ユートピア の商品レビュー
理想郷的な意味合いで使われる「ユートピア」の語源となったのが1516年(!)に出版された同著。本書で示されるその世界観は、奴隷制や相互監視を基本とする社会というのもあり、決して今の時代からは理想的なものと言えるわけではない。 ただ、そういったポイントはもはや5世紀以上も過去に書か...
理想郷的な意味合いで使われる「ユートピア」の語源となったのが1516年(!)に出版された同著。本書で示されるその世界観は、奴隷制や相互監視を基本とする社会というのもあり、決して今の時代からは理想的なものと言えるわけではない。 ただ、そういったポイントはもはや5世紀以上も過去に書かれたこの本に対する指摘としては十分ではないかも。何よりも、文芸復興と宗教改革の時代の狭間で、司法官と宗教者としての葛藤に苦しみながら、遂には王に死罪にされた著者、トマス・モアがこの時代に何を思い、限界を感じつつも懸命に理想を託そうとしたその意思に、自分は何よりも興味がある。誰もが希望を持てずに打ちひしがれて、理想を描けなくなってしまった今日だからこそ。
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この本の存在をしったのは今から十年以上前。 中学生の時にEver After という映画の中で登場した。 以来十年間。気になり続けた結果やっと読むことができた。 Utopia 理想的な国 そこでは、誰もが平等に、過不足なく、無駄なく、つつましく暮らしている。 争いも...
この本の存在をしったのは今から十年以上前。 中学生の時にEver After という映画の中で登場した。 以来十年間。気になり続けた結果やっと読むことができた。 Utopia 理想的な国 そこでは、誰もが平等に、過不足なく、無駄なく、つつましく暮らしている。 争いもない。 500年以上前に書かれたユートピア。 500年たった今でも、どこにも理想郷なんて存在しない。 500年以上前に書かれたのに、 私たちは何も変わっていない気がする。 そんなことを思った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
500年も昔でも現代と変わらぬような疑問を世の中に持ったトマス・モアが作り出した架空の理想郷ユートピア。簡単に言えば共産主義国の完成系のような感じかな。ある点ではすごくシンプルで住みやすいだろうし、快適に暮らすという意味でも素晴らしいかもしれない。しかし、私自身としてはものすごく退屈な国なんじゃないかと感じた。 「ユートピア」=「どこにも無い」というのはまさにですね。
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なんか想像してた理想郷とは随分かけ離れた国だった。 平等だけど、自由は無い。 全員が全員"性善説"な人たちばっかりだったら、このユートピアはさぞかしユートピアだろうと思う。
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共産主義の原型。ユートピアとはギリシア語の「どこにもない国」という意味でトマスモアの造語である。第一巻と第二巻の第一章はは主に理念が語られていて面白いが、それ以降は制度や法律など具体的内容について書かれているので今の感覚から考える理想的な国とは程遠い。少なくとも15世紀から人類が...
共産主義の原型。ユートピアとはギリシア語の「どこにもない国」という意味でトマスモアの造語である。第一巻と第二巻の第一章はは主に理念が語られていて面白いが、それ以降は制度や法律など具体的内容について書かれているので今の感覚から考える理想的な国とは程遠い。少なくとも15世紀から人類が理想的な国の像を模索し続けていていることが分かる。
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今更説明の必要もいらないと思いますが、トマス・モアさんの「僕の考えたいい国」ってな内容です。 実際にユートピア国に行ってきたラファエルさんが、モアさんに語るという体で書かれています。 今のイメージで「ユートピア」というと、エデンの園か桃源郷かといった、餓えも苦しみもパンツもないよ...
今更説明の必要もいらないと思いますが、トマス・モアさんの「僕の考えたいい国」ってな内容です。 実際にユートピア国に行ってきたラファエルさんが、モアさんに語るという体で書かれています。 今のイメージで「ユートピア」というと、エデンの園か桃源郷かといった、餓えも苦しみもパンツもないような場所ってイメージですが、実際、本書を読んでみると、そんなこともないんですな。 奴隷もいれば、死刑制度もある社会。 ただ、(モアが考える)理想的に社会設計・運営がされているために、諍いや貪欲とは無縁な国なわけです。 時代背景や歴史的な文脈の中での位置づけなど、全然わかってないので、例によって「ふ~ん」と表層をなめただけでおわっちゃたんですが… これで、筆者をトマス・マンと間違えることはなくなったと思います、はい。 本文から作者の理想主義者像が伺えますが、解説を読むと事実清廉潔白な正義感だったようですね。 真摯なカトリック教徒で、大法官であったときに、ヘンリー八世の離婚に反対して、最終的には死刑になってしまうですね。 いわれてみれば世界史で勉強したなぁ…
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非常に読みやすく面白い作品。 いわば社会主義国家を極端に表した話で、賛否はともかく思想は興味深い。
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ぜんぜんユートピアに思えない。確かに安定していて豊かな社会ではあるけれど、その安定や豊かさのためにいろんなものが犠牲にされている。私有財産が否定され、人の行動もかなりの面で統制されている。今の感覚からしたら、前時代的で不自由な管理社会でしかない。社会主義国家とか共産主義国家とかの...
ぜんぜんユートピアに思えない。確かに安定していて豊かな社会ではあるけれど、その安定や豊かさのためにいろんなものが犠牲にされている。私有財産が否定され、人の行動もかなりの面で統制されている。今の感覚からしたら、前時代的で不自由な管理社会でしかない。社会主義国家とか共産主義国家とかのイメージと重ね合わせたくなる。 ユートピアと言ったら、実現不可能だけど天国のような幸せな世界、というようなものかと想像していた。あるいは、いまはまだ実現は無理だけど、少なくとも人間や社会が最終的な目標にするような理想社会とか。 そんなものを予想していたのに、予想外というか意外というか。 ただ、500年前のヨーロッパの社会情勢とか価値観とかと対比させてみたなら、トマス・モアの意図も理解できるかもしれない。当時は封建的な社会でもっと不安定だったんだろうし、貧富の差も激しかっただろう。そんな中で生きているのであれば、こういう社会こそが理想の社会に思えるんだろうか。
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初めてこの本を読んだのは高2か3の時でしたが、その時は知識が全然なくて大した感想を持たなかった記憶があります。 しかし私も自分なりに今の国内政治(特に先進国)や世界秩序に問題意識を持って読むと全く違う印象を受けました。 ユートピアでは、お金や金に対する欲望を根絶している。(奴...
初めてこの本を読んだのは高2か3の時でしたが、その時は知識が全然なくて大した感想を持たなかった記憶があります。 しかし私も自分なりに今の国内政治(特に先進国)や世界秩序に問題意識を持って読むと全く違う印象を受けました。 ユートピアでは、お金や金に対する欲望を根絶している。(奴隷に金の装飾品をさせたり)財産の私有は認められず、公有する。それゆえ、奪い合いが起こることもなければ、飢饉の時は国中からその地域に食料を分配する。必要なものを必要なだけ生産するだけだから労働時間は6時間だけ。好きなことをする時間がたっぷり。貧困がないから犯罪もめったに起こらない。奴隷も登場するけど、同じ罪を犯したものが罰として汚い仕事をさせられるだけ。反省をきちんとみせれば奴隷からまた元の生活に戻ることもできる。 まさに理想郷。 ただ、当時(15~16世紀)は西洋諸国が世界各地で侵略を繰り返す時代だったからか、もしユートピアや友好国が攻められた場合は他国から傭兵を雇ったりして戦争もする。常備軍はいないけど。 ユートピアは当時だけでなく現在の国家のあり方や経済のあり方を痛烈に批判している。 私たちの政治や経済を見直すのに重要な視点を与えてくれる。 資本主義や私有財産制が私たちから奪っているものに目を向けなければ。 ユートピアは「どこにもない国」の意。 しかし、「どこにもない」「理想」っていうのは不可能と同義ではない。 理想を現実に合わせるのではなく、現実を理想に合わせていかなければいけない。
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ゼミの研究発表『ナウシカに見るユートピア』主要参考文献。 面白い。示唆に富んでいる。近代的空想世界の原点。 ・・・・まぁ、俺のユートピアは一杯のビールで十分なんだがな・・・☆
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