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悲劇の誕生 の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2013/04/02

現代の生きづらさにも直結するようなものを感じた。もっと人というのは、表面的な規律にばかり従うのではなくて、もっと根源的な本能で生きていきたいと願うものである。それは、規律というのは、自分の意志とは関係ないところで作用するもの、そして根源的な本能というのは、自分の本音、または欲望で...

現代の生きづらさにも直結するようなものを感じた。もっと人というのは、表面的な規律にばかり従うのではなくて、もっと根源的な本能で生きていきたいと願うものである。それは、規律というのは、自分の意志とは関係ないところで作用するもの、そして根源的な本能というのは、自分の本音、または欲望であるということが出来る。つまりは、人間の素直な気持ちを発露する道をつぶし、より規律的に、本音を押し隠して生きて行かなければならない所に、現代的な精神病理があるような気がする。つまりは、この書は、ディオニュソス的なものとアポロ的なものに大別して、掲げた、人間の本来の生き方を説いたものであるということだ。現代というのは、人間の本能を押し込まれ、本当は全く関係のない合理的な生き方を押し付けられる傾向がある。その合理的な呪縛から、どのように解放する途を築くのか。それは、これからの時代、芸術にかかってくるのだと思った。

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2013/03/17

(1969.08.19読了)( 1969.01.27購入) (「BOOK」データベースより) ニーチェ(1844‐1900)の処女作。ギリシャ文明の明朗さや力強さの底に「強さのペシミズム」を見たニーチェは、ギリシャ悲劇の成立とその盛衰を、アポロ的とディオニュソス的という対立概念に...

(1969.08.19読了)( 1969.01.27購入) (「BOOK」データベースより) ニーチェ(1844‐1900)の処女作。ギリシャ文明の明朗さや力強さの底に「強さのペシミズム」を見たニーチェは、ギリシャ悲劇の成立とその盛衰を、アポロ的とディオニュソス的という対立概念によって説いた。そしてワーグナーの楽劇を、現代ドイツ精神の復興、「悲劇の再生」として謳歌する。この書でニーチェは、早くも論理の世界を超えた詩人の顔をのぞかせる。

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2010/01/21

演劇関係の本で良く引用されているので読みたいと思っていたが、迂闊にも岩波文庫現役で出ているとは知らなんだ。ニーチェのめぼしい著作は既にあるので、これも読みたい。で、買っちゃいました。余裕で新刊で出てるんだ。

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2009/10/07

アポロとディオニュソス。陶酔、脱我、放擲、脱自。それでもあるのか根源的一者が。その連続性が郷愁を生む。

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2009/10/04

正気と狂気を行ったりきたり、哲学と文学を行ったりきたりする紙一重系哲学者、ニーチェの書いた一番最初の本。当時の学会からは完全に黙殺されたようだけど、彼のギリシア悲劇の解釈は大胆で面白い。ところどころ論理が飛んでいるので星4つ。なお、彼は文献学から哲学に少しずつ転向していってます。...

正気と狂気を行ったりきたり、哲学と文学を行ったりきたりする紙一重系哲学者、ニーチェの書いた一番最初の本。当時の学会からは完全に黙殺されたようだけど、彼のギリシア悲劇の解釈は大胆で面白い。ところどころ論理が飛んでいるので星4つ。なお、彼は文献学から哲学に少しずつ転向していってます。ニーチェの哲学が知りたい人は「道徳の系譜」、呼びかけ文が好みの人は「ツァラトゥストラはこう言った」から入ることをおすすめします。

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2009/10/04

「われわれは、われわれがいわば生存に対する 測り知れぬ根源的快楽と一体となり、 この快楽の不滅と永遠をディオニュソス的恍惚境に おいて体験するその瞬間に、 これらの苦悩(変転の没落)の大いなる棘に突き刺される。 恐怖のなかで、われわれは生ける歓喜を知る」 ああ、時は肉の没落へと...

「われわれは、われわれがいわば生存に対する 測り知れぬ根源的快楽と一体となり、 この快楽の不滅と永遠をディオニュソス的恍惚境に おいて体験するその瞬間に、 これらの苦悩(変転の没落)の大いなる棘に突き刺される。 恐怖のなかで、われわれは生ける歓喜を知る」 ああ、時は肉の没落へと我らを強制的にいざなうとしても、 この今の永遠をゆえに絶対的至高の永遠として愉悦する無限、 それこそが少年を愛する醍醐味、ああ、少年愛よ! ・・・ごめんなさいw

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