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ブランド の商品レビュー

3.8

32件のお客様レビュー

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とても面白かったし分…

とても面白かったし分かりやすかった!! グリコのポッキーやコカコーラなど庶民的なモノを出してきます 笑

文庫OFF

2024/04/08

ブランドについて論考。とりわけブランド拡張に焦点を当てているように読み取れる。それは、ブランド拡張が可能かどうかとブランド価値に密接な関係があるからである。 ブランド拡張については、親ブランドのイメージとかけ離れたカテゴリーへ拡張すると、ブレンド全体のイメージがぼやけてしまう、...

ブランドについて論考。とりわけブランド拡張に焦点を当てているように読み取れる。それは、ブランド拡張が可能かどうかとブランド価値に密接な関係があるからである。 ブランド拡張については、親ブランドのイメージとかけ離れたカテゴリーへ拡張すると、ブレンド全体のイメージがぼやけてしまう、いわゆる希薄化するということは過去の研究で言われている。しかし著者は、それは拡張してみた結果であってやってみてはじめて分かることだと指摘している。それだけブランドの理解は難しいということだろう。

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2023/05/16

プリッツチョコ、ではなく、ポッキーと名付けられた製品は、最初は売れなかったが、ポッキー・オンザロック、プレミアムポッキーなどの展開で、今やグリコの稼ぎ頭。もしも『プリッツチョコ』なら、以後の展開は無かった。 本書の事例として紹介されたこのケースは、『ブランド』が、ただの商品認知等...

プリッツチョコ、ではなく、ポッキーと名付けられた製品は、最初は売れなかったが、ポッキー・オンザロック、プレミアムポッキーなどの展開で、今やグリコの稼ぎ頭。もしも『プリッツチョコ』なら、以後の展開は無かった。 本書の事例として紹介されたこのケースは、『ブランド』が、ただの商品認知等の構成要素だけでなく、その後の活動をも生み出すものだということを、表している。 新書だけにボリュームに限界はあるが、出版後20年以上経過した今も参考になる良書。

Posted byブクログ

2022/12/27

マルクスは資本論にて、社会の富は「膨大な商品の集積」、個々の商品は富の基本形態と記載。現代なら、ブランドの集積と書いただろうかと始まる。この出発点は、なかなか痺れる。 ブランドとは買い手の期待を反映するものであると同時に、買い手自身の生活や歴史や人生の意味を形成するものとして存...

マルクスは資本論にて、社会の富は「膨大な商品の集積」、個々の商品は富の基本形態と記載。現代なら、ブランドの集積と書いただろうかと始まる。この出発点は、なかなか痺れる。 ブランドとは買い手の期待を反映するものであると同時に、買い手自身の生活や歴史や人生の意味を形成するものとして存在している。だからこそ他に何も変わりようがないものというのが根源的なブランドの価値である。コカコーラが新たな味に変更した時、その味は高く評価されたが、それ以前の低い評価の味を買い手は求めた。この事例と説明が非常にしっくり来た。 買い手と売り手には、情報量に差がある。買い手は、それを使ってみるまで、製品の性能を詳しく知り得ない。だから、想像で補う。この製品を背後にした「想像」こそが、ブランドだと思う。安心できる性能だとか、世の中に認められた実績だとか、その製品と共に過ごした記憶とか。だから、ブランドを形成するには、実績とコマーシャルによる、ある種の洗脳的アプローチが必要である。本著は、これを色んな言い方で解説しているような内容である。

Posted byブクログ

2021/08/10

 気鋭の学者が著したブランド価値論。岩井克人の「貨幣論」の考え方を汲んでいるところからして、個人的に非常にしっくりくるブランドのとらえ方だった。  特に、自分にとっては、 ・ブランドが静態的にとらえることはできず、商品とブランドが相互に影響しあう関係は動学的である ・消費者によっ...

 気鋭の学者が著したブランド価値論。岩井克人の「貨幣論」の考え方を汲んでいるところからして、個人的に非常にしっくりくるブランドのとらえ方だった。  特に、自分にとっては、 ・ブランドが静態的にとらえることはできず、商品とブランドが相互に影響しあう関係は動学的である ・消費者によって決まるのでもなく、制作者の思いで決まるのではない ・商品を識別するための名前=記号が、記号のメッセージを伝えるために商品を出していくようになることで、ブランド固有の価値が生まれる。 ・ブランドの剰余価値は、実際に売買の対象となる などが重要な洞察。  一方で、この書籍にある説明だけでは、考察にかける紙面が不十分で、現実の投資や事業運営において説明しきれない論点も多く残っている。例えば、 ー消費者の支持を受けるためにブランドが満たすべき要件は何か。 ーこうした支持を受けるためには、どれくらいの投資と時間がかかるのか、それは十分ROIがとれるものなのか など。 序 ブランドを支えるもの - 消費者の欲望か制作者の思いか 第一章 ブランドが支える企業の成長 第二章 ブランドだけがブランドの現実を説明できる 第三章 ブランドの創造的適応 第四章 ブランドの価値論 第五章 ブランドの命がけの跳躍 第六章 消費者とブランド価値 おわりに メディアとメッセージの交錯

Posted byブクログ

2020/02/19

読み返して涙した。単なるマーケ本ではない。ブランドという不思議な存在を題材に、資本主義ど真ん中で余剰価値を生まれるメカニズムを記した思想書である。 マルクスの唱えた「商品」と、今現在(99年当時)の「ブランド」との比較からはじまる、情熱を帯びた知の探索。

Posted byブクログ

2023/06/25

神戸大学大学院教授によるブランド論。 ブランドとは、製品に従属するものではなく、製品がブランドに従属するものである、という主張は日本の電気製品メーカーの製品に対するネーミングを例に挙げられており、説得力がある。たとえば、松下電器はかつて、テレビに「画王」、「横綱」といった名前をつ...

神戸大学大学院教授によるブランド論。 ブランドとは、製品に従属するものではなく、製品がブランドに従属するものである、という主張は日本の電気製品メーカーの製品に対するネーミングを例に挙げられており、説得力がある。たとえば、松下電器はかつて、テレビに「画王」、「横綱」といった名前をつけたが、これは製品の特性をネーミングで説明しており、ブランド名が製品に従属している典型的な例である。こうした例は、電気製品に限らず日本のメーカーに多くあり、製品が入れ替わると自動的にそのブランドは消滅し、次の製品ブランドに入れ替わられる。たとえば、P&G社のIvoryという石鹸は誕生してから100年以上の歴史をもち、今尚、同社の中核ブランドとして存在しつづけている。日本のブランドにおいて、こうした長寿ブランドがなかなか存在しないのは、ロングセラーブランドを育てる意思をもったマネジメントが行われていないからであろう。著者は、「ヒット商品は偶然によって生まれうるが、ロングセラーは企業の積極的な意思をなくしては育たない」と主張しているが、まったくその通りだからこそブランドマネジメントが経営戦略の一端を担うのである。 序盤は、グリコのポッキーは当初、プリッツのライン拡張として「チョコテック」という名前で発売されたという。その名前が既に登録商標であったことから、「ポッキンポッキン新型チョコレート」というキャッチフレーズからポッキーという製品名が産まれたということである。当初は意図されていなかった偶然によって名づけれた商品がいまやグリコを代表するブランドとして数あるお菓子の商品群の中でも存在感を示しているのは、やはりグリコが意図的にそのごポッキーの新しい使用用途を提案しながら、あたらしい世界観を構築していったからに他ならない。こうした序盤のケーススタディは、欧米発のものが中心のブランド研究分野においては貴重である。 読む進むにつれ、内容はコンセプチュアルな領域へと入っていく。そもそもブランドとは何であるかという問いは、ブランドに関するどんな本にもかならず触れられており、さまざまな定義がなされているが、本書ではデカルトなどの哲学を織り交ぜながら、これまでのAakerやKellarといった定番による定義とはまったく異なった視点でそれを解説している。実務にかかわるものにとって、ブランドとは何かという問いに対して、こうした米国の研究者による定義がひとつの模範解答であり、業界においてもスタンダードとされてきているが、しっくりこない部分もすくなからずあった事かと思う。本書によるこうしたコンセプチュアルな記述は、そういった意味で、これまでの研究者がうまく説明できていなかった部分、たとえばブランドが時系列的に変化していく様は、本書の哲学を交えた説明により納得がいくような気がする。そもそも抽象的なブランドという存在を新鮮な観点から見ることができるという大きな意味と収穫があった。また、時間をおいて再度読んでみたい本である。

Posted byブクログ

2018/04/28

ブランドが提供する価値が製品との相関でどう変化していくのか?という観点は面白かったが、製品を提供する側の恣意性が強すぎるとこうした価値の創造にはつながらないのかと感じた。AppleやGoogleの様に社会性を帯びた価値にどのように製品をつなげていくかが成功の鍵なのかもしれない。そ...

ブランドが提供する価値が製品との相関でどう変化していくのか?という観点は面白かったが、製品を提供する側の恣意性が強すぎるとこうした価値の創造にはつながらないのかと感じた。AppleやGoogleの様に社会性を帯びた価値にどのように製品をつなげていくかが成功の鍵なのかもしれない。そういう意味でリベラルアーツ的な教養のベースは必要で残念ながら日本の最近の経営者には決定的にこの部分が欠けているのでは?と感じた。

Posted byブクログ

2015/01/04

「ポッキー」や「コカ・コーラ」、「無印良品」といった例を取り上げながら、ブランドによる価値の創造の謎に迫る試みです。 著者は、ブランドの価値を単に消費欲望の共時的な布置によって説明するのではなく、ブランドを作り出す側に自分たちのブランドを育てていこうとする持続的なブランド・マネ...

「ポッキー」や「コカ・コーラ」、「無印良品」といった例を取り上げながら、ブランドによる価値の創造の謎に迫る試みです。 著者は、ブランドの価値を単に消費欲望の共時的な布置によって説明するのではなく、ブランドを作り出す側に自分たちのブランドを育てていこうとする持続的なブランド・マネジメントがあることに注目しています。その上で、ブランドのアイデンティティを確立する通時的なプロセスは、そのつど「命がけの跳躍」によってなされていることに、詳しい分析を加えています。 記号論的な消費文化論の通説を超えて、実在のうちに根拠を持たない価値の創造の通時的な側面に切り込んでいるところに、本書の一番のおもしろさがあるように感じました。

Posted byブクログ

2014/05/05

ディドロ効果というのは興味深い。 何より、その効果に陥った伯爵の顛末が何とも。 ブランド品を買う方に散見されるパターンだな。 まさしく生き物。 前半は小売や流通、消費者の心理など。 後半は主にマーケティング。 コカ・コーラについての本は興味を唆られる。

Posted byブクログ