図書館の神様 の商品レビュー
自分の思う清く正しい価値観がすべてと思っている清。 それが原因かは分からないが厳しく叱責したチームメイトが自殺してまう過去を背負っている。 前半は清の自分の価値観の押し付け具合に辟易し、瀬尾まいこさんなのに、イライラしてしまった。 自分の清く正しくの考え方が原因で身体症状も出て...
自分の思う清く正しい価値観がすべてと思っている清。 それが原因かは分からないが厳しく叱責したチームメイトが自殺してまう過去を背負っている。 前半は清の自分の価値観の押し付け具合に辟易し、瀬尾まいこさんなのに、イライラしてしまった。 自分の清く正しくの考え方が原因で身体症状も出ているのに、本人は気づかない。 終始、清の言動は幼い感じがしてしまうが、垣内くんが素晴らしかった。 最後の主張大会での垣内君の言葉はとてもいい。 なんで、文学をするのか。 なんで、本を読むのか。 それを見事に言葉にしてくれた。 最後まで読んだ後は瀬尾まいこさんらしい、じんわり感はある。
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子供の頃から清く正しく生きてきた主人公の清。 バレーボールに打ち込み、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた中、厳しく叱責したメンバーが自殺してしまう。 そこからバレーをやめ、無気力に流されるまま国語講師になり、バレー部の顧問と思いきや文芸部の顧問を任される。 そこで出会った生徒...
子供の頃から清く正しく生きてきた主人公の清。 バレーボールに打ち込み、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた中、厳しく叱責したメンバーが自殺してしまう。 そこからバレーをやめ、無気力に流されるまま国語講師になり、バレー部の顧問と思いきや文芸部の顧問を任される。 そこで出会った生徒との関わりの中で少しずつ自分というものを見つめ直し、再生していく物語。 清の弟くんと文芸部の垣内くんが良い! 弟くんの「きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば、正しいって思えるし、実際間違いを起こさない。だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね」っていうセリフと垣内くんの卒業前の最後のスピーチでの「文学を通せば、何年も前に生きてた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってできる。自分の中のものを切り出してくることだってできる。とにかくそこにいながらにして、たいていのことができてしまう。のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする。」の二つのセリフが私の心に刺さりました。思わず写メったもん。 そして最後の手紙の部分でもう完璧泣きました。 読みやすくて優しい物語でした。オススメ!
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ケーキ屋さんと不倫してる高校の国語講師の清(きよ)。 バレーボールに打ち込んでいた学生時代。 キャプテンだった清は誰よりも真面目にしていたが ある時、ミスをした同級生を責めてしまう。 その後、彼女は自殺。 直接的に周囲から責められてはいないが、 雰囲気から、「清のせいで…」と感じ...
ケーキ屋さんと不倫してる高校の国語講師の清(きよ)。 バレーボールに打ち込んでいた学生時代。 キャプテンだった清は誰よりも真面目にしていたが ある時、ミスをした同級生を責めてしまう。 その後、彼女は自殺。 直接的に周囲から責められてはいないが、 雰囲気から、「清のせいで…」と感じる。 高校卒業後、実家から離れる。 そして、何かに打ち込むこともなく バレーを教えられたらという考えで教師を目指す。 なのに、顧問に配属されたのは「文芸」。 国語教師だけど文学なんか興味ない。 けど、たった一人の部員、垣内くん。 彼との関わりで自分の気持ちを整えていく話。 ものすごく読みやすかった!! 瀬尾まいこさんがもともと国語の教員だったこともあるけど 学校や教員の描写がリアルなの。 そういうのにすごく共感できたなー。 採用試験にすごく頑張ってる人は受からなくて、 なんか気を張ってない人の方が受かったりとか、 「分かるー!!」って思っちゃったー!! 瀬尾まいこさんの作品はやっぱり好きだなぁー!! 今年もいろいろ読むぞー!!
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挫折した「私」は講師(教師)とし高校に赴任するも生徒にも授業にも文芸部の顧問としても意欲的でない彼女が、生徒とのやりとりや授業での気づきなどによって再生して行く内容なのだが、不倫相手との日常生活も話の中心に流れている。講師(教師)であれ人間、不倫はないでしょ!なんて野暮なことを言...
挫折した「私」は講師(教師)とし高校に赴任するも生徒にも授業にも文芸部の顧問としても意欲的でない彼女が、生徒とのやりとりや授業での気づきなどによって再生して行く内容なのだが、不倫相手との日常生活も話の中心に流れている。講師(教師)であれ人間、不倫はないでしょ!なんて野暮なことを言うつもりはないけれど、厳しく律してきた者のタガが外れるとここまでになるという人間臭さをどこかで感じながらも、私的にはステージが高校・教師なので多少の違和感を感じました。 文芸部唯一の垣内くんの活動テーマは面白かった。殆ど手にした作品だが、どれももう一度読んでみようかなぁと思った。
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高校の講師である清が主人公。彼女は高校3年のとき、バレー部の厳しいキャプテンだったが、負けた試合のあと、試合でミスを連発した部員が自殺してしまう。遺書もなく、彼女のせいという事もはっきりしないが、深く傷ついてしまう。 スポーツ少女だった清が、スポーツから離れ、自分の街から離れ、不...
高校の講師である清が主人公。彼女は高校3年のとき、バレー部の厳しいキャプテンだったが、負けた試合のあと、試合でミスを連発した部員が自殺してしまう。遺書もなく、彼女のせいという事もはっきりしないが、深く傷ついてしまう。 スポーツ少女だった清が、スポーツから離れ、自分の街から離れ、不倫に身を投じ、病んでいた状況から、次第に再生していく物語。 文芸部の垣内君、弟の拓実、不倫相手の浅見さん、みんなが優しい。 垣内君は生徒ではあるが、ある意味では、彼が先生でもあった。図書館神様なんだろうか。文学を通して、他の世界に触れる喜びを教えられ、清は先生として、新しい世界に前向きに踏み出していく決意を固める。 瀬尾さんらしい、優しい物語。
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なんかぐだぐだしてる話が続き、このまま終わったら、なんも残らんが。あっという間に読んでしまったが、垣内くん、いいわぁ。文字を通せば、いろいろなものがみえる。新しい世界にも飛んでいける。そうだよ。本を通して、経験してるんだよ。いいね、図書館、いいね、文学。
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赴任した高校で「私」は文芸部の顧問となった。そこでの出会いを経て、少しずつ前を向いていく。 シンプルなのに、いいやシンプルだからこそ人の心に響く物語なのだろう。 学生時代にチームメイトを亡くした「私」、彼女はそれを引きずったまま教師になり、燻った日々を過ごしている。 彼女は垣内と...
赴任した高校で「私」は文芸部の顧問となった。そこでの出会いを経て、少しずつ前を向いていく。 シンプルなのに、いいやシンプルだからこそ人の心に響く物語なのだろう。 学生時代にチームメイトを亡くした「私」、彼女はそれを引きずったまま教師になり、燻った日々を過ごしている。 彼女は垣内と文芸部の活動をする事で少しずつ前を向いていく。その過程が自然なのに、どこかおかしい。 文学とは、青春とは、そして前を向くとは。傷ついた者の心にそっと寄り添い、ふわりと温めてくれる。そんな物語だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多分学生時代に読んだことあるよなーと思いながら手に取って読んでみた 正しいって一つじゃないし、普通もないし、いろんな人と関わって行く中で実感することだよなあと思う 素敵な弟との関係が羨ましいなと思った 人は間違えるし、正しさなんて人それぞれだし、正しく真っ直ぐじゃなくてもいいって思えて でもやっぱり最後のお母さんからの手紙で清のまっすぐな部分が認められたのが良かった
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中学校の図書室で、この本と出会った。 入り口を入って右手にあるカウンター、座席の広がるスペースに面した本棚の裏側の目線の高さに近い棚に、瀬尾まいこの本が何冊かあったことまで、まだ覚えている。 去年一昨年あたりからまた本をたくさん読むようになって、今年は、「懐かしい本を手に取ろう...
中学校の図書室で、この本と出会った。 入り口を入って右手にあるカウンター、座席の広がるスペースに面した本棚の裏側の目線の高さに近い棚に、瀬尾まいこの本が何冊かあったことまで、まだ覚えている。 去年一昨年あたりからまた本をたくさん読むようになって、今年は、「懐かしい本を手に取ろう」と思うことが多かった。 ここ数年で読んだ作品、エッセイで、「本や本屋、図書室図書館が舞台、テーマになっている作品が好きだ」と何度めかになる自覚を通じて、学生の頃に読んだこの本をまた読みたい、読もうと思っていた。 学生の頃数回読んだはずなのに、良くも悪くも覚えていない部分も多くて、けれど「そうだ、こういう話だった」「こんな設定、登場人物たちだった」と思えるところも多く、新鮮過ぎず、本当に懐かしい気持ちになりながら読み進めた。 瀬尾はやっぱり文体が柔らかくて、当時東野圭吾他、ミステリーや硬めの内容の小説を数冊読めば決まって彼女の作品が読みたくなったことまで思い出した。 垣内くんの言うとおり、『文学を通せば、何年も前に生きてた人と同じものを見れる(中略)自分の中のものを切り出してくることだってできる。』 私は、学生だった頃の自分に会ったり、今の自分を切り出したり出来た。 天国はまだ遠く、やその他の当日読んでいたものはもちろん、最近の著作もまた読んでみようと思えた。
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今いる場所が、自分の望む所でなくても、将来の自分にとって、何かしら意味のあるものなんだろうなぁ。浅見さんは、ズルい男にしかみえない。それに比べ、拓実くんや垣内くんは、いい青年だ。
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