日本の思想 の商品レビュー
日経womanにて「ベストセラーしか読まない人は薄っぺらく見える」的な文章があり 紹介されていたこの本をそっこー読んだ。 結局他人のおすすめを読んでいる時点でベストセラー拾い読みと同じことをしているのだが、まぁいいだろう。 ちょっとは厚く見えるようになっただろうか…(鏡に映る自分...
日経womanにて「ベストセラーしか読まない人は薄っぺらく見える」的な文章があり 紹介されていたこの本をそっこー読んだ。 結局他人のおすすめを読んでいる時点でベストセラー拾い読みと同じことをしているのだが、まぁいいだろう。 ちょっとは厚く見えるようになっただろうか…(鏡に映る自分の姿はしっかりと厚みあり。)
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本屋で偶然見つけ、100刷以上のベストセラーということで読んでみた。第2章の「近代日本の思想と文学」は難しすぎてチンプンカンプン。ギブアップ。一方で講演体の後半はとっつきやすく、特に最後章「「である」ことと「する」こと」には思わず唸る。この章は現代文の教科書にも掲載されているとい...
本屋で偶然見つけ、100刷以上のベストセラーということで読んでみた。第2章の「近代日本の思想と文学」は難しすぎてチンプンカンプン。ギブアップ。一方で講演体の後半はとっつきやすく、特に最後章「「である」ことと「する」こと」には思わず唸る。この章は現代文の教科書にも掲載されているということだが、これにハラオチする高校1年生が沢山いたら逆に怖い。僕は30歳以降の海外経験と会社経験を経てようやく、自分は日本人なんだなあ、面白いなあ、と実感するようになりましたが。
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丸山真男を読むのは初。よく内容が難しいと言われる本だが、1と2は元々論文に近い発表だからしゃーない気もする。それにしても一文が長い文章には辟易したが。ただ、後半二章は一気に平易になり、本としては色々問題があるのでは、と思ったりする。 肝心の中身は、リベラルプラグマティストな個人的...
丸山真男を読むのは初。よく内容が難しいと言われる本だが、1と2は元々論文に近い発表だからしゃーない気もする。それにしても一文が長い文章には辟易したが。ただ、後半二章は一気に平易になり、本としては色々問題があるのでは、と思ったりする。 肝心の中身は、リベラルプラグマティストな個人的な考えとも合うもので好感触。直接言及されてないが、明らかにウェーバーの影響が大きく、価値自由だとか職業としての政治で展開された政治家の倫理性などの考えが下地にある。あとは、一箇所だけ名前が出てきたが、ポパーの影響も大きい気がする。 日本には西欧的思想がなく、前近代が一気に近代化したとか、その際、空虚だからこそ天皇制がうまく働いたとか、どっかで読んだことあるなーって内容が多いのは、逆に前に読んだ本が丸山を下敷きにしてたということなのだろう。 個人的に面白かったのは、2章の政治、科学、文学の三角関係。こうした座標での昭和文学史の見方は面白い。最後にSF作家のHGウェルズの引用があって、その終わり方がなんとも爽やかだった。
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「海外から入ってきた思想は日本で受容される」ということが書いてある。 前半は難解だが、後半は前半のことを平易に解説していて面白い。 特に、たこつぼ型とささら型の例えは「そうかもしれない」と思えた。 日本ではたこつぼ型と云って、海外で発展した思想がぶつ切りになって入ってくる現象が見られるという。「互いの交流が希薄で、これはあらゆる分野、たとえば文化活動、経済活動、政治活動、あらゆる側面で見られる。」という。 これは日本の「である」型の身分制の残滓である、とする。その考え方は民主主義の国家になっても同様だ、と喝破する。 日本は曲がりなりにも先進国の仲間入りをしたが、明治維新が必ずしもいままでの体系をすべて粉砕したわけではないし、戦後改革も同様である。それは社会の随所に見られる、とする。 「日本の特異性・独特性」を見事に表現した本であろう。もう出版から50年以上経っているが、まだ色あせていないのではないだろうか。
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内容は非常に難しいが、必死に主張を追っていくとまぁ言っていることは共感出来るところもあるし、一方でバイアスがかかった捉え方をしているのでは?と思うところもある。(1960年に書かれた本なので、自分は当時の日本人の価値観をしらないが) ただ、読んでいて思ったのは、 これって何を目...
内容は非常に難しいが、必死に主張を追っていくとまぁ言っていることは共感出来るところもあるし、一方でバイアスがかかった捉え方をしているのでは?と思うところもある。(1960年に書かれた本なので、自分は当時の日本人の価値観をしらないが) ただ、読んでいて思ったのは、 これって何を目的に色々主張しているの? この主張の意味って何? ということ。 以下は本書とは全然関係ないのだが、読んで思ったことを書く。 なーんか社会の根源にある(かもしれないし、ないかもしれない。客観的には誰も認識出来ない)問題っぽいのを抽象的に語ってみせて、 これが今顕在化している色々な問題の全ての原因だ!みたいに言ってアジってるだけじゃないの? とも思った。 社会学者はいつもこんなこと言ってるイメージ。
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それぞれ独立した四章からなる。 第一章の後半から第二章はほとんど理解できず……。2回読んでも同じことだったので、読み方が悪かったのではなく単に前提知識がなさすぎたということだろう。 第三章から第四章は講演が基になっているので比較的理解しやすかった。 日本のアカデミーが各分野で独...
それぞれ独立した四章からなる。 第一章の後半から第二章はほとんど理解できず……。2回読んでも同じことだったので、読み方が悪かったのではなく単に前提知識がなさすぎたということだろう。 第三章から第四章は講演が基になっているので比較的理解しやすかった。 日本のアカデミーが各分野で独立し、分野間の交流がない「タコツボ」型になっているのは、すべての学問の根っこたる哲学がない故という説明に納得。西欧ではまず哲学があり、そこから様々な学問が発展していったが、日本は明治以降にその各分野のみを輸入した。 第一章も、「機軸たる伝統思想のない日本」を説いている前半はわかりやすかった。 伝統思想がないから、逆になんでも吸収してきた日本。しかし「何もないのが神道であり、やまとごころである」といって漢意(からごころ)を排除しようとした国学者たちの矛盾を指摘した部分がおもしろかった。 明治の偉い人たちが西欧列強に肩を並べんとする新しい国の機軸として編み出したのが天皇制だった。個人的にはこれはあながち間違ったことではなかったと思うが、残念なことに著者がその誤謬を説いていくあたりから内容が理解できなくなってしまった。 さて、戦後またもや日本は「機軸」を失ってしまった(新憲法下における天皇の求心力的な意味で)。 戦前の天皇制に代わる機軸とは何だろうか? 漠然としたイメージでしかないが、個人的には「人と人とのつながり」がそれではないかと思っている。
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全部は読まなかった。丁寧に読んだのは「思想のあり方について」のみ。「『である』ことと『する』こと」も含め、他の章はほぼ流し読み。 自分の教養のため、と思って手に取った一冊だったが、国体とかイデオロギーの話はやはりピンと来なかった。 日本がタコツボ社会で、特殊だ奇妙だという主張はや...
全部は読まなかった。丁寧に読んだのは「思想のあり方について」のみ。「『である』ことと『する』こと」も含め、他の章はほぼ流し読み。 自分の教養のため、と思って手に取った一冊だったが、国体とかイデオロギーの話はやはりピンと来なかった。 日本がタコツボ社会で、特殊だ奇妙だという主張はやや乱暴に思えた。アメリカも往々にしてタコツボ社会のように思えるし、現代ヨーロッパ(の中流階級以下)も概してタコツボなのではないかと思う。クラブとかサロンがある社会はヨーロッパ上流階級にしか当てはまらない議論なのではないか。
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I・II章は,自分の知識(と読解力)不足のためか,消化不良だった。 しかし,読みにくい文体だなぁ。約50年前の本ということもあるけど,複文・暗喩が多くて,一文も長い。こんなこと言ってたら類書は読めないのかもしれないけど。 また挑戦しよう。 III章は,日本の大学が「タコツボ」化しているところまでは納得できたが,それを社会全体に敷衍していくところは「うーん」といった感じ。別に日本社会だけじゃないだろうし…。 また, 「あらゆる集団のタコツボ化というこの現実というものを十分ふんまえて出発するということが,いろいろな意味で大事なことであるにもかかわらず,とかくそういうことが忘れられがち」(147頁) とあるけど,なぜ大事なのかは書かれていない。それまでの記述で十分わかるだろうということか。
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「である」ことと「する」ことの違いや、日本の思想の発達の方法、政治についての解釈など、非常に興味深かった。まだ十分に理解はできていないので、また読んでみたい本。
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本書との出会いがなければ,おそらく私は政治学を志そうとはしなかったでしょう。そんなきっかけとなった本の一つです。
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