもとにかく、まあ、うまく行かないことの方が多いわなあ・・・というぐらいに感じることができていればよいのでしょう。作家の遠藤周作さんが言っていたことだそうですが、本を書くという作業は「苦楽しい(くるたのしい)」のだそうです。子育てというのも同じようなことがあるのかも知れません。何事につけ、ただ単に楽しいというだけでは本当の満足感は得られないのでしょう。好きなことではあるけれども、それを徹底してやり通すのは苦しいことでもある。でもその苦しみを乗り越えた先にこそ、本当の喜びが見いだせるのでしょう。そう考えると、受験勉強も苦楽しいものなのかも知れませんね。

Posted byブクログ

2015/05/25

日本人の家族問題に深層から答える! 大きくゆらぐ家族関係。家族を救う力とは!! いま、父親にできること、母親に望まれること、子どもが求めていることがわかる本! 現在の日本において、家族、家庭ということはきわめて大切なことである。またそれだけに、家族の中に「問題」がない、などと...

日本人の家族問題に深層から答える! 大きくゆらぐ家族関係。家族を救う力とは!! いま、父親にできること、母親に望まれること、子どもが求めていることがわかる本! 現在の日本において、家族、家庭ということはきわめて大切なことである。またそれだけに、家族の中に「問題」がない、などという家庭はほんとうに少ないのではないかと思う。そして、それは「家族の恥」のように感じられるので、他人に相談もできず、どうして自分の家族はこんなことで悩まねばならないのだろう、と思い悩んでいる人も多いのではないか、と思う。この書物が、家族のことで悩み、真剣に考えておられる方々に、少しでもヒントになることを提供できれば、真にうれしいことである。 ●親子・夫婦の不協和音 ●会話下手なお父さんへ ●親から一番言われたくないセリフ ●なんでも外注していませんか ●中年期の危機×思春期の危機 ●子どもが「悪いこと」をするとき ●新しい異性があらわれたら ●見えない壁ができたとき ●どうすれば心が通じるか ●問題を解消するとっておきの場所

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2015/01/18

著者の意見に共感できる点は、いくつかはあったが、全体的にはやや保守的な見解が多いと感じた。問題事例とそのときの処方箋が書かれているが、なかなか万人が理解しにくいケースが散見された。私自身に引き寄せて考えてみて、つまるところ、ピンとこないということは、現状のイエないし家に特段問題が...

著者の意見に共感できる点は、いくつかはあったが、全体的にはやや保守的な見解が多いと感じた。問題事例とそのときの処方箋が書かれているが、なかなか万人が理解しにくいケースが散見された。私自身に引き寄せて考えてみて、つまるところ、ピンとこないということは、現状のイエないし家に特段問題がないからかもしれない。

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2014/06/28

基盤を何も持たぬまま西欧化した結果中身が空洞になり不安定さに苦しんでいる日本。 内容については悪くはなかったけれど著者が何度も昔はうまくいっていたと語っているのが疑問。昔にもその時代特有の問題が沢山あっただろうしすべてうまくいっていたわけではないだろう。

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2014/03/04

母性・父性について(とくに父性)…目からウロコだった。それがいちばん印象深かったけど、他にもいくつもハッとする箇所が。

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2013/07/03

なかなか微妙だったけど、結論は読んでよかった、面白かったです。 河合隼雄さんという人の本を読んだことなかったので、一度読んでみよう。 というだけの動機でした。 どの本を読もうかなあ、と考えたのは、 ①電子書籍であること。合間合間で読みやすいから。 ②最近の本であること。物語本じ...

なかなか微妙だったけど、結論は読んでよかった、面白かったです。 河合隼雄さんという人の本を読んだことなかったので、一度読んでみよう。 というだけの動機でした。 どの本を読もうかなあ、と考えたのは、 ①電子書籍であること。合間合間で読みやすいから。 ②最近の本であること。物語本じゃないから、あんまり昔のものだと、ピンとこないかも。 ③あんまり分厚くないこと。 というわがままな条件にひっかかったのが、この本でした。 内容は、題名の通り、家族の問題について、全国の臨床心理士さんが河合隼雄さんに質問を寄せ、そのいくつかについて答えるカタチで、河合隼雄さんが自説を述べる、という本。 いちおう、2000年以降の本だし、上記の構成なので語り言葉風。読みやすい本でした。 僕の印象で、微妙だったところは。 ①全体的に、やや老人的な「とにかく昔がよかったのよ」という発言があり、多少白けました。 ②全体的に、「とにかく欧米は日本よりGOODなのよ」という言い方が耳について。多少白けました。 という2点だけですね。 でありつつ、素敵に矛盾しているというか。 昔の良くなかったこともちゃんと言及している。 欧米礼賛については、やや無根拠すぎる節はあります。ただ、「モノゴトの考え方の根っこにキリスト教っていう宗教があるから、その分、地域社会とかの人間関係が希薄になってくる現代、最終的によりどころがあるから、楽だよね」という意見が根っこなんだな、と思いました。 それはそれで、例外異論もいっぱいあると思うけど、一つのジジツではあるよな、と。 で、読んで良かった、面白かったなあ、と思えたのは。 高度成長、そして今不景気社会と、世の中が変動する中で、どうあるべきか、という、いちばん肝心なところの物の考え方、分析、その辺は、僕は好きでした。 要は、「世の中思い通りなんか行くわけないんだから、無駄に深刻に悩みすぎ」 というとらえ方がある一方で、 「今日本で起こっていることは、ある意味前例のない状況。かつての教訓やモラルや習慣では乗り切れない」 「かつての時代の、良かったところというのは分析したり認めたりできる。でも、それを再現しようとするのは、無理」 「結局、西欧的個人主義になってくるんだけど、西欧とちがって宗教というモラルっていうか、軸はない。だから、西欧的理性に基づいて、対話というのをちゃんとしていくしかない」 「敵に突撃しろ!と言われたときに、真っ先に突撃する、という精神よりも、"なぜ突撃しなければならないのか?"と満座の前でも声をあげることが、父性としても大事である」 といったような内容。納得。同感。 また、女性の社会化に伴う母性の在り方とか、いろんな家族についての問題、角度、視点が語られています。 そういう分析はすごくすごく納得で、なるほどなあ。と。 ただ、「じゃあどうしたら良いのか」という論になると。 「前例をあてにせず、対話を。ひとりひとりが考えて、決定して、行くしかない」 という総論は、僕は好き。 で、やや具体論になると、ちょっとユートピア的というか。 理想論すぎるというか(笑)。 そんな印象はありました。 でもね、なるほどなあ。と全体には思いました。最晩期の本のはずだけど、視点や考え方は、新しい古いじゃない。納得できるものだなあ。と。 また別の本も読んでみる気になりました。 と、言いつつ、日本のユング派の巨匠だそうなんで。じゃあユング読めよ、っていう話になるんですけど、実はフロイトすら挫折して読んでないんです。 言い訳ですけどね・・・翻訳で読むのがなんか違和感があってね・・・。 面白くないんだもん・・・。

Posted byブクログ

2013/06/09

今起こっている問題に関する考察については、うならされる内容だった。 懐古的な記述内容については、疑問。それほど昔がよかったのかについて、公正な目で検証できているとは思えない内容だった。 今後に関する考察については、もう少し踏み込んでみて欲しかったな、と思う。

Posted byブクログ

2011/06/09

河合隼雄の柔らかい書き口の本。子育てにおける、母親の力、父親の力、家の力などを西洋文明(個人主義)とそれを中途半端に輸入した日本のあり方との対比で描く。 父性の大切さを説くのだが、日本の父親像は古典的に父性ではなく、母性であったと看破。昔に戻るのではない、新しい父親像を模索する...

河合隼雄の柔らかい書き口の本。子育てにおける、母親の力、父親の力、家の力などを西洋文明(個人主義)とそれを中途半端に輸入した日本のあり方との対比で描く。 父性の大切さを説くのだが、日本の父親像は古典的に父性ではなく、母性であったと看破。昔に戻るのではない、新しい父親像を模索する。 ちょっと「昔はよかった」的論調は気になるけど、全体的には納得納得の本なのでした。

Posted byブクログ