能力構築競争 の商品レビュー
会社で上司に渡された本 日本の自動車産業における競争力の源泉を「表層」「深層」に区別し解説 業務においても非常にためになった
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今日のトヨタをはじめとした日本の自動車メーカのものづくりが世界で 通用しているのかを過程に基づき説明し、将来も競争に負けない 自動車産業の目指す姿、他の製造業にも応用できる事柄を説明した本。 アメリカの自動車に依存してきた日本の自動車生産から日本独自の自動車 生産に進化したの...
今日のトヨタをはじめとした日本の自動車メーカのものづくりが世界で 通用しているのかを過程に基づき説明し、将来も競争に負けない 自動車産業の目指す姿、他の製造業にも応用できる事柄を説明した本。 アメリカの自動車に依存してきた日本の自動車生産から日本独自の自動車 生産に進化したのは、QCD+F(プラットフォーム共通化等による生産柔軟性)を 粘り強く・しぶとく磨き上げていることが一番大きな要因と語る(p.15)。 能力構築競争とは、企業が経営の質を高めるために切磋琢磨することと定義している。 上記の結論はタイトルを反映した内容となっており、筋の通った本だと考えられる。 本書では以下7つの問題を設定し、筆者の考えを述べている。 1.競争力の本質は? →統合的なバランス力 2.なぜ自動車産業が注目されるのか? →様々な部門のすり合わせによるつくられる製品ゆえ 3.競争力がつくまでの過程は? →当事者が予期せぬ問題を地道に解決するサイクルを回した 4.外部要因が与えた影響は? →早期問題発見による早期解決(フロントローディイング)、為替差損による海外企業に対するビハインドを危機感として能力構築を地道に行った。 5.競合が追いつけないのは? →日本のシステムを解読するのに時間がかかっている。 6.弱点とその克服について →Q向上による過剰設計が課題であったが、簡素設計を意識し克服。 7.利益を上げるには? →利益確保の長期戦略のイメージが課題 <参考になった部分> ・製品の認知度が上がったときにユーザはトータルバランス、ユーザが使う環境下での 導入のしやすさで製品の価値を考える。(p.56) ・ものづくりは設計情報の転写の繰り返し。転写がうまくできれば開発期間の短縮・生産 リードタイムの短縮化がはかれる。(p.85) ・生産性の向上は各工程ごとにスピードアップを図ることを意識(海外メーカ)よりも ものができあがるまでのトータル時間を短くする(トヨタの視点)が大事。(p.116) ・開発は重量級PMが製品コンセプトを創造し、それに沿って各部門が動き ものを作り上げてきた。強いPMが製品の全ての責任を負うシステムが結果を挙げている。(p.120) ・新規市場開拓は早いうちに初期開発品を市場投入し、市場を把握しイメージを作る。 次に開発品の質を高めつつ、ラインナップをそろえることを限られたコストで実行する。(p.122) ・改善活動は上に提案される前に、事前検証を行いデータもそろえた状態で提案されることがトヨタでは徹底されている(p.135) → 他者の説得はデータに基づいて行われる。 ・新規産業創出のための開発:ティアダウン→試作→国内部品の作りこみ→国内産業の活性化(p.147) ・関連技術保有技術者の採用による強い開発体制づくり(p.192) ・コモディティー化:製品の差異化が図れず、価格勝負しかない状況(p.260) ・世界規模の産業創出は1企業だけでは難しい。関連企業や国も巻き込む(p.262) ・マツダのユーノスロードスターは1人のPMが開発を始めた所から大ヒットを生むに至る(p.321) <さらなる疑問> 生産計画に修正があった時、ジャストインタイムは崩れないのか?
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日本のもの造りがこの一冊でわかる。 今や中国で安い労働力を使い、安く物を造れる時代。 そんな中、日本はこれからどの方向に行けば良いのか?この一冊に全て凝縮されている。 世界をも誇る日本のもの造りをこの一冊で感じとってもらいたい。
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