ユートピア の商品レビュー
二部構成になっていて、一章ではユートピアの話を聞いた経緯、二章ではユートピアの話となっていました。一章では中世のヨーロッパの政治うんぬんで始まるのですが、その始まりの第一章で読みづらく感じてしまったので、細切れに読んでました。その結果、およそ半年でやっと読み終わりました。 ...
二部構成になっていて、一章ではユートピアの話を聞いた経緯、二章ではユートピアの話となっていました。一章では中世のヨーロッパの政治うんぬんで始まるのですが、その始まりの第一章で読みづらく感じてしまったので、細切れに読んでました。その結果、およそ半年でやっと読み終わりました。 内容は、ユートピアの社会が成り立っている仕組みを追っていくものでした。真の意味での共和国で、私有財産というものがないというのが最も重要な点だったとおもいます。 であるからして、贅沢や娯楽といったものはなく、そういったものがあるとすれば、音楽と算術競争と将棋のような戦略ゲームのみでした。服はもちろん着られればいい程度にしか思っておらず、装飾品は子供のつけるものとして使っているそうです。 ユートピア人は基本的にすすんで労働を行い、それも国民全員が農業を経験してさらに第二職を行わなければならないそうです。 若者は年長者に従い必ず若者だけの集まりは作らないようにし、食事は講堂で皆でそろって食べる(田舎は家ごと)ことによって、妙な集まりを作らない、そんな社会を作っているそうです。 もちろん、他にもユートピア人とするための社会の仕組みは数多くあるのですが、私が読後にも強く記憶に残っているのはこのような事柄でした。これらの事柄は、現代でも理想ですし、また想像しやすくもあります。ですから、古典でありながら読みやすく感じました。理想をどう決着させるかによって受け入れられない箇所もありますが、ユートピアの社会体制はおもしろいと思いました。 2008.09.07 21:15 自室にて読了
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ちょっと難しくなったガリバー旅行記という感じだろうか。どこにも無い架空の「ユートピア」国の風土を通して、理想の国家のあり方と現実への風刺を表現している。そこでは合理的な考え方とキリスト教的敬虔さを持った国民による、共産制国家の営みが描かれる。「ユートピア」が共産主義国家を表す言葉...
ちょっと難しくなったガリバー旅行記という感じだろうか。どこにも無い架空の「ユートピア」国の風土を通して、理想の国家のあり方と現実への風刺を表現している。そこでは合理的な考え方とキリスト教的敬虔さを持った国民による、共産制国家の営みが描かれる。「ユートピア」が共産主義国家を表す言葉として使われてきのは、この書が元であったということか。しかしこの国家にはどこか息苦しさを感じてしまう。国家の規定からはみ出してしまった人間は死刑か奴隷となってしまう。卑しい職務は全てこの奴隷が請け負うことによってこの国家は成立しているのだ。こうした裏の面も、現実の共産主義国家の運命をも見通したものだったのだろうか。トマス=モアが表現したかった真意はなんだったのか、当時のヨーロッパ社会を深く理解しなければ分からないだろう。しかしこの物語は時代を超えた寓意としての価値がある。第一部の官僚批判などは、そのまま現代社会にも通用する人間観察と洞察に基づいている。
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ユートピアでは、日に6時間、毎週6日働けばよい。 物質的な満足を作り出すには、それで充分なのだ。 ユートピア人は虚飾を嫌い、質素な服を着ている。 手間暇のかかる服が、是とされてはならない。 もし皆がそれを欲しがれば、トレードの概念が発生してしまう。 ユートピア人は私有財産を持た...
ユートピアでは、日に6時間、毎週6日働けばよい。 物質的な満足を作り出すには、それで充分なのだ。 ユートピア人は虚飾を嫌い、質素な服を着ている。 手間暇のかかる服が、是とされてはならない。 もし皆がそれを欲しがれば、トレードの概念が発生してしまう。 ユートピア人は私有財産を持たない。全ての生産物は皆のものだ。 私有財産に何のフィードバックがなくとも、知的好奇心から、技術的・文化的貢献をするものは居るだろう。 20世紀が物語っているように、問題は、品質の低い労働をするものをどのように戒めるか、だろうか。
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現代の私たちが読むとぜんぜんユートピアじゃないんですが、なるほどなーとは思います。対話形式?なのでわりと読みやすいです。学生さんでレポートに何か思想史関係が必要な方は読みやすいという意味ではオススメです。
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初めのうちは面白かったけど、宗教のあたりから読むのがつらくなった。 私はユートピアには住めないというか住みたくないと思った。
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ユートピア文学の先駆け。ガルガンチュア物語もそうだったけれど、ユートピアはみんな全体主義的だ。この作品も、ユートピアの方針に従わない者は排除されている。おすすめです。面白い
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500年も前にこんな理想郷の思想があったことに驚き、逆にそのころから何も達成されていない現実に悲しくなる。
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