1,800円以上の注文で送料無料

社会科学の方法 の商品レビュー

3.9

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

本書は、筆者が行った…

本書は、筆者が行った講演を加筆修正したものであった為、口語体形式で書かれており読みやすかった。社会現象を対象とした場合、「自然科学と同じような意味で、科学的認識は成り立つのであろうか」という筆者の問題意識に立ち、マルクスとヴェーバーの方法の比較検討をしていく。2人の組み合わせに意...

本書は、筆者が行った講演を加筆修正したものであった為、口語体形式で書かれており読みやすかった。社会現象を対象とした場合、「自然科学と同じような意味で、科学的認識は成り立つのであろうか」という筆者の問題意識に立ち、マルクスとヴェーバーの方法の比較検討をしていく。2人の組み合わせに意外性を感じたが、読み進む中でその意外性はなくなり、さまざまな示唆を受けた。

文庫OFF

2025/02/06

日本のマックス・ヴェーバー研究の第一人者である著者の講演録をもとにした名著。 マルクス経済学とヴェーバー社会学の比較を通じて社会科学を考察する内容でもあり、ヴェーバーの宗教社会学のアプローチはもっと学んでみたいと思いました。 特に、「ヴェーバーの『儒教とピュウリタニズム』をめぐっ...

日本のマックス・ヴェーバー研究の第一人者である著者の講演録をもとにした名著。 マルクス経済学とヴェーバー社会学の比較を通じて社会科学を考察する内容でもあり、ヴェーバーの宗教社会学のアプローチはもっと学んでみたいと思いました。 特に、「ヴェーバーの『儒教とピュウリタニズム』をめぐって」の章で述べられる、ヴェーバーの両宗教の比較分析にはもの凄く興味をそそられる。 儒教は世界の現状を肯定し尊重するが故に受動的な態度になり、近代資本主義を生み出すには至らなかったのに対し、ピューリタニズムは悲観主義のもと現世を否定するが故に、行動的禁欲という形で現世に強く働きかけ変革していこうとする大変な精神的エネルギーを生み出し、それが近代資本主義発展の原動力となった、という結論を導き出す視点には驚かされるばかり。 また、「経済人ロビンソン・クルーソウ」の章では、「ロビンソン漂流記」における無人島での彼の行動は、まさに合理的経済人のそれであり、当時のイギリスにおいて合理的な人間形成の書という役割を果たした、という大塚先生の考察もとても面白い。 約60年前の本ですが、いまだに読み継がれる価値の高い啓蒙書です。

Posted byブクログ

2024/08/18

大塚久雄が経済学の専門でありそこから社会科学を経済との関連で考えたものである。そこにはマルクスとウェーバーを基本的に考えている。講演を本にしたものであるから理解は容易なように書かれているが実はそれほど簡単ではない。マルクスとウェーバーについて全く読んだことがない学生にとっては理解...

大塚久雄が経済学の専門でありそこから社会科学を経済との関連で考えたものである。そこにはマルクスとウェーバーを基本的に考えている。講演を本にしたものであるから理解は容易なように書かれているが実はそれほど簡単ではない。マルクスとウェーバーについて全く読んだことがない学生にとっては理解が難しいかもしれない。最もわかりやすいところはロビンソン・クルーソーについてであるが、それもロビンソン・クルーソーの物語を読んだことがない学生にとってはちんぷんかんぷんかもしれない。「世界史の考え方}(岩波新書)で分析と推薦された本であるが、「世界史の考え方」と照らし合わせて読むのがいいのかもしれない。

Posted byブクログ

2018/10/28

【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・

Posted byブクログ

2018/05/27

50年以上前に書かれた「社会科学は科学なのか?」 目的論が動機の意味理解によって因果関連となり、自然科学よりも確実であると。

Posted byブクログ

2015/10/27

著者は、社会学を学ぶ上では避けて通れない大塚久雄。 講演を行ったものに加筆・修正を加えたもの。ヴェーバーの入門書として、読みやすい1冊。 「社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス」ではマルクスとの対比、「経済人ロビンソン・クルーソウ」は経済学的にみた「ロビンソン・クルーソー」の再解...

著者は、社会学を学ぶ上では避けて通れない大塚久雄。 講演を行ったものに加筆・修正を加えたもの。ヴェーバーの入門書として、読みやすい1冊。 「社会科学の方法―ヴェーバーとマルクス」ではマルクスとの対比、「経済人ロビンソン・クルーソウ」は経済学的にみた「ロビンソン・クルーソー」の再解釈、「ヴェーバーの「儒教とピュウリタニズム」をめぐって―アジアの文化とキリスト教」では東洋と西洋の宗教を対比させた宗教社会学、「ヴェーバー社会学における思想と経済」では宗教からさらに踏み込んだ視点での解釈となっている。

Posted byブクログ

2014/09/13

―――――――――――――――――――――――――――――― フランスの文化が占めている地位を、アジアで占めているのは中国文化、それから古代ギリシャやイスラエルの文化が占めている地位をアジアで占めているのは古代インドの文化だというのです。 ところがアジアでは、結局はっきりとイス...

―――――――――――――――――――――――――――――― フランスの文化が占めている地位を、アジアで占めているのは中国文化、それから古代ギリシャやイスラエルの文化が占めている地位をアジアで占めているのは古代インドの文化だというのです。 ところがアジアでは、結局はっきりとイスラエルにあたる役割をはたすものは出てこなかった。 仏教の一つの宗派――たぶん浄土真宗でないかと思う――がそういう方向を指し示していたといっています。145 ―――――――――――――――――――――――――――――― 自分はプロテスタンティズムの倫理だけで資本主義の発生を、いや資本主義の精神の発生をさえも説明できたとは思っていない。 それには、政治的な、あるいは経済的な、その他さまざまの利害状況もまたあずかって力があったのであって、その双方から接近することこそが不可欠なのだ、と。193 ――――――――――――――――――――――――――――――

Posted byブクログ

2013/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社会学古典文献購読の授業で読んだ。 次に『プロ倫』を読むための”導入”らしいけど少し文体がややこしかった。先生曰く、当時(1966年)学生運動などでマルクスがいように取り上げられていて、その崇拝者たちにも誤解無いように注意書きみたいなものが書かれたりしていることが多いらしい。 内容としては ヴェーバーとマルクスを対立として見るのではなく重なるところ、二人の見方の違いが書かれている。 Ⅲ章の輪読レジュメを担当したが、ヴェーバーの論考「儒教とピュウリタリズム」の解釈にとどまらず、マルクスと比べるなどの解説の仕方が面白かった。

Posted byブクログ

2013/04/03

「大塚史学」、当方が学生時代のときでさえ既に死語的扱いがなされていたように記憶するが、その後も同様では? 科学の特性の一つとして進歩が挙げられるとすれば、何も「大塚久雄の見方は古い」イコール価値無き考えではないはず。 どんな学問も先人の研鑽の上に成り立つものなのに、どうも社会科学...

「大塚史学」、当方が学生時代のときでさえ既に死語的扱いがなされていたように記憶するが、その後も同様では? 科学の特性の一つとして進歩が挙げられるとすれば、何も「大塚久雄の見方は古い」イコール価値無き考えではないはず。 どんな学問も先人の研鑽の上に成り立つものなのに、どうも社会科学(ことに経済学)は学問としての基本的振る舞いがもしかするとできていないのかもしれないな。 それはともかく改めて同著を読んで思ったのだが、ヴェーバーの方に軍配を挙げたくなるものの、(ヴェーバー自身も認識しているが)ヴェーバーの成果はマルクスの成果(というかその他多くの賢人の遺産)の上に成立している観点である。 つまり同著含めてここには連綿と続く科学の豊饒な果実が成っていると見て差し支えないかと思う。

Posted byブクログ

2012/11/03

目次: Ⅰ 社会科学の方法 ―ヴェーバーとマルクス― Ⅱ 経済人ロビンソン・クルーソウ Ⅲ ヴェーバーの「儒教とピュウリタニズム」をめぐって       ―アジアの文化とキリスト教― Ⅳ ヴェーバー社会学における思想と経済 あとがき

Posted byブクログ