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悲劇の誕生 の商品レビュー

3.9

26件のお客様レビュー

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2018/08/15

読み通すには根気がいる。独断的持論が展開され、論旨の繰り返しには辟易させられる。ギリシャ芸術をアポロ的なものとディオニュソス的なものとの対立軸で両者が絡み合いながら発展する過程で悲劇の誕生を論じている。直観的理解を阻むかのように難解な表現が煙に巻く。著者の高揚感と反するように冷め...

読み通すには根気がいる。独断的持論が展開され、論旨の繰り返しには辟易させられる。ギリシャ芸術をアポロ的なものとディオニュソス的なものとの対立軸で両者が絡み合いながら発展する過程で悲劇の誕生を論じている。直観的理解を阻むかのように難解な表現が煙に巻く。著者の高揚感と反するように冷めた眼で読み進めることになる。

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2017/09/25

デュオニュソスとアポロ、ソクラテスがキーワード。 詩的な叙述。芸術と悲劇を巡って、生きる根源、文化の根源に迫った作品。字が小さかったが、グイグイと引き込まれた。木田元氏が、「反哲学」=ニーチェと喝破した、片鱗が見えた。特に前半。仏教についての肯定的な言及もあった。キリスト教への排...

デュオニュソスとアポロ、ソクラテスがキーワード。 詩的な叙述。芸術と悲劇を巡って、生きる根源、文化の根源に迫った作品。字が小さかったが、グイグイと引き込まれた。木田元氏が、「反哲学」=ニーチェと喝破した、片鱗が見えた。特に前半。仏教についての肯定的な言及もあった。キリスト教への排撃は激しい。

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2017/03/22

私の知識不足、読書不足、勉強不足、読解緑不足で、「エチカ」に並び、全く意味不明でした、全然理解できませんでした。

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2016/03/06

ひさびさニーチェ。ニーチェの中ではかなり読みやすいほう。ギリシア悲劇を題材にしているのでとっつきやすいし。「善悪の彼岸」がいちばん面白いと思うけど、これも悪くはない。

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2015/12/31

訳者(秋山英夫)による解説がおもしろい。術語があいまいで捕捉しがたいという。有名なアポロ的とディオニュソス的という対立概念にもそれはあてはまるとのこと。また、メレンドルフによる批判も紹介している。音楽が基本で歌詞が従であるというニーチェの考えは、受け容れがたいと、メレンドルフは述...

訳者(秋山英夫)による解説がおもしろい。術語があいまいで捕捉しがたいという。有名なアポロ的とディオニュソス的という対立概念にもそれはあてはまるとのこと。また、メレンドルフによる批判も紹介している。音楽が基本で歌詞が従であるというニーチェの考えは、受け容れがたいと、メレンドルフは述べているとのこと。

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2014/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あとになってワーグナーと決別したニーチェは処女作である本書を悔やむことになる。後代の歴史を知っているわたしたちにしてみればドイツ民族称揚がいかにもナチス好みだったろうところの方に注意が向くけれど。 21世紀に改めて本書を取り上げる視点は、ニーチェが真っ向から攻撃したソクラテス主義~科学主義、ニーチェが回避した経済主義、この二つからひとは自由たり得るかという問いかけだ。ニーチェ以後とはこの難題の尖鋭・肥大の歴史であるにすぎないかもしれない。 そしてフーコーにも受け継がれた芸術(美)的人生という問題になるのだが、今のわたしたちにとってのアートのギャップこそ時代的深刻さとして考えこまずにはいられない。 アポロ的造形芸術、デュオニソス的悲劇、その源泉としての音楽。科学と経済に厳然と対峙し凌駕する音楽。つまりそれは神話である。 そのような音楽への旅。現代のニーチェ探訪は改めてそこからだ。わたしたちにはわたしたちの神々がいるはずなのである。

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2013/07/28

ニーチェというと思想詩的文体や、中期著作の預言の書みたいなアフォリズム集的な構成のために、あまりに文学的で抽象的思索や体系的思索を嫌った「詩人哲学者」イメージが一般的である。しかしながら、処女作にあたるこの作品は、秩序だった文章構成になっていて論理的に書かれており読みやすい。とは...

ニーチェというと思想詩的文体や、中期著作の預言の書みたいなアフォリズム集的な構成のために、あまりに文学的で抽象的思索や体系的思索を嫌った「詩人哲学者」イメージが一般的である。しかしながら、処女作にあたるこの作品は、秩序だった文章構成になっていて論理的に書かれており読みやすい。とはいえあくまでもニーチェの中ではという意味で、巻末の秋山英夫の解説にも〈これはもはや文献「学者」の操作ではない、詩人ニーチェの「創作」である。〜中略〜ニーチェはこの本で「詩人」として、デビューした〉とかかれている。じゃあもう赤帯分類でいいじゃんね。 若きニーチェはワーグナー、そしてショウペンハウアに心酔していたらしいので、形而上学的根拠はショウペンハウアに依拠しているし、ギリシャ古典論を展開しておきながらもワーグナー論みたいになっている。 なので本書において語られる、かの有名な「アポロ的なもの」と「ディオニュソス的なもの」という対立概念も、ショウペンハウアの『意志と表象としての世界』を読んでないとピンと来ない。まぁワーグナーは聴いたことなくてもいいと思うけど。 後のニーチェは、ショウペンハウア哲学からの脱却、あるいは克服への意思を強め、さらにいろいろあってワーグナーもディスるようになり、最終的にはショウペンハウアどころか、形而上学そのものの価値を否定するに至るのではあるが、それはまだ先の話である。 とはいえ、本来孕んでいる無秩序と矛盾を直視しないのは一種の弱さであると、自己欺瞞を認めない姿勢や、あくまでも強さのペシニズムを模索している点などには共通点を見出せる気がする。それにニーチェの思索はギリシア古典から始まったのかと思うと興味深いですよね。ニーチェを読むなら何がいいかときかれたら、まずはこの本からだと思うのです。76点。

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2013/02/25

ニーチェの処女作。悲劇の誕生は音楽にあることを主張している。ニーチェの詩人としての才能がにじみでている文章。ニーチェが意図的に引用を違った文脈で用いていることも注をみるとわかる。

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2013/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

悲劇はどこから発生せざるをえなかったのか?ひょっとしたら、悲劇は快感から生まれたのではないか?力から、みちあふれるような健康から、ありあまる充実から発生したのではなかったか? という常識とは真逆の問いを鮮やかに解いてくれてます。 確かに、青春のゆたかさがあればこそ、悲劇的なものへの意志をもち、ペシミストになれるという理屈もあるかも知れない。 芸術に対する皮相な理解をくつがえし、芸術の本質に迫っていてとても参考になりました。私がライブや演劇を見て涙を流す理由がわかりました。ニーチェさんの言われる芸術的なものは触れる者の魂を癒し、生きる力を賦活する。 また、ソクラテスを悪玉に仕立て上げての近代文明の批判も鋭くて恐れいりました。明治になって西洋文明を取り入れて、日本人は苦悩したんだけど、当のヨーロッパも既にして病んでたんだと書いてあって、なるほどと思いました。現代のヨーロッパ文明の行き詰まりも予言していて、ホント天才って凄いなぁ。 知らない言葉がいっぱい出てくるけど、あまり気にせずガンガン読めば色々ためになる良い本だと思います。 水野先生からの課題図書

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2012/11/12

試験直前にとにかく気になって読み始めたら、試験後急に読めなくなった??いい本だなと芸術のことなのかなとすすみ

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