図書館の神様 の商品レビュー
僕は、図書館では、本を読まない。でも、よく図書館に行く。小学校の頃は、かくれんぼのいい隠れ場所であったし、中学校の頃は内緒の話をする場所で、高校の頃は昼寝の場所だった。浪人時代は、朝から晩まで図書館の隅っこで数学を解いた。大学時代は、友達のノートをコピーしたり、待ち合わせや休講の...
僕は、図書館では、本を読まない。でも、よく図書館に行く。小学校の頃は、かくれんぼのいい隠れ場所であったし、中学校の頃は内緒の話をする場所で、高校の頃は昼寝の場所だった。浪人時代は、朝から晩まで図書館の隅っこで数学を解いた。大学時代は、友達のノートをコピーしたり、待ち合わせや休講の暇つぶしの場所であった。 でも、なんとなく図書館から守られている感じがあったと思う。古い沢山の本は、無知で生意気で向こう見ずな若い僕を優しく包んでくれていた。図書館の止まったような時間は、激しく流れ日々変わる若い僕の感情をなだめてくれた。いつ行っても、無表情で淡々と受け入れてくれる図書館に僕は何度も救われたんじゃないかと、振り返るとそう思う。 図書館には、それぞれの思い出や思い入れがあると思う。 だから、『図書館』とつく題名の小説、漫画、映画等は意外と多い。小説では『図書館戦争』が有名だが、今日は、瀬尾まいこ作『図書館の神様』を紹介する。瀬尾さんの作品には、悪い人は出てこない。だけど、ちょっと変な人だったり、傷ついた人とか、トラブルを抱えた人が出てきて、良い感じに、リアル感を伴って物語が展開されて心地よい読後感を与えてくれる。デビュー2作目の本作で、その傾向を決定づけるものとなったと個人的には思う。図書館が前面に出るわけではないのだが、図書館の奥深さと寛容さを秘めたストーリー。あなたの中にも、『図書館』があることを気づかせてくれる素敵な本。
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正しく生きる。 一言で言ってしまえば、簡単なことだ。 真っ直ぐでいることは気持ちがいいし、 お日様の下も堂々と歩けるだろう。 しかし世の中には間違っていたとしても やりたいこと、どうにもならないことが存在する。 正しいことだけで生きていられることが、 いかに幸せなのかと思う...
正しく生きる。 一言で言ってしまえば、簡単なことだ。 真っ直ぐでいることは気持ちがいいし、 お日様の下も堂々と歩けるだろう。 しかし世の中には間違っていたとしても やりたいこと、どうにもならないことが存在する。 正しいことだけで生きていられることが、 いかに幸せなのかと思う。 全く関係ない話だが、 先日とある人から言われた。 「改行したら、次の頭の文字は1マスあける。 あなたの原稿用紙の使い方は間違っている」 目から鱗だった。 そんなルールあったんだろうかと思いながら この本を読んだら、ほんとだ、あけてある。 私は今まで読書をしてきて、 このことに全く気が付かなかった。 学生時代から何度も文章を書いてきたのに、 そのことを指摘されたのも初めてだった。 なんとも言えない複雑な気持ちだった。 ちなみに内容自体は気に入られたらしく、 そこについての言及はなかったが、 私の心はもうそれどころではない。 ここで思う。 原稿用紙が正しく使えるつまらない文章と、 正しくなくても気に入ってもらえた文章。 どちらが良かったのか。 いや、一番正しいのは 原稿用紙が正しく使える気に入ってもらえる文章である。 それは分かっている。 しかしこの指摘は私を 『どんなに良い文章が書けたとしても 入れ物を間違えてるんじゃね…』という気持ちにさせた。 相手は正しいことをしたのに、 それを聞かされた私は、ちっとも嬉しくないのだ。 私は自分が書く文章が好きだ。 だから大人になってもこんなところで だらだらと本のレビュー書いている。 そこに正しいも間違いもない。 句読点も改行もない。 ただ好きかどうか。それだけだ。 そんなことを考えた作品だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2013年5月17日 瀬尾まいこさんの本の中ではかなり好き。 「面白くなろう、楽しくしよう。そう思ってるんだけど、そう思えば思うほど、僕はだんだんつまらない人になってしまう。難しいですね」
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瀬尾まいこさん初読 簡単に言うといろいろあって前を向くというお話し まあ面白かったかな もう少し瀬尾まいこさん読んでみたいなとは思いました ブクログやってなければおそらく手にしなかったであろう作家さんかも 世界が広がってるかも
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主人公・早川清の清い精神は至って健康。いつも正しくあることに一番重きをおいた。何にでも全力で品行方正、陰口、噂話も言ったことがない。その代わり、身体は厄介で、四つ足動物の肉を食べると吐き気に襲われ、甲殻類を食べると下痢を催す。辛い物を食べると頭痛、刺激物で鼻血を出すという完璧なア...
主人公・早川清の清い精神は至って健康。いつも正しくあることに一番重きをおいた。何にでも全力で品行方正、陰口、噂話も言ったことがない。その代わり、身体は厄介で、四つ足動物の肉を食べると吐き気に襲われ、甲殻類を食べると下痢を催す。辛い物を食べると頭痛、刺激物で鼻血を出すという完璧なアレルギー体質であった。 そんな清が全身全霊を注いで打ち込んだのがバレーボール。 完璧な精神とある意味完璧な身体だからこそ、補欠の山本さんのミスが許せなかったのであろう。 試合後に山本さんに厳しくあたり、翌日山本さんが自殺する。 そこから清は、未来を諦める。 未来を諦めたからって、いきなり不倫とは… そこまで落ちていったという意味なんだろうけど、少々そのギャップに引いてしまうほどだった。しかも…優しい弟と比較してしまい、ますます不倫相手の浅見が偏屈で自分勝手に見えてしまう。 さて、清の再生に大きく貢献しているのが、文芸部の唯一の部員でかつ部長の垣内君だ。垣内君とのテンポの良いが少々噛み合っていない会話に清だけでなく、私も癒され、垣内君のシリアスな会話は誠実に感じる、説得力もあり、信頼できる。 また、不安定な清を気遣い理由をつけて家に遊びに来る弟の拓実。彼の発言は素直すぎて、微笑ましく、姉へのエールが聴こえてくるようだ。こんなに姉を思う弟もいるんだと尊敬してしまう。 事件後、淡々と時が過ぎていく中で、清の近くにいる垣内君や拓実の行動、言動が本当に暖かく感じ、清の平凡な日常だけでなく私の日常の癒しのようにも感じた。 いろんな人に支えられながらも清自身も山本さんへの気持ちを忘れることがない誠実さ持っていることが、最後に山本さんのは家族の気持ちも動かすことになる。 ちょっと変わった主人公ではあったが、素直で人間味のある主人公であったと振り返ることができる。
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瀬尾先生はいつも心が温かくなるので好きですが、今回も登場人物達が朗らかで温かな中に感動もあり、心が前向きになれました。垣内君の言葉、好きな言葉は沢山あるけど、発表の言葉が好きでした。「文学を通せば何年も前に生きてた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってでき...
瀬尾先生はいつも心が温かくなるので好きですが、今回も登場人物達が朗らかで温かな中に感動もあり、心が前向きになれました。垣内君の言葉、好きな言葉は沢山あるけど、発表の言葉が好きでした。「文学を通せば何年も前に生きてた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってできる。自分の中のものを切り出してくることだってできる。とにかくそこにいながらにしてたいていのことはできてしまう。のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えてどこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機であたらしい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする」
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司書とかのお話と勝手に思っていたけど、違った。 でも、なんか面白かった。 本題からそれる?けど、自分もバファリンに世話になっていました、、、
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どの本をとっても、一息に読みたくなる。派手でドラマティックなことはなくても、明日、明後日につながるやさしいドラマがある。
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ずっと前に読んだ ロールキャベツにスパゲティは、この本だったのかー! また読めて良かった。 主人公のバレーのこととか全く覚えてなかったよ。
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青春。眩しくてクラクラする。 主人公がふわふわと生きているように見えて、読んでいるうちに、初めの章で書かれた出来事をつい忘れてしまいそうになる。こんなに一見「平気」で生きているように見えるなんて。 日常には、あまりにも色々なことが溶け込んでいて、溶け込まないで固形のまま引っかかっ...
青春。眩しくてクラクラする。 主人公がふわふわと生きているように見えて、読んでいるうちに、初めの章で書かれた出来事をつい忘れてしまいそうになる。こんなに一見「平気」で生きているように見えるなんて。 日常には、あまりにも色々なことが溶け込んでいて、溶け込まないで固形のまま引っかかっていることと同じくらいたくさんのことが、ここにもどこにも、あるのだと思う。
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