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嘘つきアーニャの真っ赤な真実 の商品レビュー

4.4

374件のお客様レビュー

  1. 5つ

    191

  2. 4つ

    101

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2023/11/10
  • ネタバレ

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ラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で聴いて。 著者が生きていたら・・・とラジオでも話していたけれど、どんな発信をされるだろう。 30年以上前のノンフィクションだが、今現在、世界は全く変わっていない。まさに今読むべきかもしれない。 古代から、宗教、民族、思想と難しすぎて、ヨーロッパをはじめ、なかなかすべてを把握できないけれど、とにかく変わらず争いが続いている。 ただ、この当時、3人ともに再会できたことが救いでもある。

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2023/09/06
  • ネタバレ

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「アーニャの言動や生き方にいちいち抵抗を感じながらも、自分はアーニャが好きなんだと思った」 人と人とのつながりには全てが影響し、そして何も関係しないのか。

Posted byブクログ

2023/08/24

現在のロシア・ウクライナ情勢を知ったら、米原さんだったらどんなコメントをするだろう。米原さんのコメントが読んでみたかった。

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2023/07/30

米原万里さんが幼少期プラハソビエト学校で過ごした日々と、その時に出会った3人の友人リッツァ、アーニャ、ヤスミンカとの関わりについて物語として描かれる。幼少期の印象に残る体験が大人になって蘇り、あの子はなぜあの時あの行動をしたのかを知ることになる体験は、実生活でもある。ソビエト学校...

米原万里さんが幼少期プラハソビエト学校で過ごした日々と、その時に出会った3人の友人リッツァ、アーニャ、ヤスミンカとの関わりについて物語として描かれる。幼少期の印象に残る体験が大人になって蘇り、あの子はなぜあの時あの行動をしたのかを知ることになる体験は、実生活でもある。ソビエト学校での体験は、ネットが普及せずそれぞれの文化が現代以上に色濃いものだったに違いない。大人になって3人それぞれに会った時、当時知り得なかった事を知り…。 東欧の状況、民族紛争等、市民の視点で描かれて歴史理解も深まった。名著すぎる。

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2023/07/08

プラハのソビエト学校で出会った個性的な友人について、学生時代の思い出とその後の生活が鮮やかに描かれている。作者は幼い時から大人になるまでに経験した激動の時代の痕跡に直面し、作中の笑いは社会の極限状態を映し出しているかのように感じられる。読者にとっても、国家観を見つめ直すきっかけと...

プラハのソビエト学校で出会った個性的な友人について、学生時代の思い出とその後の生活が鮮やかに描かれている。作者は幼い時から大人になるまでに経験した激動の時代の痕跡に直面し、作中の笑いは社会の極限状態を映し出しているかのように感じられる。読者にとっても、国家観を見つめ直すきっかけとなるであろう。

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2023/05/11

自分とはまったく違った子供時代のドキュメンタリータッチの作品。共産圏、中・東欧の歴史や情勢の激動の中で、子供達が懸命に、社会にのみこまれながらも生きていく姿が印象的だった。3.7

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2023/05/10

米原万里(1950~2006年)氏は、日本共産党幹部だった父親の仕事の関係で幼少期をプラハで過ごし、東京外語大ロシア語学科卒、東大大学院露語露文学修士課程修了、日ソ学院(現・東京ロシア語学院)や文化学院大学部でロシア語を教える傍ら、1978年頃より通訳・翻訳を手がけ、1983年頃...

米原万里(1950~2006年)氏は、日本共産党幹部だった父親の仕事の関係で幼少期をプラハで過ごし、東京外語大ロシア語学科卒、東大大学院露語露文学修士課程修了、日ソ学院(現・東京ロシア語学院)や文化学院大学部でロシア語を教える傍ら、1978年頃より通訳・翻訳を手がけ、1983年頃からは第一級の通訳としてロシア語圏の要人の同時通訳などで活躍した。日本女性放送者懇談会賞受賞。ロシア語通訳協会会長。また、エッセイスト、ノンフィクション作家としても活躍し、『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』で読売文学賞(1994年)、『魔女の1ダース』で講談社エッセイ賞(1996年)、『オリガ・モリソヴナの反語法』でBunkamuraドゥマゴ文学賞(2002年)を受賞した。 本書は、2001年に出版され、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。(2004年文庫化) 本書は、著者が9歳から14歳までの5年間通った、プラハにある(ソビエト連邦外務省が直営する外国共産党幹部子弟専用の)ソビエト大使館付属学校で共に過ごした個性的な女友達3人(亡命ギリシャ人の娘のリッツァ、ルーマニアの要人でユダヤ人の娘のアーニャ、ボスニア・ヘルツェゴビナの最後の大統領の娘でボスニア・ムスリムのヤスミンカ)について、1989年の東欧革命に端を発した激動の中で、20余年の時を経て探し当てて再会を果たし、少女時代には知らなかった、そのルーツ故に辿ったそれぞれのその後を描いたノンフィクション/エッセイ、「リッツァの夢見た青空」、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」、「白い都のヤスミンカ」の3篇から成る。 私は普段、ノンフィクションやエッセイを好んで読むのだが、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。 読み終えて、いずれもノンフィクションなので、当然ながら個別具体性の極めて高い作品である一方、共産主義・社会主義イデオロギー、全体主義的統治、複雑な宗教事情、ユダヤ民族問題等の多くの側面を持った(20世紀後半の)東欧の姿を映し出した三部作の絵画のような作品だと感じた。また、私は1990年代初頭に欧州に駐在し、プラハや、壁がまだあちこちに残るベルリン等に訪れる機会があったのだが、当時、そこに住んでいた人々は、本書に描かれたような生活・人生を送っていたのか、と振り返る意味でもとても興味深いものであった。 尚、解説で斎藤美奈子は本作品をこう評している。「彼女の代表作を一冊だけあげるとしたら、おそらく本書『噓つきアーニャの真っ赤な真実』になるのではないかと思います。米原万里にしか書けない題材と方法論という点では、・・・本書はおおげさにいえば彼女自身の人生と大きくかかわっているからです。本書は二十世紀後半の激動の東ヨーロッパ史を個人の視点であざやかに切りとった歴史の証言の書でもあります。個人史の本も、現代史の本も、個別に存在してはいるものの、両者をみごとに融合させたという点で、『噓つきアーニャの真っ赤な真実』はまれに見る優れたドキュメンタリー作品に仕上がったのでした。」 そして、我々が本書から学ぶこととしては、著者がアーニャに投げかけた次のような言葉になるのだろう。 「抽象的な人類の一員なんて、この世にひとりも存在しないのよ。誰もが、地球上の具体的な場所で、具体的な時間に、何らかの民族に属する親たちから生まれ、具体的な文化や気候条件の下で、何らかの言語を母語として育つ。どの人にも、まるで大海の一滴の水のように、母なる文化と言語が息づいている。母国の歴史が背後霊のように絡みついている。それから完全に自由になることは不可能よ。そんな人、紙っぺらみたいにペラペラで面白くもない」 少女時代をプラハで過ごした著者だからこそ書き得た、傑作ドキュメンタリー三部作である。 (2023年5月了)

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2023/04/21

この本、面白い。 政治権力が行き着くところどこを見ているのかを遠回しに指し示していて、その中で民は途方にも暮れながらそれぞれが悪戦苦闘して生きていく他ないことを思い知らしてくれます。 しかし100年も経たない話ですか、これが。歴史って時代って動いていくもんですね、改めて当たり前の...

この本、面白い。 政治権力が行き着くところどこを見ているのかを遠回しに指し示していて、その中で民は途方にも暮れながらそれぞれが悪戦苦闘して生きていく他ないことを思い知らしてくれます。 しかし100年も経たない話ですか、これが。歴史って時代って動いていくもんですね、改めて当たり前のことを感じました。

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2023/04/14

自分の知らなかった世界。 この本を読んで良かったと思う。 自分の家族や友達、つまりは自分の生きてる視界には全くと言っていいほど実際かかわりがなかった世界を知れた。 きっと一生話すことのなかったろう人たちの話を聞けた。 東欧で生まれたらどんな人生になるのか。 社会主義、民主主義と...

自分の知らなかった世界。 この本を読んで良かったと思う。 自分の家族や友達、つまりは自分の生きてる視界には全くと言っていいほど実際かかわりがなかった世界を知れた。 きっと一生話すことのなかったろう人たちの話を聞けた。 東欧で生まれたらどんな人生になるのか。 社会主義、民主主義と政治的思想に翻弄されて生きるということ。 ナショナリズムが個人のアイデンティティにかかわるなんて当たり前のことだけど、 こんなに逃れられないものなのか。 米原さんの別のエッセイを読んだ時は、この人の作品あんまり好きじゃないなあ、と思ったんだけれど、この本には引き込まれた。

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2023/03/06

(2004年に別のところに書いたレビューの転載) 文庫化を待ちわびて、さっそく読んだのですが、単行本がでたときによんでおけばよかった! と思いました。物語として読ませるのはもちろんですが、数十年前の共産圏の暮らしぶりや人々の考え方、その後の変化の様子などがよく描写されていて、勉強...

(2004年に別のところに書いたレビューの転載) 文庫化を待ちわびて、さっそく読んだのですが、単行本がでたときによんでおけばよかった! と思いました。物語として読ませるのはもちろんですが、数十年前の共産圏の暮らしぶりや人々の考え方、その後の変化の様子などがよく描写されていて、勉強になりました。 通訳から作家・エッセイストとして明るく剛胆でさばさばしている印象がある米原さんですが、少女時代をのエピソードから素顔をちらと垣間見たような気もします。 マリがプラハのソビエト学校で出会った各国の少女たちのその後は、どれも平坦ではないけれども、それぞれたくましく生きていることも感銘を受けるし、そうした彼女たちに曲折を経て再会し、思い出と現実を行き来する著者の姿にも打たれました。 さらに年月が流れ、彼女たちはいまどうしているのだろうと気になります。

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