嘘つきアーニャの真っ赤な真実 の商品レビュー
自身が経験した東欧…
自身が経験した東欧共産国での教育体験、そこで知り合った各国の共産党指導部の子供たちのその崩壊後の生活を追跡し、共産主義の理想との乖離に真っ向から立ち向かった優れたエッセーだと思う。著者はロシア語同時通訳者として活躍中、父親は日本共産党の大幹部である。読ませる、その一言である。
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米原さんの東欧での…
米原さんの東欧での子供時代&その頃の友達に再会するお話です。面白いうえ、勉強にもなります。東欧についての歴史や地理を少し知ってから読むと良いと思います!
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異文化コミュニケーシ…
異文化コミュニケーションとは、ただ言葉が通じればいいというものではない。お互いの国の歴史、情況を理解した上でないと、本当にわかりあえたとは言えない。子ども時代の友情、大人になってからの再会という物語の中で、そのことを痛烈に感じました。
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初めて読んだ米原さん…
初めて読んだ米原さんの本です。最初ノンフィクションだとは知らずに読んだので、後でびっくりしました。日本のこと、世界のこと、いろいろ考えるきっかけを与えてくれる本です。
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消息不明となった級友…
消息不明となった級友を探し当て劇的な再会を果たす。時代に翻弄されて大人になった級友達。その背景には東欧の民主化、そしてソ連の崩壊などの時代背景を無視することはできない。級友として過ごした時代から30年経って、彼女達の故国を想う気持ちはどう変わっていたのか。米原さんのベースとなって...
消息不明となった級友を探し当て劇的な再会を果たす。時代に翻弄されて大人になった級友達。その背景には東欧の民主化、そしてソ連の崩壊などの時代背景を無視することはできない。級友として過ごした時代から30年経って、彼女達の故国を想う気持ちはどう変わっていたのか。米原さんのベースとなっているプラハのソビエト学校時代から再会までを綴ったノンフィクション作品です。
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大宅壮一ノンフィクシ…
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。著者の人柄があらわれた勢いのある文章と、手に汗握るような展開(ノンフィクションにもかかわらず!)が魅力的。胸が痛くなるような読後感だけど傑作です。
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米原さんの異国で過ご…
米原さんの異国で過ごした子ども時代。あっさりと書いてあるけれど、時代背景を考えると結構ヘビィだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
最近お気に入りのひかり書店で発見した、 米原万里さん、 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」 実は先日、 月に一度の楽しみにしているコミュニティラジオ 「ビブリオラジオ」で紹介されていて気になっていた。 この本は、著者が1960年から1964年までの約5年間、在プラハのソビエト学校で過ごした少女時代の思い出をもとにした自分史的エッセイ。 当時のプラハには世界50カ国以上の共産圏の子どもたちが集まる国際学校があり、共通語はロシア語。 著者は日本共産党関係者の父親の駐在でそこに通い、多国籍の友人たちと過ごす。 本は3編の連作で、 それぞれにギリシャ人のリッツァ、 ルーマニア人のアーニャ、 ユーゴスラビア人のヤスミンカという 魅力的な同級生との子供時代の友情と、 約30年後の1990年代に再会して知る「真実」が対比されている。 再会を通じて明らかになるのは、 プラハの春以降の東欧の激動——チェコスロバキアの変化、ルーマニアの体制崩壊、ユーゴスラビアの内戦など。 子供時代の純粋な思い出と、 大人になって見えた歴史の荒波のギャップが印象的で、共産主義の理想と現実、民族やアイデンティティの揺らぎを個人的な視点から描いている。 3編それぞれに印象的なシーンがあるので、 ここから少し具体的な内容に触れる。 「リッツァの夢見た青空」では、 勉強のできなかったリッツァが、 名門大学の医学部に進学したと噂で聞いて、 父親のコネで入れたのだろうと疑いなく思っていたマリ。再会して真実を知り、会わなかった時間に積み重ねた彼女の努力と苦労を思って、父親のコネだと思い込んでいた自分を恥じるところ。 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」では、 再会したアーニャに、 言いたいことを飲み込むシーン。 実際には彼女に言ってないが、 あたかも彼女自身に投げつけたかのようなマリの心の中の「」がアーニャとの友情とルーマニアの現実を見た葛藤に揺れていて印象深い。 「白い都のヤスミンカ」はヤスミンカとの再会時、 彼女の以下のセリフで、 事態の深刻さをより大きく感じた。 「でもね、マリ、このすべてが、いつ破壊し尽くされてもおかしくないような状況に、私たちは置かれているのよ。翻訳している最中も、本を読んでいるときも、台所に立っているときも、ふとそのことで頭がいっぱいになるの。すると、振り払っても振り払っても、恐ろしいイメージが次から次へ浮かんできて気が狂いそうになる」(288頁) 「この戦争が始まって以来、そう、もう五年間、私は、家具をひとつも買っていないの。食器も。コップひとつさえ買っていない。店で素敵なのを見つけて、買おうかなと一瞬だけ思う。でも次の瞬間は、こんなもの買っても壊された時に失う悲しみが増えるだけだ、っていう思いが被さってきて、買いたい気持ちは雲散霧消してしまうの。それよりも、明日にも一家皆殺しになってしまうかもしれないって」(288-289頁) 長くなったが、ヤスミンカのこの言葉には、 最近よく考える、国家をはじめとする個人を超えた大きな組織による戦争や紛争に、 否応なく巻き込まれて潰される個人の日常、 奪われるささやかな生活が、 リアルな言葉で綴られていて深く刺さった。 ちなみに恥ずかしながら、 わたしはこのエリアの歴史には特に疎い。 …というか、共産主義や社会主義についても本当に知らないことが多い。 生まれる前の歴史どころか、 自分が生まれた後の歴史でもあった冷戦下に、 共産圏バリバリのエリアでは どんな生活があったのか。 プラハの春や民族紛争などが、 どんな事態に発展したのかさえ全然知らなかった。 経験したはずの歴史も、 自分の世界とは遠すぎて、 意識することさえなかったな、 とこの本を読んで改めて思う。 こういう事象、いっぱいあるんだろう。 時間的、物理的距離はあっても、 いろんな時代、いろんな場所で送られる日常はそれぞれに尊い。 誰かの日常、いつかの生活も、 今の自分の地続きにあることが少しでも意識できるなら、知らないこと、知らない国、知らない思想について恐怖や嫌悪以外の豊かな感想をもてるかもしれない。 とにかく、いろんな方面からいろんな感情を刺してくる内容だった。 めちゃくちゃ面白かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
どこかやるせなさが残る。米原さんのエッセイを読むと、外国に対して無関心でいたことがすごく恥ずかしいことのように思います。他のエッセイも読んでいきます。
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わかってもらえないならいい、って思えるのはすごく閉鎖的で安全な環境にいたんだなって思った。 今までは、他人を理解するなんて無理だし、理解しようとしてくれる人だけを大事にすればいいや、って思ってたけど、わからなくてもわかろうとチャレンジしたり、わかってもらおうとチャレンジをしてみた...
わかってもらえないならいい、って思えるのはすごく閉鎖的で安全な環境にいたんだなって思った。 今までは、他人を理解するなんて無理だし、理解しようとしてくれる人だけを大事にすればいいや、って思ってたけど、わからなくてもわかろうとチャレンジしたり、わかってもらおうとチャレンジをしてみたほうがいいのかもしれないって思った。強くなりたい。
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