ローワンと白い魔物 の商品レビュー
最終巻! 冬は来ても春は遠かった。終わらない冬の原因を見つけるため、再び魔の山に登る。表紙になってる毛皮コート暖かそう。 4巻で明かされたと思っていたリンの谷の歴史にはまだ続きがあったことにびっくり。正直4巻で終わりにしても良いんじゃないかと思ったくらい、色々丸く収まった感があ...
最終巻! 冬は来ても春は遠かった。終わらない冬の原因を見つけるため、再び魔の山に登る。表紙になってる毛皮コート暖かそう。 4巻で明かされたと思っていたリンの谷の歴史にはまだ続きがあったことにびっくり。正直4巻で終わりにしても良いんじゃないかと思ったくらい、色々丸く収まった感があった。でも全貌がわかった時、5巻で明かされる歴史は知っておくべきことだと思った。歴史を受け入れるって大事なんだよな。 メビウスの輪みたいな、歴史の繰り返し。自然との共存、人間のちょっとした愚かさ、そういうものが描かれていて、うーんこれは小学生の時は理解できなかったなという、大人の伏線を回収した。 ふと気になったのは、この手の物語によく付いてる"地図"がないこと。リンの谷よりマリスの街の方が暖かい、という説明が出てきて、そうだったのかという感じ。まあなくても困らなかったけど。 あと、シリーズ通して謎解き冒険でもあって、毎回謎の詩が出てくる。何故はっきり言わずになぞなぞが出されるんだという登場人物がいて、それに対する答えが、 「たぶん生きてくってことそのものが、謎だからじゃないのかな。人生の道をたどりながら、みんな自分でその謎を解いていかなくちゃいけないのよ」 だった。 20年ぶりの再読、完走!
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長いこと積読であったリンの谷のローワンをやっつける。 非常に良く出来た児童向けファンタジーであった。読み易くぐいぐいと引きつけられ落ちもしっかりと効いている。どの巻を取っても非常に面白く読み甲斐のあるシリーズと言える。 ただ少し物足りないのも事実。細かいところまであまりにも良...
長いこと積読であったリンの谷のローワンをやっつける。 非常に良く出来た児童向けファンタジーであった。読み易くぐいぐいと引きつけられ落ちもしっかりと効いている。どの巻を取っても非常に面白く読み甲斐のあるシリーズと言える。 ただ少し物足りないのも事実。細かいところまであまりにも良く出来ていて、その過不足の無さ故、幻想小説にあってほしい「得体が知れない感」や「腑に落ちない感」が感じられないのだ。 その後同じ作者のデルトラクエストシリーズの世界と連結したらしいが、さすがにそこまで手を伸ばすのはためらわれるなぁ。
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ローワンシリーズ5作目の最終巻。 前回でリンの谷と関わりのある人たちが勢揃いしたので終わったのかと思えば、これが最終巻。 村が長い冬に閉ざされ、生活ができないので村を捨てて避難することから始まる。 このシリーズの勝手なテーマとして、巡ると関係し合うだと思うのだけれど、リンの谷と過...
ローワンシリーズ5作目の最終巻。 前回でリンの谷と関わりのある人たちが勢揃いしたので終わったのかと思えば、これが最終巻。 村が長い冬に閉ざされ、生活ができないので村を捨てて避難することから始まる。 このシリーズの勝手なテーマとして、巡ると関係し合うだと思うのだけれど、リンの谷と過去と今、山との関わり、バクシャーとの関わり、黄金の谷との関わり。それらが収束していくドキドキがたまらなくよかった。 ただ、ローワンは昔は臆病だったのに、今は自己犠牲が過ぎるようになったのは、試練を乗り越えすぎたからではないかと考えてしまう。
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ローワンシリーズも最終巻!禁じられた山から始まった物語は再び禁じられた山へ!最終巻まで全く読み応えのあるシリーズだった! 旅の人、ノリス、ゼバックとさまざまな人々をめぐってきたシリーズだが最終巻で描かれるのは、リンの人々のルーツとそれと密接なバクシャー達の物語である。今までと比べてもあまりにも過酷すぎる気候の中での冒険で、かなりハラハラしながら読むこととなった。そして最後のどんでんがえしとアッと驚く展開、そしてとある面白いミスリード!面白いのは今回明かされたリンの人々の事実、黄金の谷とリンの人々の関係を考えると、第二巻の詩が別の意味を持ってくるところである。読み返してみると色々な発見があるかもしれない。 さて最終巻ということで今回も色々な人が登場していた。いかに印象に残った人物を示していく。 まずはシバ。今回はローワンがシバから力を与えられ、その役割を果たすことになる。ローワンに対して対等に話すなど今まで以上に心情が描かれており、ローワンが感じるシバの立場の重みなどが示されるなど、謎多き人格の一端がわかった気がする。 次に長老のラン。前巻の最後でローワンと相対した場面が印象深い彼女だが今回はその過去と、ローワンへの複雑な感情が示され色々とキャラに深みが出てきた気がする。特に考える方向性は違くてもローワンと自分を似たもの同士と考える部分はグッときた。 最後にノリス。彼はローワンと対になる存在だったといえよう。彼らは性格は正反対だが、二人とも妹を持つ兄で、優しくて穏やかな人々の中で生まれた勇敢で賢いノリスと、勇敢で賢いリンの中で生まれた優しく穏やかなローワンと、似たような立場にあったことがわかる。そしてそれ故に二人とも、役立たずと言われコンプレックスを感じていたのだ。ノリスは絹絵の家系に生まれたのにそれができずに妹が生まれることになった経緯があり、そうした部分のコンプレックスも一際大きいだろう(おそらくローワンの父親の件に関する部分)。途中で実際にコンプレックスを口にする場面もあり、益々それを強く感じた。前作でローワンが自分の特性の出どころを見つけて喜んだ部分があったが、それはノリスも同じことだったのだ。それでもローワンが自分の力や知恵で多くの人々を救ったように、ノリスはゼバックの兵士から家族を守ってきたのであり、今回も二人がそれぞれの特性を活かして活躍し故郷を守ったことは、ローワンそしてノリスの救済の物語でもあったのだと考える。ノリスはもう一人の主人公でもあったのだ。 一番好きなシーンは、初めの方にローワンがバクシャー達と氷に閉ざされた村に残ると決心し、それを周りも受け入れた場面。英雄としてではなくバクシャー係としてのローワンの誇りと信頼が感じられる場面だ。今回はローワンが予言をする役割を有しており、色々と人間離れしている部分も多かったため、そういう意味でもこの場面は印象深い。 また谷の実力者であるランとブロンデンと共に共闘する場面は、今までもありそうでなかったところなので個人的に盛り上がった。特にブロンデンは過去に優しく穏やかな親友を失った経験があることを考えると、今回ローワンとシャーラン命を救ったことにも色々感慨深いことである。 最後に面白いな、と思ったことは、アイスクリーパーやバクシャー、そして自然の地形が絡み合う生態系の姿である。第三巻の大蛇や第四巻の荒地でも描かれていた部分であり、作者の自然への接し方が垣間見えて面白い。ドラゴンの両義性や悪魔の木の元いた場所での抑制なども相まって結構自分の好きなタイプの自然観のようである。実際自分も現実やファンタジーのこうした部分が好きなのでここは毎回楽しみにしていたところ。こうした部分はデルトラクエストや勇者ライシリーズなどにも受け継がれている部分だろう。
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デルトラとチュウチュウ通りを読み終えた後に、こちらのシリーズを読み始めました。 デルトラのリーフとは全く違う性格のローワン。 子供がちょうど国語の授業で習っていた「モチモチの木」の豆太に似ていますね。 弱虫と言われているけど、やる時はやる子! 毎回つらい試練を乗り越えるローワンと仲間たち。 最後の旅も読み応えがありました。
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少し前に読み終わったので、だいぶ忘れてしまった。 シリーズ最終巻。ずっと吹雪の山中を歩いて行く内容で、とにかく雰囲気が重いまま終わった印象。 読みやすかったが、爽快感やほっこり感がなかったので最終巻としては残念。
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甥っ子ちゃんにオススメされたローワンシリーズ、いよいよ最終巻です。 頁を開いた瞬間から重苦しい空気で、寒さと飢えに襲われた村の人々の殺伐とした雰囲気がつらかった・・・ とはいえ本巻は私の大好きなバクシャーが主役。大活躍でした♪ 最終巻らしい記述は特にありませんでしたが、ローワ...
甥っ子ちゃんにオススメされたローワンシリーズ、いよいよ最終巻です。 頁を開いた瞬間から重苦しい空気で、寒さと飢えに襲われた村の人々の殺伐とした雰囲気がつらかった・・・ とはいえ本巻は私の大好きなバクシャーが主役。大活躍でした♪ 最終巻らしい記述は特にありませんでしたが、ローワンがずいぶん成長したのでね、このあたりで卒業がちょうど良いのかも。 それにしても、最近の児童書はハリーポッターといい、ワクワク楽しいだけではないメッセージが色々込められているなと。。 今の子って私が子供の頃より精神年齢が高いのかしら。 私の子供時代はコロボックルとか、平和なお話の記憶しかないデス。 そういう世相を知るという意味も含め、いろんな世代のいろんなジャンルの本を読むのは楽しい。 甥っ子ちゃんからオススメされている本はまだあるのでね、図書館が通常運営はじめたらまた借りに行こう。。
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リンの谷をおそった異常気象。谷は雪にうずもれ、食料は底をついた。そして不気味な霧とともに「魔の山」からやってきたものは…・。スリルあふれるローワンシリーズ、待望の第5巻発売!いくつもの冒険を重ねてより勇敢に、より賢くなったローワンがリンの谷史上最大の困難に立ち向います。
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【あらすじ】 リンの谷をおそった異常気象。谷は雪にうずもれ、食料は底をついた。そして不気味な霧とともに、白い魔物がやってくる。村人たちは生きのびるために、リンの村をあとにした。残されたのは五人だけ。バクシャーと運命をともにすることを決意したローワンと、女長老ラン、ノリスとシャーランの兄妹、それに家具屋のフロンデンだった。 【感想】
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新年1冊目は、息子に勧められた物語から。 主人公のローワンは、決して快活でもなく、飛び抜けた知恵や力があるわけでもない、男の子。 仲間たちも、飛び抜けて優秀というわけではない。不安や恐怖にかられながら、それでも一歩、また一歩と前へ進み、恐ろしいものの正体へと近づいていく姿にいつ...
新年1冊目は、息子に勧められた物語から。 主人公のローワンは、決して快活でもなく、飛び抜けた知恵や力があるわけでもない、男の子。 仲間たちも、飛び抜けて優秀というわけではない。不安や恐怖にかられながら、それでも一歩、また一歩と前へ進み、恐ろしいものの正体へと近づいていく姿にいつしか親近感を覚え、気づけばページを繰る手が止まらなくなりました。 人は弱い。 けれども、先人の知恵に耳を澄まし、消えそうになる希望を必死で掴み、泣きながらでも前に進むことで開けてくる未来。 素敵な物語でした。シリーズもののようなので、ほかの作品も少しずつ読んでみようと思います。
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