父親の力 母親の力 の商品レビュー
家族について。 父親の役割な、母親の役割など。 それぞれの役割だけでなく、バランスの取り方や、回復への道のりなど、参考になりました。
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約20年前の本なので今の状況と合致していない部分もありそうだが納得できる点も多かった。 「日本の父親像は地位によって守られてきたもので健全な子育てのために新たな父性を構築し直す必要がある」のはその通りだなと思った。 また最近はアンガーマネジメントや子供への対応がハウツーとして提示...
約20年前の本なので今の状況と合致していない部分もありそうだが納得できる点も多かった。 「日本の父親像は地位によって守られてきたもので健全な子育てのために新たな父性を構築し直す必要がある」のはその通りだなと思った。 また最近はアンガーマネジメントや子供への対応がハウツーとして提示されていることが多いが、そのような対応ばかりしていると子育てから感情がなくなり、子供も親の本当の気持ちが分からなくなるという考えも面白いと感じた。
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様々な臨床心理の現場に携わってきた筆者が、現代の臨床心理に携わる人たちから寄せられた質問に答えながら「家庭」「イエ」の在り方について考えを書いた一冊。 最初の方はふむふむと思い読んでいたが 時代の変化により変わっていく子育てと父性、母性の在り方に疑問符がわいてきてしまった。 昔...
様々な臨床心理の現場に携わってきた筆者が、現代の臨床心理に携わる人たちから寄せられた質問に答えながら「家庭」「イエ」の在り方について考えを書いた一冊。 最初の方はふむふむと思い読んでいたが 時代の変化により変わっていく子育てと父性、母性の在り方に疑問符がわいてきてしまった。 昔がよかったなんてことはない。 昔のスタイルで問題もあったからこそ、時代は変化し今のスタイルが築かれてきた。 だからこそこれからの時代をより良くするための「家庭」を「イエ」をつくっていきたい。 また、主語が「昔」や「日本」「欧米」など大きすぎるのも気になった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昔の日本では 絆は「ほだし」と読んで、自由を拘束するという意味で使われていた。今は家族の絆が薄くなったので逆にプラスの意味で使われるようになった。 また、鎖としての絆があるから自立ができる という部分が印象的でした。 子供をコントロールしようとしたり、家族の問題に画一的な原因を求めることに必死になるのではなく、対話がもっとも大切だと実感できました。 話を聞いてもらってる気分になります。
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「父性の復権」で、主張されているような、昔の日本の父親にように戻れ、ということに、なんとなく違和感を感じていたが、本書では、そのような父親像を痛快に否定してくれる。 明治の父親は強かったからとあれを真似しようと思ったら、大きな間違いを起こすことになります。あれは、父親がいばるた...
「父性の復権」で、主張されているような、昔の日本の父親にように戻れ、ということに、なんとなく違和感を感じていたが、本書では、そのような父親像を痛快に否定してくれる。 明治の父親は強かったからとあれを真似しようと思ったら、大きな間違いを起こすことになります。あれは、父親がいばるための制度であったのにすぎません。人間としては、鍛えられていませんでした。(p87) 本書で繰り返し述べられているのは、家族や子育てというのは、そんな簡単なことではない、ということである。 自由意思を持った人間が集まって、しかもちゃんと生きていくという、とても困難きまわりないことをやっているのが家族だからです。(p184) では、どんな父親を目指せばいいのか? 的確な判断力と強力な決断力、不要なものはどんどん切り捨てていくくらいの実行力を持った父親が必要なのです。(p99) これが、父性というものなのである。 また、父親の威厳、父親の権威に関しても、次のように言及されています。 私はこうだ、自分はこう思うというところを明確にしていかなければ、家族の対話にはなりません。(中略)自分がほんとうに生きていること、あるいは自分はこう生きたいということが重要なのです。そのかわりに、そう言うからには、責任をとる覚悟をしておかなければならいでしょう。それが、「父としての威厳」につながります。(p100) 父親が子どもに対して自らの権威を示すためには、これは絶対に誰にも負けないとか、おれはこういう人生観でこういうことをやっている、あるいは、こういうものを持っているというものがないとだめでしょう。それもなく、中途半端なかたちで少しばかり家事の真似事をしても、子どもは父親の権威というものを感じ取ることはないでしょう。(p104) また、日本の宗教的なものとの関わりに関しても、示唆にとんだことが記載されています。 お彼岸に墓参りにいくとか、お盆になると故郷に帰省するとか(中略)そういうときに、必ず家族で行くというのが大きな意味を持っています。 本書が出版されたのは、2004年であり、2021年の現在と17年の開きがあるが、当時と比較して、世の中がさらに進んで子育てがますます難しい時代になってきた。それに追い打ちをかけるようにコロナ禍によって、一層時代が進んでいる。人々は、ソーシャルディスタンスが求められている。一方、ネット上では、世界中の人といつでも何時間でも繋がることができる。このような世界では、視野の広がり方は物凄いが、一方、今まで自然と身についていたことが、身につかなくなってきている。子育てにとっては、大きな壁であるが、それを超えていくことができると信じて、努力すること、それが河合隼雄さんが教えてくれたことだ。 私は、今後、以下のようなことを念頭に努力していきたいと思う。 ・父性として必要な力、判断力、決断力、実行力を家庭で発揮する。 ・家庭内で、間違いを恐れずに自分の考えを積極的に表明する。そこから対話を促す。そして、自分の考え、行動に責任を持つ。 ・今までにない新しい時代に、安直な答えを求めるのではなく、自分なりの思考を通じて、新しい家庭像を作っていく。 こんな立派なこと、できるかな〜。 本書が伴走者になってくれるはずである、だから、少しでも近づける努力はしよう、と思うのでした。
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「えーっ ただいま紹介にあずかりました、 河合でございます。 本日は このような盛大なる会に呼ばれまして 誠にありがとうございます…」 ーと この原稿のとおりに進めますと みなさん あぁ またか という表情になってしまうのですよね という前置きをされて それからは、普段...
「えーっ ただいま紹介にあずかりました、 河合でございます。 本日は このような盛大なる会に呼ばれまして 誠にありがとうございます…」 ーと この原稿のとおりに進めますと みなさん あぁ またか という表情になってしまうのですよね という前置きをされて それからは、普段の話し言葉で 喋り始められた という お話を 河合隼雄さんのスピーチを実際に聴かれた 方から 伺ったことがあります それ以来 河合隼雄さんの本を手に取るときには 勝手に 関西弁(京都弁)に翻訳して 読むことにさせてもらっています 「家族」 新しくて古い、 古くて新しい、 概念ですね 改めて 「家族」というものを 考えさせてもらえる一冊でした
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家族のあり方が変わってきているということを認識した。 家族を持つことは苦労が増えることもあるが苦労をしていないと幸福にはなれない。という意味は実感している。 親は子どもの苦労を見ていられるだけの強さが必要。 父親は的確な判断力と強力な決断力、不要なものはどんどん切り捨てていく実行...
家族のあり方が変わってきているということを認識した。 家族を持つことは苦労が増えることもあるが苦労をしていないと幸福にはなれない。という意味は実感している。 親は子どもの苦労を見ていられるだけの強さが必要。 父親は的確な判断力と強力な決断力、不要なものはどんどん切り捨てていく実行力が必要。 子どもにとっていい家庭とは何か。をよく考える。 子どもの言うことを常に聞くのはよくないことは分かる。 ユングの言葉"旅行に出て行く先が分からない時はとても不安になる。我々の人生の旅において、終着駅がどうなっているか分からないのだから、人間が不安になるのは当然だろう。" 今は何でもお金や機械で手っ取り早く出来ることが多い為の弊害が出ている。面倒なことが大切であったりするのはよく分かる。 また問題の犯人探しをするのではなく問題解決が大切である。 慣れない分野の本であったので読むのに思った以上に時間がかかった。
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私の人生、まだ70年足らずですが、その間、家族の形態は大きく変わってきたと思います。貧乏だったから家族に会話があったのか、裕福になって個室が増えたから会話が少なくなったのか・・・。職場もバブルまでは、会社が疑似家庭であり男は疑似家庭(仕事)で、女は家事と子育てを、そんな暗黙の役割...
私の人生、まだ70年足らずですが、その間、家族の形態は大きく変わってきたと思います。貧乏だったから家族に会話があったのか、裕福になって個室が増えたから会話が少なくなったのか・・・。職場もバブルまでは、会社が疑似家庭であり男は疑似家庭(仕事)で、女は家事と子育てを、そんな暗黙の役割分担が。バブル崩壊後は男も家庭に。この本は、親子、夫婦、父親、母親、子供、いろいろなことを改めて考えさせてくれました。真剣に会話することも、あいまいなまま過ごすことも、見て見ぬふりをすることも、ケースバイケースなんでしょうね。
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(P86) 「突撃!」と号令がかかったときに、真っ先に突撃して死ぬのがもっとも強い父性だと思われていた。 (P87) ・昔の父親は強かったと言われるけれど、本質的に昔から強くはなかった。 ・そこを勘違いして、「昔の強かった日本の父権を復活させよ」と言われるけれど、そうした考えは疑...
(P86) 「突撃!」と号令がかかったときに、真っ先に突撃して死ぬのがもっとも強い父性だと思われていた。 (P87) ・昔の父親は強かったと言われるけれど、本質的に昔から強くはなかった。 ・そこを勘違いして、「昔の強かった日本の父権を復活させよ」と言われるけれど、そうした考えは疑問。 ・日本でこれから父親が強くなろうとしたら、全く新しい父親像をつくりだす覚悟が必要。 ・明治の父親は強かったからと、あれを真似しようと思ったら、大きな間違いを起こすことになる。 ・あれは、父親がいばるための制度。 ・人間としては鍛えられていなかった。 (P89) ・羊の群れ。オスの羊が1歳になると殺す。 オスが何頭もいると統率がきかなくなる。 ・羊の群れをコントロールして人間が生きていく放牧のパターンと、 「聖書」の1歳の男の子を殺す話はほとんど一致する。 (P90) ・父親の存在感 殺すか生かすかの生殺与奪の権力と、それを行使する判断力や勇気 (P166) ・人間というのは、怒ったり怒鳴ったりするから価値があるというのに。 (P167) ・いい子になんか育たない (P169) ・そういう子どもの一面を、おもしろいと思うか、不具合と思うかの差 ・人間というのは、こんなにおもしろいものなんだと思いはじめたら、いろいろなものが見えてきて、どんどんおもしろくなってきます。そこに気づかないまま、あくせく働いているのは、やはり大きな損をしている (P170) ・いまは電車がちょっと遅れただけでも、みんな怒りまくっています。ちょっと予想外のことが起こると、なかなかそれに対応できないでイライラをつのらせます。機械にそういうことを求めるならいいけれど、それを人間にまで求めるから、おかしなことになるのです。 (P227) ・家族の文化、家族の無意識、とひとことで言うのは簡単ですが、そこにある重さ、深さ、広がりにとてつもない存在感があり、まるで自律した動きを持つべつの生き物が、家族の世代を超えて生き続けているかのように感じられるような事例に出会うことがあります。人知をはるかに超えたところで、予測もしなかったような出来事が起こり、あとはするすると糸が解けていくように物事が展開していくのを体験することがあります。家族に宿る魂という言葉がふさわしいのかどうかはわかりませんが、まるで家族の中心に知恵者としてのなにかが存在し、家族の成熟を促したり、家族全体としての絶妙なバランスを保ってくれているようにも感じます。しかし、家族の大きな変化には、死と再生ということがつきものですし、それが象徴的に起こることばかりとはかぎりません。正直いって、事例を担当することに怖さを感じたりすることもあります。(酒井律子さん 京都市教育相談総合センター カウンセリングセンター) (P229) ・三代ぐらいたつと、家族のパターンに合わせられない子どもが出てくることがある 厄介者 じつはその子が改革へのきっかけを与えてくれる
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共感できる部分もあるし、そうなんだろうなと思う箇所も多々あったが、結局は著者の思いであったり考えであって、データなどの裏付けや理由付けなどがほとんどなかったため、ただ著者の考えを聞かされてるだけで全く面白くなかった。まぁ本は著者の考えを述べるものなのでそれはそれでいいし、面白くな...
共感できる部分もあるし、そうなんだろうなと思う箇所も多々あったが、結局は著者の思いであったり考えであって、データなどの裏付けや理由付けなどがほとんどなかったため、ただ著者の考えを聞かされてるだけで全く面白くなかった。まぁ本は著者の考えを述べるものなのでそれはそれでいいし、面白くなければ読むなよというはなしなんですけど。
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