ピンク・バス の商品レビュー
表題作の「ピンク・バス」は主人公のサエコの妊娠が判明するところから始まる。夫のタクジに妊娠を報告したが、彼は思ったほど喜んでくれない。さらにタクジの姉でかなりの変わり者、実夏子が転がり込んで来たものだから、サエコの精神は逆撫でされるばかりで…。 ホームレスの鉄男(通称レゲエ野郎)...
表題作の「ピンク・バス」は主人公のサエコの妊娠が判明するところから始まる。夫のタクジに妊娠を報告したが、彼は思ったほど喜んでくれない。さらにタクジの姉でかなりの変わり者、実夏子が転がり込んで来たものだから、サエコの精神は逆撫でされるばかりで…。 ホームレスの鉄男(通称レゲエ野郎)との交遊が回想として挿まれているのがミソ。これがなかったら単なる妊婦の憂鬱で終わってしまう。 この人の小説は読んでいてかなりリアルに想像できてしまうところがすごい。だから巻き込まれると大変。 他に「昨夜はたくさん夢を見た」を収録。
Posted by
精神のバランスをくずしている。それぞれが強烈な異彩を放っている。身の毛もよだつミステリアスな雰囲気が恐怖を募らせる。
Posted by
なかなか難しい本ですね。妊娠でイライラしている日々のモロモロ~とも思えるけど、インパクトのある箇所も多くなんか面白い読後感。レゲ朗との日々はかなりの強烈さ。お腹の中で違う人間が育っていく不思議さは共感する。日常と非日常の対比かな?それがバランスよく溶けててフワフワしてる部分に目が...
なかなか難しい本ですね。妊娠でイライラしている日々のモロモロ~とも思えるけど、インパクトのある箇所も多くなんか面白い読後感。レゲ朗との日々はかなりの強烈さ。お腹の中で違う人間が育っていく不思議さは共感する。日常と非日常の対比かな?それがバランスよく溶けててフワフワしてる部分に目が行く時と、汚く混じった嫌悪感が目につく時との差みたいな?う~ん、言葉にするのは難しい。
Posted by
先に読んだ寺山作品の解説が 角田光代だったので 「つぎ角田さん読もう」 と何となく手に取った本。 『ピンク・バス』『昨夜はたくさん夢を見た』の2編とも 体が調子悪いときの不快感の表現がまぁみごとで やだなぁー。と思いつつ 一緒に体調悪くなりそうでした。
Posted by
大学生の時に浮浪者の男の子と共に過ごしたサエコ。 浮浪者として暮らす彼の隣にいるだけで、サエコは快感だった。気分が良かった。 けれど、その思いは次第に崩れていく… っていう若さ故の幻想はとてもよくわかったが、全体的に面白くなかった。残念。
Posted by
一番最初に読んだ角田光代作品と思う。 私の中の統計によると 角田さんの作品は 読了感がくさくさした気持ちになるのが多い。
Posted by
角田作品は解説の石川氏曰わく「疲労感」を味わう小説。この独特な感性は女性の「生理」から生まれるのだろうか? 収録の2作品とも、主人公にとって解決しなければならない出来事が起こるが、積極的に解決に向けて動くことはしない。もどかしい疲労感を十分に味わった。
Posted by
「昨夜は沢山の夢を見た」はお薦め。全体的にどうしようもない倦怠感や逃れられない疲弊感の漂う物語。ちょっと読んでてホラーでした…。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ピンク・バス」と「昨夜はたくさん夢を見た」の2作品。 2作品とも、読み手の好みが分かれる作品なのでは・・・ ・「ピンクバス」 少しシュールな雰囲気漂うストーリー。 意味不明なお話だと感じつつも、サエコになんとなく感情移入できるのは、何故なんだろ・・・と思いながら、後書き(「角田光代の”疲労感”について 石川忠司」)を読んだら、 「ピンク・バス」が扱っている問題は「意思」と「運命」との対立だと言っていいだろう。 ・・・とあり、納得。 そういう観点から読むと、なかなか面白い作品だと思った。 ・「昨夜はたくさん夢を見た」 生死にかかわらず、身近な人との別れに直面した時の、残された側の心情が描かれた作品。
Posted by
読んでるとき、ちょっと怖かった。気持ちわるいところもあり、現実との境い目があいまいになる。2話載っていたが、どちらもあまり好きじゃない。
Posted by