詩のこころを読む の商品レビュー

茨木のり子(著者)

2012/11/16

こいびとの顔を見た

ひふがあって
裂けたり
でっぱったりで
にんげんとしては美しいが
いきものとしてはきもちわるい

こいびとの顔を見た
これと
結婚する

帰りすれ違う人たちの顔をつぎつぎ見た

どれもひふがあって
みんなきちんと裂けたり
でっぱったりで

これらと
世の中 やってゆく

帰って
泣いた

詩集『肴』

2012/11/08

2012年84冊目。

著者お気に入りの詩人の作品をいくつか紹介し、著者なりの感性での解説をしてくれる本。
「良い詩とは何か」にも迫る解説も多く、よかったです。

■理論や思想ではなく、「感動」を共有する
■読者が想像力を働かせる良い具合の余白
■見えないもの目を凝らし、聞こえないものに耳を傾ける
■荷作りだけで終わらずに、どこかで言葉が離陸し、飛行する

このあたりが大事のようです。

2017/02/08

詩集「自分の感受性くらい」や、有名な水の星が収められた、
「倚りかからず」の著者が、若い読者に向けて書いた詩の入門書。
内容はテーマ別に分かれており、
主に日本の詩人が詠んだ選りすぐった49編の詩が、
著者の解説付きで収録されています。

・生まれて
・恋唄
・生きるじたばた
・峠
・別れ

岩波ジュニア新書は若年向きに作られたシリーズですが、
この本は創刊から刷を重ねているロングセラーです。

[1979年、日本、231P]

2012/10/16

茨木のり子さん、好きです。
数多くの詩に触れてきたであろう著者が選び抜いた詩と、そこに添えられた愛情に満ち溢れた解説。
手元に置いて、繰り返し読みたい一冊です。

2012/08/30

何度も何度も折に連れて読み返していきたい本。
昔から好きだった詩もあった。
なんとなく読み流していた一節に深い意味があったり、ハッとさせられる解釈にうならされた。
詩というのは本当に深くて、読めば読むほどいいものだと思う。

2012/08/11

茨木のり子さんが若い人への入門書として書かれた、岩波ジュニア新書です。
詩ってよく分からん、と思っていた頃に、親の本棚から失敬して、以来、ずーっと手元に置いて度々読み直しています。
誕生、恋、死、といったテーマごとに、茨木さんが愛する詩を紹介するのですが、
この紹介文がまた良くて、けして分析や解説ではないけれど、その詩の魅力や、持っている言葉の力を伝えてくれるのです。
これをきっかけに書店で詩集も手に取るようになりました。

2012/08/06

茨木のり子さんの、こころに残っているという詩が集められ、解説してある本。

国内外の詩がたくさんあり勉強になるが、やはり詩は難しいと思わせられてしまった。

2012/06/23

詩人の茨木のり子さんが、茨木さんの大事にしている、たからものの詩をたくさん紹介してくれる。
ちなみに茨木さん自身の詩は一編も登場しない。

あたたかく、するすると入ってくることばで進む文章が心地良くて、
素敵な詩を教えてもらっては、読んで嬉しくなってしまう本。

大事に読みたい。

2012/05/19

小中高と幼いながら詩歌に興じていた10代。役者を始めるのと同時にいつしか遠ざかってしまった創作に、改めて向き合いたい。
そんなリハビリのつもりで手にとった一冊でしたが、リハビリどころか、新たな発見と感動の数々に恵まれて。初めましての気持ちと共に、再び詩歌の世界に臨めそうです。

冬目景の漫画「羊のうた」に深い影響を及ぼしたと思われる作品、中原中也「祈り」に触れられたことも、この著作から得た大きな宝です。
素晴らしい読書体験に感謝します。

2012/03/03

茨木のり子、彼女の感性は素晴らしい、自分の感受性ぐらい自分できたえよ、川崎洋さんによるとすらりとした理知的でソフィストケイトされた美しい女性であったそうで、彼らの仲間に大岡信や谷川俊太郎がいて、現代詩の地平線を広げることになる。